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公開日:2026.10.28

石川~富山の新ルート!「金沢福光連絡道路」はどこを通る? 峠区間をショートカットして東海北陸道への最短経路に?【いま気になる道路計画】

2023年に開通した国道304号「清水谷バイパス」。この更に南側で「金沢福光連絡道路」は構想されている。

石川県と富山県の県境を越える新ルートとして、「金沢福光連絡道路」の構想が進められている。狭隘で迂回の多い県道をトンネルで短絡し、東海北陸道と金沢市街を結ぶ新たなルートとなる同道路は、実現に向けて現在どのような動きがあるのだろうか。

2023年に開通した国道304号「清水谷バイパス」。この更に南側で「金沢福光連絡道路」は構想されている。

文=鳥羽しめじ

資料=石川県、富山県、国土交通省

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山岳地帯が立ちはだかる石川富山県境

石川・富山県境の主要な道路網

石川・富山県境の主要な道路網

金沢方面と、富山市を含む砺波平野(となみへいや)を結ぶ主要ルートのひとつが、能登半島の付け根に位置する小矢部市・高岡市を経由する国道8号の「倶利伽羅峠(くりからとうげ)」ルートだ。北陸新幹線と在来線(旧JR北陸本線)も並行しており、1967年には「くりからトンネル」が開通。厳しい峠越えが解消された。

現在も幹線ルートとして重要な役割を担っており、1日あたりの交通量は、上下線合わせて約5万台に達する。

そのバイパス的な役割を果たすのが、約8km南側で県境を越え、南砺市福光へとつながる国道304号だ。2023年には「清水谷バイパス」が開通し、こちらも峠越えの改良が進んだ。

さらに南側に位置するもうひとつの県境ルートとして構想されているのが「金沢福光連絡道路」だ。

「金沢福光連絡道路」で峠越えをショートカット

金沢福光連絡道路の構想概要。整備促進期成同盟会の資料に書かれたもの(田中南砺市長のブログより)

金沢福光連絡道路の構想概要。整備促進期成同盟会の資料に書かれたもの(田中南砺市長のブログより)

「金沢福光連絡道路」は、金沢市街地からやや南寄りのルートで東進する計画だ。犀川上流部から長瀞峡の手前で小矢部川流域に入り、南砺市の城端地区へとつながる。

この区間には県道10号「金沢湯涌福光線」が通っているが、県境付近は険しい峠越えとなり、南側へ大きく迂回するルートになっている。連続雨量110mmに達すると通行止めとなるほか、土砂崩れのリスクも高く、大型車による物資輸送には不向きだ。砺波平野南部で災害が発生した際、金沢市内からの最短ルートとなるにもかかわらず、緊急輸送に支障をきたす道路状況が課題となっている。

こうした課題を解消するため、道路の抜本的な改良によって規格を高め、安定した物流ルートを確保しようというのが、金沢福光連絡道路の構想だ。

計画のハイライトは、県境付近で「V字」状に迂回している区間を短絡する、約6kmのバイパス区間だ。概略検討では、約3kmのトンネルを掘削することで山地を抜けられるとされている。さらに富山県側でもうひとつトンネルを整備し、東へ直進して、2023年に開通した「城端スマートIC」付近で東海北陸自動車道に接続する計画となっている。

実現すれば、災害時の緊急輸送ルートとしての機能向上に加え、周遊ルートの形成など、地域間の連携強化も期待される。また、東海北陸道と金沢市街方面を移動する際、「小矢部砺波JCT」から北陸道を経由するルートよりも、目的地によっては所要時間を短縮できる可能性がある。

「県境バイパス」には長い道のり。現在の動きは

同じく県境越えを担う金沢井波線は、徐々に改良されて走りやすい道路になった。画像は改良前

同じく県境越えを担う金沢井波線は、徐々に改良されて走りやすい道路になった。画像は改良前

「金沢福光連絡道路」は、実現に向けて現在どこまで動いているのだろうか。

関係自治体による「金沢福光連絡道路整備促進期成同盟会」が発足したのは1998年。それから約30年が経過する間に、東海北陸道が全線開通し、城端スマートICも開通を迎えている。

石川県議会の答弁を見ると、石川県の立場はあくまで「富山県との調整が必要」というもので、積極的な推進には慎重な姿勢がうかがえる。

一方、富山県では基礎検討が進められている。つまり、国に事業の必要性をアピールするための資料をそろえる段階だ。具体的には、県議会で「バイパス整備の効果を、いわゆる産業連関表というものを利用して調査・分析する基礎的な調査を進めているところ」と説明している。

とはいえ、優先順位はまだ高くないようだ。県側は「国道304号、金沢井波線の整備が進んでいて、この2本で既に石川県との交流について大きく寄与している」との認識を示している。

金沢井波線は、国道304号の3~5kmほど南側を並行し、同じく福光エリアへと至るルートだ。かつては峠区間が獣道同然の状態だったが、長さ802mの清水田島トンネルが完成したほか、平成時代には延長6,650mの区間が改良され、格段に走りやすくなっている。

これに対し、金沢福光連絡道路の現道となる県道金沢湯涌福光線は、現状で費用便益比(B/C)が「約0.2~0.3」にとどまるという。事業化の目安とされる1には遠く及ばず、整備によってどれだけ経済効果や社会的便益を上乗せできるかがカギとなる。富山県が現在進めているのは、まさにその効果を調査する作業だ。

実現に向けて重要なのは、やはり石川・富山両県の「温度差」を解消し、双方の機運を高めることだろう。そのためには、期成同盟会による継続的な働きかけも欠かせない。もうひとつの課題は、両県で進められている大型プロジェクトとの兼ね合いだ。富山県でいえば、工事が最盛期を迎える「富山高山連絡道路」などがある。

金沢福光連絡道路は、実現に向けた第一歩となる「概略ルートの本格検討」に着手できるのだろうか。引き続き、その動向を注視していきたい。

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