亀戸~新木場~羽田空港をつなぐ!?「補助第144号線」計画とは。 ゲートブリッジにつながる「未開通区間」はどうなる【いま気になる道路計画】
江東区を南北に貫き、将来は東京ゲートブリッジに直結する都市計画道路「補助第144号線」の整備が進められている。同線の詳細やメリット、現在の状況を見ていこう。
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「陸の孤島」新木場地区に新たな南北軸
江戸川区の南北軸となる都市計画道路「補助第144号線」
東京都大田区から東京臨海部を横断し、新木場へとつながる「東京港臨海道路」。中央防波堤と若洲を結ぶ「東京ゲートブリッジ」は、壮観なトラス橋で、東京港の名スポットとしても知られている。
東京港臨海道路は、新木場で国道357号にT字路で接続して終わっている。そのため、大田区側からの交通が国道357号に集中し、都心側・千葉側の両方向で慢性的な渋滞が発生している。
そもそも新木場地区は、交通の逃げ道に乏しい。人工島に物流拠点が集積し、新木場駅北側には週末に多くの人が訪れる夢の島公園が広がるが、主要ルートは国道357号と首都高湾岸線に限られている。南側は東京港臨海道路、北側は明治通りと、接続する道路もそれぞれ限られており、明治通りが接続する「夢の島交差点」を中心に慢性的な渋滞が発生している。
この状況を打開するため、新木場から北側を延伸し、荒川沿いに江東区の南北軸を形成する道路として計画されているのが、都市計画道路「補助第144号線」だ。
羽田・川崎方面から江戸川区へ直結アクセス
江戸川区の南北軸となる都市計画道路「補助第144号線」
「補助第144号線」は、江戸川区平井2丁目(JR平井駅南側)を起点に、東大島、新砂を経て夢の島(新木場交差点)に至る全長約6.5kmの都市計画道路だ。
全線が開通すれば、江戸川区方面と新木場を結ぶ新たな南北ルートが誕生する。新木場へのアクセスが改善されるだけでなく、東京港臨海道路や国道357号を通じて羽田空港や川崎方面への移動にも役立ちそうだ。現在、新木場への南北アクセスは西隣の明治通りが担っているが、補助第144号線が新たなバイパスとして機能することも期待される。
すでに開通しているのは、国道14号の亀戸九丁目交差点から清砂大橋通り(地下鉄東西線)までの約3.5km。この区間は東京都道477号 亀戸葛西橋線にあたり、「番所橋通り」の通称で呼ばれている。
では、工区ごとの整備状況を見ていこう。
●平井~亀戸【一部事業中】
江戸川区内の旧中川までの約500mでは、不燃化推進特定整備地区の事業の一環として、地域防災の観点から道路の拡幅工事が進められている。狭い路地を両側に歩道を備えた幅員15mの道路に整備するもので、2014年度に事業化され、2018年度に着工した。2026年度時点で、用地取得は完了しており、街路築造工事や電線共同溝設置工事が実施されている。
一方、旧中川から国道14号までの約300mは、川を渡る橋の整備も必要となる区間だ。優先整備路線には指定されておらず、現時点では事業化の見通しが立っていない。
●亀戸~東砂【4車線整備済み】
国道14号から都営新宿線、清洲橋通りを経て南北に延びる区間は、すでに4車線で整備されている。
ただし、外側車線は駐車禁止となっていないため、荷下ろしや一時駐車に使われることも多い。4車線が確保されているものの、実際の交通状況には課題も残されている。
最終区間「東砂~新木場」事業化の課題とは
新砂地区の荒川スーパー堤防。新木場方面の都市計画道路の敷地が確保されている
●東砂工区【拡幅事業中】
2015年に事業化された区間で、広い歩道や自転車の走行空間を確保するとともに、火災時の延焼防止や電線の地中化を目的に道路を拡幅する。車道は2車線のまま、道路全体の幅員を20mとする計画だ。現在も事業が進められている。
●東砂~新木場【未事業化】
現道がなく、道路を新たに整備する区間だ。計画ルートの周辺には、江東スタジアムなどのスポーツ施設や汚泥焼却施設がある。砂町運河付近を橋で渡り、新木場交差点で国道357号や東京港臨海道路に直結する計画だ。
新砂地区では2000年代に荒川のスーパー堤防化が完了しており、関連する土地区画整理事業にあわせて、都市計画道路の用地も確保されている。
そのため、事業化されれば、用地取得にかかる時間を抑え、比較的スムーズに整備を進められる可能性がある。ただし、砂町運河を渡る橋の建設など、技術面での課題が残されている。
実際、2024年の江東区議会での質疑応答では、事業化に向けた課題として、砂町運河を通行する船舶の航路確保が挙げられている。区は、技術的な課題への対応や警視庁との協議を進めている段階だと説明している。
特に難しいのが、運河を渡る橋と新木場交差点との接続だ。運河から交差点までの距離は200mにも満たない。船舶の航行に必要な高さを確保して橋を架けた場合、短い距離で地上の国道357号に接続する必要がある。立体交差やループ状のランプを設けるなど、接続方法の検討も課題となりそうだ。
果たして、こうした技術的な課題を克服し、東京ゲートブリッジへ直結する未開通区間の事業化はいつ実現するのか。今後の動向に注目したい。
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