「ベンツだけはかっこいい」——VERDYが語る、クルマとアートとファッション。GクラスとCLAをカモフラージュした理由
「ベンツだけはかっこいいなって思ってて」。そう語るのは、東京のストリートカルチャーを代表するアーティスト、VERDY(ヴェルディ)氏だ。今回、彼が手がけたのはメルセデス・ベンツのGクラスと新型CLA。自身のキャラクターやグラフィックを落とし込み、2台のアートカーに仕上げた。クルマ、アート、ファッションを横断する今回のプロジェクトについて、VERDY氏本人に聞いた。
この記事をシェア
クルマとアートとファッションと
Mercedes-Benz STUDIO TOKYOと、アーティストのVERDY(ヴェルディ)氏によるカプセルコレクション「VERDY meets Mercedes-Benz STUDIO TOKYO」が、2026年9月7日に発表された。
コレクションの概要は既報のとおり。「本プロジェクトでは、VERDY氏ならではのグラフィックやキャラクターと、メルセデス・ベンツの世界観を融合。本プロジェクトのために制作されたデザインをさまざまな形で展開します」と、プレスリリースでうたわれている。
メルセデス・ベンツにとってアートは重要なテーマであり続けている、とメディア向け発表の当日、東京・表参道交差点のMercedes-Benz STUDIO TOKYOにおいて、広報担当者は語った。
会場には、VERDY氏が手がけたアート作品も展示。クルマだけでなく、さまざまな形で彼の世界観を楽しめる。
VERDY氏のオリジナルキャラクターとして知られるVICK。メルセデス・ベンツとのコラボレーションでも、その存在感を放っている。
ちょっと昔には、同社の創立100年になる1986年に、アンディ・ウォーホルに依頼して「Cars」というシルクスクリーンの連作を発表して話題を呼んだ。
最近で強く記憶に残っているのは、2023年にファッションデザイナーのヴァージル・アブローとともに手がけた「「Limited Edition Maybach by Virgil Abloh」。同時にアブローとのカプセルコレクションも発表されている。
メルセデス・ベンツ日本は、25年4月、「モンクレール×メルセデス・ベンツ・バイ・NIGO」を発表。日本人ファッションデザイナー、音楽プロデューサー&クリエーティブ・ディレクターであるNIGO®と、ファッションブランドであるモンクレールとともに、カプセルコレクションを作り上げている。
興味ぶかいのは、メルセデス・ベンツは、自社の製品(クルマ)とアートとファッションという、ライフスタイルにおいて重要な3つの要素を常に結びつけていること。
今回のVERDY氏も、Gクラスと新型CLAを使ったアートカーを手がけ、会場にはアート作品を展示。さらにTシャツの柄もデザインしている。
アートカーは、ともにVERDY氏によるカモフラージュ柄が採用され、そこにファンにはおなじみVICKとVISTYというキュートなキャラクターも配されている。
以下は発表会当日、VERDY氏に応じてもらったインタビューを、一問一答形式で紹介するものだ。
ベンツだけはかっこいい
「ベンツだけはかっこいいなって思ってて」と話すVERDY氏。現在は自身もGクラスを愛車としている。
——今回アートカーとして手がけたGクラスとCLA、コンセプトを説明していただけますか。
「カモフラージュ柄をえらんだのは、NIGO®さんが以前からやっていて、それがとてもよくって、自分もやってみたいと思っていたんです。迷彩は動かないというか、自分の存在を周囲に溶け込ませる目的を持っていますが、クルマに使うと都市内では逆にものすごく目立ちますよね。その逆説的な存在感がおもしろいなと思ったんです」
——クルマは、これまで手がけてきたメディアとは違うと思います。特殊性を感じましたか。
「自分はキャラクターとかが好きなので、なにか手がけるときは、キャラとかロゴをドーンって入れるのが定番なんですけど、クルマだと、それがすっとなじまない。思いついたのは、学生のときから観ていたNIGO®さんの作品でした。カモフラージュになってるメルセデス・ベンツがありますよね。それを自分もいつかやりたいなって思っていたのを思い出しました」
今回のアート作品について説明するVERDY氏。カモフラージュ柄を選んだ理由や、デザインへのこだわりを語ってくれた。
表参道のポップアップ「Mercedes-Benz STUDIO TOKYO」では、VERDY氏がデザインしたTシャツなどを含むカプセルコレクション「VERDY meets Mercedes-Benz STUDIO TOKYO」を販売中。
——メルセデス・ベンツというブランドは、今回のアートカーを手がけるにあたって、意識しましたか。
「ブランドというよりデザインですね。元々がすごくかっこいいから、どういうものを落とし込んでもかっこよくなるだろうなっていう、なんか安心感みたいがありました。ただ、自分の柄作りでいうと、キャラクターがもっと全体に馴染んだ方がいいのかなとかいくつものパターンを試しました。メルセデスチームがすごい一緒にやってくれたんで、なんか理想的な形に出来あがったかなって思います」
——Gクラスのアートカーは明るいポップなイメージ、対するCLAはちょっと本格的なダーク系、と異なりますね。パターンは2車で入れ替え可能なのでしょうか。
「置く空間を考えたとき、これがベストかなって思ってますね。Gクラスは屋外に置く前提だと聞いていたので、目を惹くカラフルなものにしようと。屋内展示のCLAには、じっさいのカモ(フラージュ)のイメージに近いものをえらんで、そこに自分のキャラクターを入れました。Mercedes-Benz STUDIO TOKYOっていう空間をどういうふうに自分の空間にするかということを、けっこう考えましたね」
こちらはCLAのアートカー。実際のカモフラージュを思わせるグラフィックに、VERDY氏のキャラクターを組み合わせた。
アートカーのボディには、VERDY氏らしいグラフィックとキャラクターを大胆に配置。メルセデス・ベンツのデザインとも自然になじんでいる。
VERDY氏が手がけたGクラスのアートカー。カラフルなカモフラージュ柄に、オリジナルキャラクターのVICKとVISTYを配した。
——個人的にいまはGクラスに乗っていらっしゃるんですよね。
「もともとクルマには詳しくなかったんですが、原宿の先輩方の影響でベンツだけはかっこいいなって思ってて。 なかでもG(クラス)が欲しいなと思った時にNIGO®さんに相談したら、”ちょうど買う予定があるから一緒に行く?”みたいになって、ディーラーに連れてってくれたんですね。そこで買ってしまいました。ふだん仕事が忙しくて遠乗りは出来ていないんですが、自宅と仕事場の往復とかに使っています」
好きな音楽をかけながら乗るといい気分です、と言うVERDY氏。でも仕事中は音楽を聴かない、というびっくり発言も飛び出した。だからクルマに乗っているときは、がらっと気分が変わるのかもしれない。
最近車内でよく聴くのは、KeshiやThe Weekndだそう。つねに笑顔でインタビューに応じてくれたのが、VERDY氏の人柄をしのばせてよかった。
VERDY|ヴェルディ
1987 年生まれ、大阪府出身。VK DESIGN WORKS 所属のグラフィックアーティスト。独自のタイポグラフィやキャラクターデザインを軸に、東京のストリートカルチャーを代表する存在として国内外で注目を集めている。オリジナルキャラクター「Vick」「Visty」などでも知られる。ファッション、スポーツ、音楽、アート、エンターテインメントを横断する幅広い分野のコラボレーションを手掛けてきた。2026 年 4 月には、韓国・ソウルの LOTTE Museum of Art にて、自身初となる美術館個展「VERDY: I Believe in Me」を開催した。
(2026年9月10日、Mercedes-Benz STUDIO TOKYOにてインタビュー)
INFORMATION
メルセデス・ベンツ ストゥーディオ トウキョウ|Mercedes-Benz STUDIO TOKYO
東京都港区南青山5丁目1-1
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/brand/mb-studio.html




