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公開日:2026.09.26

滋賀~福井に新ルート! 国道8号の混雑を回避する「栃ノ木峠道路」が進行中。長大トンネルでスムーズな県境越えが実現【いま気になる道路計画】

滋賀県と福井県にまたがる国道365号「栃ノ木峠」。旧来の厳しい山岳区間が大きく変化しつつある

滋賀・福井県境を越える国道365号で、トンネル整備事業が進められている。国道8号の代替ルートとしても期待されるこの事業について、整備の概要やメリット、現在の進捗状況を見ていこう。

滋賀県と福井県にまたがる国道365号「栃ノ木峠」。旧来の厳しい山岳区間が大きく変化しつつある

文=鳥羽しめじ

資料=国土交通省、滋賀県

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国道8号に代わる「新たな県境ルート」が誕生?

国道365号栃ノ木峠道路の概要

国道365号栃ノ木峠道路の概要

滋賀県から北陸方面へ向かう幹線ルートのひとつが、福井県敦賀市を経由するルートだ。

琵琶湖西側の国道161号は「愛発(あらち)越え」、東側の国道8号は「深坂越え」でそれぞれ県境を越え、敦賀市内で合流する。北陸自動車道もこれらのルートとほぼ並行している。淀川水系から日本海側へ抜ける交通の要衝として、古くから親しまれている。

一方、滋賀・福井県境には、もうひとつのルート「栃ノ木峠越え」が存在する。長浜市木之本で国道8号から分岐し、北へ延びる国道365号の山岳ルートだ。

国道365号は旧余呉町を北上し、柳ヶ瀬地区を通り、椿坂峠を経て、滋賀県最北の中河内地区へ入る。さらに栃ノ木峠で福井県境を越えると、福井県側では急カーブが連続する険しい山道を下り、約150mの標高差を経て国道476号に接続。そのまま今庄方面へ抜けることができる。

武生・鯖江・福井方面への短絡ルートとなる国道365号だが、栃ノ木峠は険しい線形に加え、冬季には長期間の通行止めが発生するため、物流や緊急輸送の面では課題が残る。

そこで現在、この峠を長大トンネルで貫く「栃ノ木峠道路」の整備計画が進められている。

「栃ノ木峠道路」のトンネルで峠をスムーズに

狭隘かつ急カーブの多い「国道365号 栃ノ木峠」

狭隘かつ急カーブの多い「国道365号 栃ノ木峠」

「栃ノ木峠道路」は、滋賀県長浜市の中河内地区と福井県南越前町の板取地区を長大トンネルで結び、国道476号に接続する。計画延長は約2.9kmで、栃ノ木峠をトンネルで抜ける道路整備事業だ。

栃ノ木峠は標高538mに達するが、トンネルが完成すれば標高480mから380mへ、比較的緩やかな勾配で通過できるようになる。また、トンネル区間の道路線形はほぼ直線となり、車道幅員7.5mが確保されるため、走行環境が大きく改善すると見込まれる。

滋賀~福井を結ぶ主要軸のひとつ「国道8号」は、敦賀市街から武生方面にかけて、敦賀湾沿いの狭隘な道路や連続する急カーブが続く区間があり、事故や走行時の負担が課題となっている。

栃ノ木峠道路の整備によって交通が分散することで、国道8号の交通負担や敦賀市内の混雑の緩和につながるほか、国道8号や国道161号が災害などで通行できなくなった際の代替ルートとしても機能すると期待されている。

実際、2022年8月の豪雨では、国道8号や北陸自動車道が約4日にわたって通行止めとなった。国道365号の中でも特に通行条件が厳しい栃ノ木峠をトンネル化することで、災害時の地域間の交通寸断リスクを低減する効果も見込まれる。

2025年に悲願の事業化! 測量や設計段階に

国道365号「栃ノ木峠道路」の概要

国道365号「栃ノ木峠道路」の概要

栃ノ木峠道路の進捗状況を見ていこう。

2025年3月に「国道365号栃ノ木峠道路防災技術検討委員会」が開かれ、長大トンネルの整備に向けた技術的課題、特に柳ヶ瀬断層への対応について検討された。柳ヶ瀬断層周辺には、断層活動によって岩盤が著しく粉砕された「破砕帯」が存在し、トンネル工事では対策が必要となる。その翌月の4月には事業化されており、近畿地方でも新たに動き始めた道路事業のひとつとなっている。

これまで国道365号では、2014年に開通した椿坂トンネル(延長1842m)をはじめ、柳ヶ瀬・椿坂・中河内地区で2車線化やバイパス整備が進められてきた。滋賀県内の道路状況は平成時代に大きく改善されてきたが、最後まで通行条件が厳しく、冬季通行止めが続いていた県境区間も、いよいよ本格的な改良に動き出したことになる。

この区間は滋賀県が管理しており、これまでの改良事業も県事業として進められてきた。一方、今回の栃ノ木峠道路は、滋賀・福井両県を結ぶ道路ネットワークの強化に向けた、国の直轄事業として整備される。

現在は現地測量や予備設計の段階にある。今後は詳細設計や取り付け部などの用地取得を経て、準備が整えば本格的な工事へ移ることになる。

直近では、2026年7月に長浜市や南越前町などで構成する「国道365号改良促進期成同盟会」が、国に対して早期着工を要望した。今後は、柳ヶ瀬断層への対応を含むトンネルの詳細な設計・施工計画が、事業の進展を左右するポイントとなりそうだ。完成に向けた今後の動きを引き続き注視したい。

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