琵琶湖東に“約39kmのバイパス”誕生!?「彦根東近江バイパス」Ⅰ期はどうなった? 大渋滞の国道8号をトンネルで回避【いま気になる道路計画】 | KURU KURA(くるくら)

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公開日:2026.10.16

琵琶湖東に“約39kmのバイパス”誕生!?「彦根東近江バイパス」Ⅰ期はどうなった? 大渋滞の国道8号をトンネルで回避【いま気になる道路計画】

2025年9月に開通した「米原バイパス」の工事中の様子。2025年8月撮影

琵琶湖東側の国道8号で、長浜市から近江八幡市を結ぶバイパス整備が進められている。2025年に開通した「米原バイパス」の南側で、新たに「彦根東近江バイパス」が事業化された。同バイパスの概要や整備のメリット、現在の状況を見ていこう。

2025年9月に開通した「米原バイパス」の工事中の様子。2025年8月撮影

文=藤井宏治

画像=国交省

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米原バイパスの南へ続く約23kmが事業化!

彦根東近江バイパスの位置図

彦根東近江バイパスの位置図

琵琶湖東側の国道8号では、交通混雑の緩和や交通安全の確保を目的に、4車線のバイパス整備が順次進められている。長浜市内では、1977年8月に「長浜バイパス」約5.8kmが全線開通。2025年9月には、長浜市~彦根市を結ぶ「米原バイパス」約10.3kmも全線開通した。

現在は、その南側につながる「彦根東近江バイパス」の計画が進められている。同バイパスは、国道8号の現道より東側を通り、彦根市から近江八幡市に至る延長約23kmの道路だ。全線が4車線道路として計画されており、長浜バイパス・米原バイパスと合わせると、長浜市から近江八幡市まで約39kmのバイパスが形成される。

2026年度には、彦根市佐和山町~犬上郡多賀町敏満寺の約8.1kmが「I期区間」として新規事業化された。同区間は暫定2車線、設計速度80km/hで整備する計画だ。

延長約8.1kmのうち、トンネルが約4.4km、橋梁が計約1.3km、地面を造成して道路を造る区間が約2.4kmを占める。区間の半分以上がトンネルとなるほか、計画図には延長1130mの橋も示されている。

国道8号の渋滞緩和に期待。交通はどれだけ変わる?

彦根東近江バイパスⅠ期と並行する国道8号の渋滞状況

彦根東近江バイパスⅠ期と並行する国道8号の渋滞状況

彦根市周辺の国道8号では、信号交差点が連続し、朝夕を中心に渋滞が発生している。国交省の資料によると、彦根東近江バイパスⅠ期区間に対応する現道には「主要渋滞箇所」が5カ所ある。これは、走行速度などの交通データや道路利用者の意見を踏まえ、国交省が渋滞対策の対象として選定した箇所だ。

周辺の国道8号現道では、地点によって1日約2万1700~3万900台が通行している。一方、彦根東近江バイパスⅠ期区間の計画交通量は1日約6400~9500台だ。両者の差がそのまま現道から減る交通量を示すわけではないが、国交省は交通の一部がバイパスに転換することで、現道の混雑が緩和すると見込んでいる。

国交省の試算では、佐和山交差点~犬方南交差点の平日朝夕の平均旅行速度は、現況の約19km/hから整備後には約42km/hに向上する。また、甲良町から彦根ICまでの所要時間も、現況の27分から17分へと10分短縮される。

また、交通安全面での効果も期待されている。対象区間の死傷事故率は、県内の国道8号の平均と比べて約1.4倍高く、事故類型では追突事故が約6割を占める。国交省は、渋滞の緩和によって現道の死傷事故率が43.4件から30.1件へと約3割低下すると推計している。

沿線には大規模な事業所も立地しており、現道の渋滞は製品の納入や従業員の通勤に遅れが生じるリスクとなっている。このため、彦根東近江バイパスには、物流の効率化や地域の産業振興に加え、観光地間の移動を円滑にし、観光振興を支援する役割も期待されている。

「彦根東近江バイパスⅠ期」の進捗は?

米原バイパスと彦根東近江バイパスⅠ期の位置図と現地写真

米原バイパスと彦根東近江バイパスⅠ期の位置図と現地写真

彦根東近江バイパスの整備はどこまでい進んでいるのだろうか。

滋賀県は2025年12月、彦根市から近江八幡市に至るバイパスの都市計画を決定した。翌2026年度には、国交省が北側のⅠ期区間約8.1kmを新規事業化。Ⅰ期区間の全体事業費は約860億円と見込まれている。

事業化初年度となる2026年度の予算は5000万円で道路設計を進める。用地取得や道路本体の工事は、まだ始まっていない。

2026年9月に国交省が公表した事業評価資料では、Ⅰ期区間の用地着手や工事着手、開通時期はいずれも示されていない。事業化によって整備は新たな段階に入ったものの、トンネル掘削などの本体工事が始まったわけではない。現時点では、彦根東近江バイパスⅠ期が整備事業として採択され、予算が付いた段階だ。

残る未事業化区間は「多賀町~近江八幡市」の約15kmだ。滋賀県による都市計画決定は済んでいるものの、国交省の資料では「調査中」とされており、現時点で事業化時期や工事着手、開通時期の見通しは立っていない。

このように、「彦根東近江バイパス」は、北側のⅠ期区間が事業化された一方、残る区間は具体的な事業化の見通しが立っていない。全線が整備されれば、長浜市から近江八幡市に至る道路ネットワークが強化され、交通混雑の緩和や物流の効率化などが期待される。今後、残る区間の整備がどのように具体化していくのか、引き続き注目したい。

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