福井~石川の海沿いに新ルート!「福井加賀道路」計画はどうなった? 北陸道から東尋坊・芝政ワールド方面がつながる【いま気になる道路計画】 | KURU KURA(くるくら)

はじめよう、クルマのある暮らし。

Traffic

公開日:2026.09.30

福井~石川の海沿いに新ルート!「福井加賀道路」計画はどうなった? 北陸道から東尋坊・芝政ワールド方面がつながる【いま気になる道路計画】

2018年に開通した国道8号福井バイパス。福井県では少しずつバイパス改良が続けられている

福井県北部の沿岸部を結び、石川県加賀市へ至る構想路線「福井加賀道路」がある。北陸自動車道から福井県の観光地へのアクセスを向上させる構想について、概要や期待されるメリット、現在の状況を見ていこう。

2018年に開通した国道8号福井バイパス。福井県では少しずつバイパス改良が続けられている

文=鳥羽しめじ

資料=国土交通省、福井県

この記事をシェア

海から大きく離れた北陸道や福井市中心街

福井加賀道路の概要。

福井加賀道路の概要。

福井市は人口約25万人を抱える福井県の中心都市だ。鉄道では旧北陸本線、道路では北陸自動車道が通っており、いわゆる日本海沿岸ルートの一角に位置している。

一方で、福井市は「海が遠い街」でもある。海岸線までは直線距離で15km以上あり、中心街から福井港までは20km以上の道のりとなる。北陸道も内陸部の旧丸岡町を経由し、石川県に入ってすぐの加賀市大聖寺付近でようやく海に近づく。

福井県を代表する観光地のひとつが「東尋坊」だ。海に突き出した断崖絶壁の岬で、奇岩が連なる絶景を楽しめる。岬へ向かう道には古くからの商店街が参道のように並び、海産物や土産物を求める観光客で賑わっている。年間観光客数は130万人を超えており、北陸新幹線の開業を追い風に、さらなる観光客の増加も期待されている。

東尋坊周辺には、ほかにも多くの観光地が集まっている。南側には芦原温泉や三国港の古い町並み、北側には「越前松島」や水族館、ウォータースライダーなどを備えたテーマパーク「芝政ワールド」などがある。さらに石川県境付近には北潟が広がり、その河口には吉崎御坊の門前町が形成されている。

こうした観光地を結ぶアクセス道路となっているのが国道305号だ。しかし、三国港から芦原温泉、さらに吉崎御坊から加賀市大聖寺に至る区間は、現在も狭い2車線の生活道路が中心となっている。北陸道を降りてから各地へ向かうまでには、30分あまりかかることもある。

こうした福井県北部の沿岸部における幹線道路の空白を埋めるために構想されているのが、「福井加賀道路」だ。

「福井加賀道路」は三国港から加賀市を結ぶ沿岸ルート

福井加賀道路の概要。新たな南北軸として「福井外環状道路」などと一体で計画されている

福井加賀道路の概要。新たな南北軸として「福井外環状道路」などと一体で計画されている

福井加賀道路は、福井県が2021年に策定した「福井県新広域道路交通計画」に構想路線に位置づけられている。平成初期から構想が存在し、30年以上にわたって各種計画図に描かれてきた、いわば「老舗」の道路構想だ。

おおまかなルートは、三国港の手前から北東へ延び、加賀IC付近で北陸道に接続するというもの。国道305号を高規格化するようなルートとなっており、北陸道がカバーしていない沿岸部を南北に貫く道路となる。

さらに南側では、海側をカバーする南北道路として「福井外環状道路」や「丹南西縦貫道路」も検討されている。これら3路線が整備されれば、福井県越前市(旧武生市)から石川県加賀市まで、福井県の西側を南北に結ぶ、壮大な「北陸道のバイパス」ともいえる道路ネットワークが形成されることになる。

また、福井港へのアクセスについては、丸岡ICから「三国港丸岡インター連絡道路」の整備が進められている。開通すれば、福井平野を横断して福井港や三国方面を結ぶ幹線道路が誕生するほか、南側から東尋坊方面へ向かうルートのひとつにもなる。

この道路と福井加賀道路を組み合わせることで、北陸道から福井県北部の沿岸部へのアクセスが向上するだけでなく、東尋坊や三国港、芦原温泉、北潟、加賀市方面をつなぐ沿岸部の周遊ルートとしても、大きな役割を果たすことが期待される。

福井加賀道路はなぜ具体化しない?

北陸道と福井港方面をつなぐ「福井港丸岡インター連絡道路」が工事中だ

北陸道と福井港方面をつなぐ「福井港丸岡インター連絡道路」が工事中だ

福井加賀道路の計画はどこまで進んでいるのだろうか。

現時点で、具体的な動きはほとんど表面化していない。福井県議会では現在も毎年のように取り上げられているものの、答弁では必要性をあらためて確認するにとどまっている。

坂井市三国町の国道305号では、「三国東7丁目」交差点が主要渋滞箇所に指定されており、2024年9月に信号現示の調整が実施された。

こうした具体化の遅れの背景には、福井県内で複数の大規模な道路整備プロジェクトが進行しており、限られたリソースを福井加賀道路に振り向けることが難しいという事情もあるとみられる。

なかでも大規模なプロジェクトが、中部縦貫自動車道の県内最後の工区となる「大野油坂道路」だ。北陸道から大野市を経由し、九頭竜湖を通って油坂出入口(仮称)で油坂峠道路に接続する計画で、現在は九頭竜IC~油坂出入口(仮称)の整備が進められている。開通時期は2029年春の予定となっている。

このほか、先述した「三国港丸岡インター連絡道路」に加え、国道8号でも「牛ノ谷道路」や「金津道路」といったバイパス事業が進められている。さらに、新たな南北軸の整備についても、福井外環状道路の早期事業化に向けた計画の具体化が進められている。

福井加賀道路が具体化するには、こうした各事業との優先順位や整備状況も大きく関わってきそうだ。

果たして、現在も不便さが残る福井県北部の沿岸部に、観光地を結ぶ新たなアクセスルートが生まれる日は来るのか。今後の動向に、引き続き注視したい。

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(9月30日まで)
応募はこちら!(9月30日まで)