滋賀の国道1号「瀬田川大橋」に新たな橋ができる? 大津に浮上した「2つの新ルート」とは。イオンモール方面へのバイパスも【いま気になる道路計画】
滋賀県大津市の国道1号のボトルネックとして知られる「瀬田川大橋」周辺では、新たな橋梁の整備構想が掲げられている。渋滞緩和を目的とした構想の詳細や背景、期待される効果、現在の状況を見ていこう。
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滋賀県が掲げる「瀬田川渡河橋梁」構想とは
国道1号の瀬田川大橋。琵琶湖南部に架かる貴重な橋で、交通集中による渋滞が激しい
京都方面から滋賀県湖東エリア、大津・草津・栗東方面へ向かう一般道路は、国道1号が主要なルートとなっている。その中でも、大きなボトルネックとなっているのが、琵琶湖から瀬田川が流れ出す地点に架かる「瀬田川大橋」だ。
瀬田川大橋は1959年に完成。それまで主要軸だった旧東海道に代わって開通した国道1号とともに、瀬田川を渡る新ルートとなり、市街地の混雑を避けて通行できるようになった。
しかし、その後の自動車交通の増加や市街化の進展により、瀬田川の東西を行き来する交通需要は大きく増加。片側1車線の瀬田川大橋には国道1号の交通に加え、浜大津・石山寺方面からの交通も合流するようになった。
現在では1日あたり約3万台の交通が集中し、交通容量を大きく上回る状況となり、慢性的な渋滞が発生している。
こうした交通混雑を解消し、瀬田川大橋の機能を補完するため、滋賀県は新たな「瀬田川渡河橋梁」の整備構想を掲げている。
滋賀県の道路整備アクションプログラムで構想として掲げられている「瀬田川渡河橋梁」
瀬田川渡河橋梁は、2023年の「滋賀県道路整備アクションプログラム」において、「今後の道路ネットワーク整備に向けた検討」という構想枠にリストアップされたものだ。
これは「瀬田川大橋の4車線化」につながる構想となる可能性もある。現在の橋を4車線に架け替える場合、工事中の交通をどう切り回すかが大きな課題となる。そのため、現在の橋と並行して2車線の橋を新設し、全体として4車線を確保する方法も考えられるだろう。
橋の西側では、国道422号との交差部がランプ形状となっていることも、渋滞要因のひとつだ。4車線化や新橋の整備に合わせて新たなランプが設置されれば、現在のランプを片側2車線で活用できるようになり、交通の詰まりを緩和できると期待される。
一方、東側では、湖岸道路と立体交差しているものの、接続する道路が十分に整備されていないことが課題となっている。ここでは、都市計画道路「浜街道大江線」によって、東レ工場付近からイオンモール草津方面を直結する将来像が描かれている。
大型プロジェクト「滋賀京都連絡道路」が検討中
「滋賀京都連絡道路」の概略図。
気になる現状だが、整備主体となる国土交通省や、基礎検討・要望を担う滋賀県に、現時点で目立った動きは見られない。もちろん具体的なルートや構造はまだ決まっておらず、既存橋との関係を含め、未確定の状態だ。
その背景には、新たに動き始めた大型プロジェクト「滋賀京都連絡道路」の存在もあるとみられる。
国道1号のバイパス整備では、大津市~甲賀市を結ぶ「山手幹線」「栗東水口道路」が、2025年に全線開通したばかりだ。そして次なる構想として国が掲げているのが、山科区と山手幹線を新たなトンネルで直結する「滋賀京都連絡道路」である。両エリアの移動を大きく変える可能性のあるこの構想は、概略ルートを決める「計画段階評価」の開始に向けて、水面下で検討が進められている。
こうした状況を踏まえると、瀬田川大橋の改良構想が本格的に動き出すのは、滋賀京都連絡道路の進展を見極めた後になる可能性がある。あるいは、国土交通省が主催する「滋賀県渋滞対策協議会」で示されている方向性のように、まずは「瀬田川大橋西詰交差点」の部分的な改良にとどまることもあるだろう。
大津市が構想する、もう一つのルートとは?
大津市の都市計画道路「馬場大江線」の概要。
こうした国道1号の瀬田川大橋とは別に、大津市でも瀬田川周辺の東西交通を改善する道路整備が検討されている。
大津市は2023年に「大津市道路網整備計画(道路網整備マスタープラン)」を策定。計画では、「東南部地域における市街地エリア、瀬田川断面の東西交通においては、慢性的な交通渋滞が発生している」と課題を示し、「新たな道路整備による課題改善を検討します」と方針を明記している。
その具体的な路線のひとつが、都市計画道路「馬場大江線」だ。国道1号とは別に、JR線の北側を通って瀬田川を渡るルートとして計画されている(現在は水道管などの専用橋があり、人や車は通行できない)。
実現すれば、瀬田川を挟む東西交通の新たな選択肢となり、交通が集中する生活道路の安全性向上につながると期待されている。
このように、瀬田川周辺では、現在の瀬田川大橋を補完する「瀬田川渡河橋梁」と、より北側で新たな東西軸を形成する「馬場大江線」という、2つの渡河構想が存在する。
いずれも国の補助事業として本格的に動き出すには、先述のとおり「滋賀京都連絡道路」の進展後となる可能性がある。今後、基礎検討や要望活動がどのように進んでいくのか、引き続き注視したい。
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