大阪~舞鶴の最短ルート!? 2つの高速を結ぶ「京都中部阪神連絡道路」とは? 国道423号を強化する「峠越えバイパス」【いま気になる道路計画】
大阪府箕面市と京都府亀岡市を結ぶ広域ネットワーク道路として、「京都中部阪神連絡道路」が構想されている。その概要や整備によるメリット、現在の進捗、今後の見通しについて見ていこう。
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大阪から京都縦貫道への最短ルートに?
京都周辺の広域ネットワーク図
京都中部・北部方面は平地が少ないため、高速道路を利用した移動ルートは、京都中心部から「京都縦貫自動車道」を利用するルートや、神戸市北部・三田方面から「舞鶴若狭自動車道」を利用するルートなどに限られている。
そのため、大阪方面から京都中部・北部へ向かう場合は、いずれも大きく迂回することになる。大阪市内から北へ向かうと、広大な北摂山地が立ちはだかるためだ。
そこで、大阪府箕面市から山岳区間を抜け、京都府亀岡市へ至るルートを整備する地域高規格道路「京都中部阪神連絡道路」が計画されている。大型車の通行にも対応する、新たな広域道路ネットワークを構築する計画だ。
亀岡市の国道423号の法貴峠。急勾配・急カーブの難所だ
京都中部阪神連絡道路は、新名神高速「箕面とどろみIC」から豊能町を経て、京都縦貫道「亀岡IC」を結ぶ、延長約30kmの広域道路だ。
この区間には国道423号が通じているものの、路肩が狭く、カーブも多い。連続するヘアピンカーブを含む峠越えもあり、大型車の通行には負担の大きい道路となっている。さらに、亀岡市内の「法貴峠」周辺には、大雨時の「事前通行規制区間」が複数設定されており、広域的な道路ネットワークを構築するうえでの課題となっている。
京都中部阪神連絡道路は、こうした国道423号の課題を解消するため、道路の拡幅やバイパス整備などによって走行性や安全性を高める構想だ。大阪と京都府を結ぶ第1次緊急輸送道路にも位置づけられており、災害時の輸送ルートとしても重要な役割が期待されている。
完成すれば、大阪都心部から新御堂筋を経由し、全長5623mの「箕面グリーンロード」で新名神高速へアクセス。その先で京都中部阪神連絡道路、京都縦貫自動車道を通り、「大阪~舞鶴」を結ぶ新たなルートとしての活用も期待できる。
この道路は1998年に地域高規格道路の候補路線として追加された。2021年に策定された「新広域道路交通計画」にも位置づけられているが、現在、具体的な計画区間となっているのは法貴峠周辺に限られ、それ以外の区間は構想段階にとどまっている。
最大の難所も「南半分」のバイパスが完成
亀岡市の国道423号で整備中の「法貴バイパス」
京都中部阪神連絡道路の整備は、どこまで進んでいるのだろうか。北側(亀岡側)から工区ごとに見ていこう。
●犬飼バイパス【事業中】
亀岡市曽我部町で、国の農地再編整備事業に合わせて亀岡市が整備を進めている、延長1km弱の工区だ。南側で国道423号と直角に接続し、そのまま次の工区となる法貴バイパスへつながる。
2022年度から用地取得などを進め、2023年度に工事着手。2026年度の工事完了を目指している。現在は、道路の完成形が徐々に姿を現し、横断する水路のカルバート構築工事などが進められている。
●法貴バイパス【事業中】
京都中部阪神連絡道路の最大の難所ともいえる法貴峠を克服する、延長約3.6kmの工区だ。
峠北側の国道423号は、連続するヘアピンカーブで急斜面を上り下りしている。わずか約500mの直線距離で高低差を処理するため、急勾配と急カーブが連続する区間となっている。
これに対してバイパスでは、山腹の西側から緩やかに上るルートを新設。勾配を最大6%に抑えるほか、既存道路では最小8mとなっている曲線半径を、最小100mまで緩和する計画だ。
現在は峠南側の改良が進んでおり、2020年に約300mが開通。さらに2026年3月には約900mが開通し、南側の区間が完成した。これにより、クネクネと曲がりくねり、路肩も狭かった旧道区間が解消されている。
一方、メインとなる北側区間では、2025年における用地取得96%。現在は、切土斜面ののり面工事などが進められており、複数の工区に分けて順次発注・施工されている。
なお、バイパス整備に合わせて、法貴峠に展望テラスや道の駅を設置する案も検討されたが、眺望などの理由から具体的な計画には至っていない。
●止々呂美局所改良【事業中】
法貴峠以外で、現時点で動いている改良事業が、箕面とどろみIC南側の国道423号旧道における局所改良だ。
池田方面へ下る連続急カーブ区間を対象に、カーブをショートカットする道路を整備している。現在は、カーブなどの線形を局所的に改良する工事が進められている。
残る区間は将来どうなる?
京都府が広域ネットワークに位置づけている京都中部阪神連絡道路
最大の急勾配・急カーブ区間であり、通行規制の課題も抱える法貴峠の改良が進む一方で、それ以外の区間も全体的にカーブが多く、道幅の狭い区間が残されている。
そのため亀岡市は、道路全体を「広域幹線道路」として機能させるべく、2030年度までを計画期間とする「第5次亀岡市総合計画基本計画」において、「阪神地域と南丹地域を結ぶ京都中部阪神連絡道路の計画決定と事業化に向けた取り組みを推進」するとしている。
事業主体となる京都府も、2019年に策定した「京都のみち2040」のなかで、京都中部阪神連絡道路を「物流に求められる広域道路ネットワーク」に位置づけている。さらに、「国際海上コンテナ車」の通行に対応できる道路規格を目指す方針も示されている。
一方、大阪府の「大阪府新広域道路交通ビジョン」を見ると、「広域道路ネットワークの基本方針」で重視されている「都市の骨格となる7放射軸・3環状軸」に、新名神高速以北の国道423号は含まれていない。大阪側では、現時点で大規模な道路改良に向けた具体的な動きは見えにくい状況だ。
こうした状況を踏まえると、今後はまず、京都府が現在進めている法貴バイパスの完成が一つの焦点となる。その先、京都中部阪神連絡道路の全線を広域幹線道路として機能させるため、次にどの区間を対象に「高規格化」の検討が進められるのか。今後の動きを引き続き注視したい。
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