骨折でギプスを装着！ 車は運転できる？ 道交法違反になるの？

ギプスをつけたまま運転してもいいの？

ギプスをした状態での運転については、道交法上では規定されていない。

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骨折などの怪我を負った際に、ギプスを装着して体の一部が固定されることがあります。通勤通学や買い物など日常的にクルマを利用しているドライバーがそうなった場合、ギプスを装着していると、体の動きが制限されて運転ができず不便を感じることもあるでしょう。そのため「ギプスで手や足が固定された状態で運転していいのか？」と考える人も少なからずいるはずです。

実は、骨折中のクルマの運転を禁止する法律は、道路交通法などでは規定されていません。

つまり、ギプスを装着して運転をしたからといって、道交法違反になることはありません。しかし、いつも通りの運転ができない状態では、自分に危険が及ぶだけでなく、周りにも危険を及ぼす可能性があります。不安がある場合、まずは医師に運転をしていいか相談した上で、許可が出た場合にのみ運転することが望ましいでしょう。

ただし、医師の許可があったとしても、いつも通りの運転ができる訳ではないため、充分に安全に注意して運転する必要があります。

足を骨折している場合

右足にギプスをしている場合、ペダル操作が困難になるため、クルマの運転は危険。

足をギプスで固定している場合は、左右どちらの足にギプスをしているかで運転できるかの判断が変わります。

まず、左足にギプスをしている場合、クラッチを操作できないためMT車を運転することは難しいでしょう。一方、AT車は左足を使った操作が無いので、運転すること自体は可能です。ただし、固定方法によっては体のバランスが取りづらくなり、右足の操作に影響を及ぼすこともあります。その場合は、運転は控えましょう。

次に、右足にギプスをしている場合、右足でアクセルやブレーキを操作するため、MT車でもAT車でもクルマを運転することは難しいでしょう。運転に自信があるドライバーでも、無理に左足で操作すると思わぬ事故につながる恐れがあるので、運転は避けましょう。

腕を骨折している場合

片手運転になってしまうと安全運転義務違反になる可能性も。

腕にギプスをしている場合はどうでしょうか。

この場合、左右どちらかの腕がギプスで固定されるので、基本的に片手運転になります。さらに、ギプスの固定方法によっては、ウインカーやワイパー、シフトレバー、サイドブレーキなどの操作も難しくなる可能性が高いため、運転は避けたほうがいいでしょう。

なお、片手運転をしていると、道路交通法第70条に記されている安全運転の義務に反する行為に該当する恐れがあります。

道路交通法第70条には「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通および当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と記されています。

道路交通法第70条違反とみなされた場合、違反点数2点と、普通車の場合は反則金9,000円が科されます。

　【安全運転義務違反の違反点数・反則金】
　・違反点数：2点
　・反則金
　　大型車：12,000円
　　普通車：9,000円
　　二輪車：7,000円
　　小型特殊・原付：6,000円

もしも事故を起こしてしまったら？

万全でない状態で事故を起こせば、過失運転とみなされる可能性も。

もし、怪我をギプスで固定している時に運転をして、交通事故を起こしてしまったらどんな処罰があるのでしょうか。

ギプスをしていたことが原因で交通事故を起こした場合、運転中に必要な注意を怠ったとみなされ、過失運転致死傷罪として罰せられる可能性があります。過失運転致死傷罪とは、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の第5条に記されていて、罰則として7年以下の懲役や禁錮、もしくは100万円以下の罰金が科されます。

このように、骨折などの怪我をしてギプスをした状態で運転することは大きな危険が伴います。できるだけ運転することは避けましょう。怪我をしている時は、公共交通機関やタクシーを利用したり、身近な人に送迎を頼むのもいいかもしれません。もしも、左足の軽い怪我などで運転が可能と判断された場合は、普段以上に交通安全意識を高く持ち、安全を第一に考えて、余裕を持って運転することを心がけましょう。

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