豪雨や台風で道路が冠水! クルマは水深何cmまで走れる? 判断基準と危険性を解説 【クルマの知識】 | KURU KURA(くるくら)

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公開日:2026.09.19

豪雨や台風で道路が冠水! クルマは水深何cmまで走れる? 判断基準と危険性を解説 【クルマの知識】

水たまりを走行するクルマ。(c)Freer – stock.adobe.com

ゲリラ豪雨や台風、線状降水帯によって、道路があっという間に冠水する事例も珍しくありません。では、そのような冠水路に遭遇した際、クルマは水深何cmまでなら走行可能なのでしょうか。

水たまりを走行するクルマ。(c)Freer – stock.adobe.com

文=大門道子

資料=国交省、JAF

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目安は水深10~20cm! 冠水路には入らないのが基本

水面が高くなればなるほど危険性が上がる。

水面が高くなればなるほど危険性が上がる。

近年、夏場を中心に、ゲリラ豪雨や線状降水帯によって道路があっという間に冠水する事例が増えています。冠水路を見て「このくらいの水深なら走れるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、クルマが安全に走行できる水深を一律に決めることはできません。

一般的な乗用車では、クルマの床下やマフラーの排気口に水が届かない10~20cm程度が、ひとつの目安とされています。そして、少なくとも水位がタイヤの半分を超えるような冠水路には進入しないことが基本です。ただし、道路の形状や車種、走行速度などによって状況は変わるため、これより浅ければ安全というわけではありません。

国土交通省が公表した資料によれば、水面がフロアより下にある場合でも、冠水路を走行すると水しぶきや波が発生し、エンジンの吸気口から水を吸い込んでエンジンが停止する可能性があります。特に速度を上げるほど水を巻き上げやすくなるため、冠水路を急いで通過しようとするのは危険です。

さらに水位がフロアを超えると、車内への浸水が始まり、電装系の故障リスクも高まります。パワーウインドーや電動スライドドアなどが作動しなくなったり、エンジンやモーターの故障によって再始動できなくなったりする可能性があります。

また、マフラーも水に浸かると、排気系へ水が逆流して損傷するおそれがあります。EVやPHEVなどでは、車体下部に大型バッテリーが搭載されている車種もあるため、冠水による故障には注意が必要です。

このように、「10~20cmなら必ず走行できる」という意味ではなく、そもそも「冠水路には進入しない」ことを基本に考えることが重要です。

タイヤが完全に水没すると車体が浮くことも!

JAFユーザーテストにて、水深60cmを時速10kmで走行したセダンの様子。

JAFユーザーテストにて、水深60cmを時速10kmで走行したセダンの様子。

さらに水位が上がり、タイヤが完全に水没するほどになると、車体が浮き始める可能性があります。

タイヤや車体には水中で浮力が働くため、タイヤが路面にしっかり接地しなくなれば、ハンドルやブレーキが効きにくくなり、クルマが意図せず流される危険があります。

また、冠水路では水深だけでなく、“水の流れ”にも注意が必要です。流れがある場所ではクルマが低い方向へ押し流され、場合によっては河川などへ流されるおそれもあります。

さらに、冠水した道路は泥水で濁っていることが多く、水面下の状況を確認できません。マンホールの蓋が外れていたり、大きな障害物が沈んでいたりしても、運転席からは見えない可能性があります。

そのため、冠水路を発見したら、無理に進入せず、迂回することが重要です。

車内に閉じ込められたら脱出用ハンマーを活用!

浸水によって車内に閉じ込められたときのために、脱出用ハンマーを用意しておきたい。

浸水によって車内に閉じ込められたときのために、脱出用ハンマーを用意しておきたい。

もし冠水路に進入してしまい、クルマが動かなくなった場合は、できるだけ早く車外へ脱出することが重要です。

水位がドアの下端を超えると、車外からかかる水圧によってドアが徐々に開けにくくなります。JAFが行った水没テストでも、水深が深くなるほどドアが重くなり、開けることが困難になることが確認されています。

さらに水位が上がり、タイヤやドアが水没するような状況になると、クルマが流される危険もあります。車内にとどまらず、早めの脱出を心がけましょう。脱出後はいきなり冠水路へ飛び出さず、片足を浸けて水深や足元の状況を確かめながら、進んできた方向へゆっくり歩いて戻ることが大切です。

ドアが開かない場合に備えて、脱出用ハンマー兼シートベルトカッターを運転席から手の届く場所に備えておくことも大切です。ハンマーを使う際は、側面のドアガラスやリアウインドーを割って脱出するのが基本です。

合わせガラスが使用されているとハンマーで破るのが難しい。

合わせガラスが使用されているとハンマーで破るのが難しい。

フロントガラスには「合わせガラス」が使われているため、脱出用ハンマーで叩いても脱出できるほどの穴を開けることは困難です。また、近年はドアガラスにも合わせガラスを採用している車種があるため、あらかじめ確認しておくと安心です。

なお、水が引いた後も、冠水したクルマを外見だけで判断してエンジンを始動するのは避けましょう。電装系などが損傷している可能性があるため、ディーラーや整備工場で点検を受けることが重要です。EV・PHEV・HVなどの高電圧バッテリーには、感電の危険があるため自分で触れないようにしてください。

ゲリラ豪雨などで道路が冠水した際は、「これくらいなら大丈夫」と過信せず、冠水路には進入しないことが、自分や同乗者、そして愛車を守るための基本です。天気予報やハザードマップなどを確認し、あらかじめ迂回ルートを検討しておくのもよいでしょう。

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