失敗作なんて言わせない! 発売当時は不評、でも今乗ったら楽しそうな200万円以下の輸入中古車5選――ちょっとイケてるマイカー選び #03
発売当時はイマイチな評価だったけれど、今見ると意外とカッコいい!? 今回は、プロの中古車ハンターが注目する「総額200万円以下の輸入中古車」5台をピックアップ。個性的なデザインやユニークな仕掛け、味わい深い走りなど、今だからこそ楽しみたい魅力を紹介します。
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目次
今こそ狙い目! U-200万円の輸入中古車5選
「世間の評価」ほど、アテにならないものはない。
華々しいデビューを飾ったものの、当時の評論家や市場から「こんなの〇〇じゃない」「いろいろ中途半端」などと叩かれ、静かに姿を消していった輸入車たちは数多い。だがそうした車でも10年、15年の時を経て改めて見てみると、「……コレ、意外とイケてるのでは?」と感じるケースは決して少なくないのだ。
新車当時に低評価となった理由は「時代の先を行きすぎたから」「作り手がこだわりすぎたから」「我々に見る目がなかったから」など、さまざまではあるだろう。
だがいずれにせよ新車当時、誰かによって貼られたレッテルを自由自在にひっぺがし、そのハードウェアとしての本質を安価に味わえるというのが、中古車選びの醍醐味のひとつであることは間違いない。
ということでこの記事では、「新車当時は不評だったが、今見ると実はけっこうイイのでは? と思える総額200万円以下の輸入中古車」を5車種、ピックアップしてみることにしよう。
アルファロメオ ブレラ|Alfa Romeo Brera
シトロエン C4カクタス(2016~2017年) 中古車平均価格:102.1万円
シトロエン C4カクタス|Citroen C4 Cactus
シトロエン C4カクタスは、2016年10月に200台限定で正規輸入販売が始まった、全長4155mmのクロスオーバーモデル。パワーユニットは最高出力82psの1.2L直3自然吸気だ。
2016年の発売当時、一部のラテン車ファンは「イイ!」と賛辞を送ったものの、世間一般の反応としては、ボディサイドに貼られた衝撃吸収材に対して「奇をてらいすぎ」との声が噴出。さらに後席の窓はスライド下降せず外側に少しチルトするだけ、シングルクラッチの「ETG5」は変速ショックが気になる……と、粗探しのようなネガティブレビューが並んだ。結果として一部のマニアには売れたものの、ビジネス的には失敗に終わり、市場から消えていった。
だが今になって思うのは、C4カクタスは引き算の美学によって徹底的に軽量化が図られた、なかなかの佳作であった――ということだ。
シトロエン C4カクタスの車両重量はわずか1070kg。これは軽スーパーハイトワゴンに毛が生えた程度であり、似たようなサイズ感となる先代シトロエン C3エアクロスより約300kgも軽い。
ソファーのようにふかふかで幅広な前席ベンチ風シートに身を沈め、アクセルペダルを踏み込んでみれば、C4カクタスは最高出力わずか82psの1.2L直3であっても、驚くほどヒラヒラと軽快に走ってくれる。ギクシャクすると叩かれたETG5も、MT車のように変速の瞬間、アクセルをスッと抜く運転作法を身につければ、まずまずダイレクトで痛快だ。
道具感あふれる割り切りと、現代のSUVが失った圧倒的な軽快感。それを、今となっては総額120万円前後で入手できてしまうというのは、なかなかステキな話であるはずだ。
ジャガー Xタイプ(2001~2009年) 中古車平均価格:95.2万円
ジャガー Xタイプ|Jaguar X-Type
2001年に登場したジャガー Xタイプは、ジャガーがフォード傘下だった時代に開発された全長4685mmのコンパクトサルーン。中身の多くを当時の「フォード モンデオ」というFF車と共用したため、当時の熱心なジャガーファンからは「こんなのジャガーじゃない!」と総スカンを食らった。
だがXタイプは、プラットフォームが大衆車ベースだからこそ日常域での取り回しは抜群で、信頼性も従来のジャガーよりは格段に向上していた。そして英国伝統のウッド&レザーが醸し出す濃密な空気感はXタイプにおいても健在で、ダッシュボードの本木目パネルやコノリーレザー風のシートが放つ色気は、ドイツ製プレミアムセダンにはない温もりと品格に満ちている。
そのドライビングフィールが大いにスポーティだったり、超絶高級感にあふれていたりということはない。だが正調英国流のクラシックな佇まいを、気負わないスニーカー感覚で履きこなすという「抜け感」のようなものが、今となっては総額120万円前後で狙えるジャガーXタイプの最大の魅力となるだろう。
ルノー ウインド(2011~2013年) 中古車平均価格:99.4万円
ルノー ウインド|Renault Wind
2011年に登場したルノー ウインドを覚えている人は、なかなかのマニアかもしれない。2代目ルノー トゥインゴをベースにした全長3.8m強のコンパクトな2座式クーペカブリオレだが、発売当時は「2人しか乗れない割に、オープンカーとしての華やかさに欠ける」「中途半端なキワモノ」などと評され、わずか2年ほどでカタログ落ちした。
だが、このクルマの変態的な(←ホメてます)機構と走りの良さを知れば、評価は180度引っくり返る可能性も高い。
ルーフの開閉機構には、かのフェラーリ575スーパーアメリカと同様の「180度回転式ルーフ」を採用。ボタンひとつでルーフが後ろへ反転し、トランク上部に収まるというものだ。電動油圧のような複雑なリンクを持たないため故障リスクが低く、ルーフを開けてもトランク容量がいっさい減らないという、驚異のパッケージングも実現していた。
さらに、ウインドのシャシー開発を手掛けたのは天下の「ルノースポール」だ。俊敏きわまりないハンドリングと1.6L自然吸気エンジンを5速MTで回し切る快感は、極上のフレンチホットハッチに近いものがある。
それでいて現在の中古車価格は総額120万~200万円程度。誰とも(たぶん)被らない個性と、日常をワインディングに変えてしまうピュアな走りをこの価格で手に入れられる選択肢は、他にそうそうあるものではない。
クライスラー イプシロン(2012~2014年) 中古車平均価格:38.8万円
クライスラー イプシロン|Chrysler Ypsilon
イタリアの名門ランチアが作る小さな高級車「イプシロン」。その3代目はフィアットとクライスラーの統合に伴い、日本では「クライスラー イプシロン」として2012年から正規販売された。
これが、当時のランチアファンやイタ車愛好家には大不評だった。
「アメ車のバッジを付けられたランチアなど認めない」「顔つきがクライスラー風の横バーグリルになり、ランチアならではの優美さが失われた」などと言われ、ブランドのねじれ現象のせいで正当な評価を受けることなく、販売面でも苦戦を強いられた。
だがこのクルマ自体の本質は、完全なるイタリアンエレガンスだ。
巧妙に隠されたリアドアノブにより、3ドアクーペにも見える艶やかなスタイリングや、上級グレードに奢られたポルトローナ・フラウ製レザーシートのぜいたくな触感。そして何より、心臓部に積まれた0.9L 2気筒ツインエアエンジンの痛快さ。
パタパタパタ……と小気味よいビートを響かせながら、シングルクラッチのセミATを駆使して活発に街中を駆け抜ける感覚は、まるでフィアット500を極上のラグジュアリー仕立てにしたかのようでもある。
中古車市場では「クライスラー版」なら総額40万~80万円前後という破格の底値で転がっており、並行輸入された「本家ランチア顔」の個体でも100万円程度。最高にお洒落なコミューターを手頃な予算で入手したい人に、強くおすすめしたい。
アルファロメオ ブレラ(2006~2011年) 中古車平均価格:131.2万円
アルファロメオ ブレラ|Alfa Romeo Brera
最後を飾るのは、2006年に登場したアルファロメオの「ブレラ」だ。
巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが線を引いたコンセプトカーをほぼそのまま市販化した、息を呑むほど美しい3ドアクーペである。だが当時のアルフィスタおよびラテン車愛好家からの評価は散々だった。
「車重が重すぎて曲がらない」「GMと共用のプラットフォームなど、アルファじゃない」などと、要するに「アジリティあふれるアルファロメオらしいスポーツクーペ像」を期待したファンが、そのプラットフォームの重さに幻滅したのだ。
だがデビューから約20年が経った今、このクルマを「硬派でスポーティなクーペ」ではなく「伊達な大人のグランドツアラー」として捉え直してみると、評価は完全に覆る。
低く構えた精悍な3連丸型ヘッドライトや、筋肉質に張り出したグラマラスなリアフェンダー、そして美しく絞り込まれたリアハッチ……。現代の路上において、これほど妖艶で色気のあるクーペボディが他にあるだろうか? そしてワインディングを攻め立てるのではなく、トルクフルなエンジンで高速道路を優雅にクルーズする使い方をするなら、このどっしりとした直進安定性と重厚感こそが心地よいともいえる。
中古車価格は、直噴4気筒の2.2 JTSなら総額100万から160万円程度で、官能的なエキゾーストノートを奏でる3.2L V6 Q4(4WD)でも総額190万円前後から検討可能。今や絶滅危惧種となった「息を呑むほど美しいイタリアンクーペ」を日常の足にする贅沢を、お若い世代の各位にも味わってみてほしいものだ。
※各モデルの中古車平均価格は2026年10月15日時点のもの。編集部調べ。
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