クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

Lifestyle

最終更新日:2024.11.29 公開日:2024.11.22

走行中、後ろから緊急自動車が! 譲らないと「違反」になる!?

運転中、突然後ろからサイレン音とともにパトカーや救急車が走行してきててびっくりしてしまい、どう動けばいいのか分からなかったという人もいるかもしれません。もし緊急自動車に道を譲れなかった場合、違反に問われてしまうことはあるのでしょうか。

文=大門道子

緊急自動車に道を譲ることはマナーでなくルール!

緊急自動車に道を譲ることはマナーではなく法的な義務。

記事の画像ギャラリーを見る

パトカーや救急車のように、サイレンを鳴らして走行している車両のことを、一般的に緊急自動車と呼びます。

緊急自動車の定義は、道路交通法39条で「消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急業務のため政令で定めるところにより、運転中のものをいう」と記載されています。

なお、緊急自動車として公道を走行する場合は、赤い警光灯をつけながらサイレンを鳴らす必要があります。

つまり、パトカーや救急車でも、サイレン鳴っていない場合は緊急自動車に該当しないのです。道が譲る必要があるのは「サイレンを鳴らしているクルマ」と認識しておくといいでしょう。

そして、緊急自動車に道を譲ることは、道路交通法の40条で以下のように記載されています。

「交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両は交差点を避け、かつ、道路の左側に寄つて一時停止しなければならない」。

このように、パトカーなどの緊急自動車がサイレンを鳴らして近づいてきた際には、一般車両は道路の左側に寄って道を譲ることが法律で定められています。そのため、道を譲らずに通行を妨害した場合は、違反行為と見なされ、罰則として点数1点と6000円の罰金が課されてしまいます。

緊急車両が来た時は、状況に応じて落ち着いて対処しよう。

緊急自動車への道の譲り方、どうすればいい?

しかし、いざというときに緊急自動車にどう道を譲ればいいか分からないという人もいるかもしれません。そこで、緊急自動車がサイレンと共に近づいて来たときの道の譲り方をまとめてみました。

●避ける時は「左側」に

まず、基本的には左側に寄ることを意識しましょう。片側一車線の場合は道路の左側に、複数車線の場合は左側の車線に移動してください。

●渋滞時には左右に寄って中央にスペースをつくる

左に寄ることが原則とされていますが、それが難しい場合もあります。たとえば、渋滞時など、クルマが多いときは左車線への移動が困難です。その場合は、2車線のクルマが左右に寄って中央に緊急自動車が通れるスペースをつくるようにしましょう。

●緊急車両が対向車線にいる場合でもなるべく左側に寄ることを意識しよう

緊急自動車が反対車線側にいるときは、こちらには関係ない…と思うことは禁物です。なぜなら、中央分離帯がない道路の場合、緊急自動車が反対車線を利用して追い越すことがあるからです。

そのため、特に緊急自動車が走っている側の道路が混雑しているときは、反対車線側の人たちも緊急自動車の動向をしっかりと確認してスムーズに動けるように意識しておきましょう。

●交差点の前では一時停止

緊急自動車が交差点に進入しようとしている場合は、交差点内への進入を避け、手前で左側により緊急自動車を先に行かせてください。特に信号が青の場合でも、緊急自動車が通過するまでは交差点に入らないようにしましょう。

もしすでに交差点内にいる場合には、交差点外の安全なエリアへ移動し、緊急自動車が通れるようにしましょう。

●譲るときは安全第一

パトカーや救急車がサイレンを鳴らしながら近づいてくるとつい焦ってしまうかもしれませんが、急停車や急ハンドルは接触事故につながるので禁物です。

安全に動ける範囲で、道を譲るようにしましょう。そのためにもドライバー一人ひとりの協力が必要です。

緊急車両はパトカーや救急車だけではない

パトカーや救急車の他にも、道路管理車両などの民間車も緊急自動車にふくまれる。

ちなみに、緊急車両はパトカーや救急車、消防車など公共のものだけではありません。ガス漏れや停電などの応急作業に向かうガス会社や電力会社の民間車両も緊急車両に含まれる場合があります。

また、NEXCOのハイウェイパトロールカーやJAFのレッカー車なども含まれます。緊急車両とみなされるクルマは意外と多いので、改めて覚えておくようにすると、いざとなった時スムーズに行動できるようになるかもしれません。

くり返しになりますが、緊急車両に道を譲ることはマナーではなく義務です。ドライバーたちが協力してスムーズな通行を可能にすることが、迅速な人命救助や災害対応につながっているということを常に意識しておくことが大切です。

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

Campaign

次回は12月5日からスタートです!
次回は12月5日からスタートです!