軽より小さい! なぜフィアットはマイクロモビリティに積極的?「トポリーノ」「トリス」に続きコンセプトカー「ムルティプリーナ」を発表。
ステランティスに属するイタリアブランドの「フィアット」はこのほど、マイクロモビリティのビジョンを示すイベントをローマで開催した。
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目次
フィアットのマイクロモビリティ「トポリーノ」の販売が好調
マイクロモビリティが世界的なメガトレンドとして急速に台頭するなか、フィアットは個々の製品だけでなく、明確かつ一貫したビジョンを通じて、この変革をリードしていくという野心をこのたび改めて表明。フィアットCEO兼ステランティス グローバルCMOのオリヴィエ・フランソワ氏はこのように述べた。
「フィアットは、マイクロモビリティという言葉が生まれるずっと前から、その概念を形作ってきました。私たちの使命は常に同じです。モビリティをよりシンプルに、よりスマートに、そしてより身近なものにすることです。今日、『トポリーノ』『トリス』そして未来へのビジョンである『ムルティプリーナ』を通して、私たちはこれまでの伝統を土台に、未来の都市のための完全なエコシステムを構築しています。それは、楽しく、独創的で、持続可能であり、紛れもなくフィアットらしさにあふれたものです」
フィアット・トポリーノ|2023年7月に発表された2人乗りの小型BEV。初代フィアット500で親しまれた、イタリア語で「小ネズミ」を意味する「トポリーノ」の愛称が受け継がれた。全長2535×全幅1400×全高1530mmのボディに、最高出力6kW(8.2ps)、最大トルク44Nm(4.5kgf-m)の前輪駆動用モーターと5.4kWhバッテリーを搭載し、一充電後続距離は75kmを実現する。最高速度は45km/hに制限されている。
フィアットは、真のデザインアイコンとして急速に地位を確立した「トポリーノ」の成功をさらに発展させている。シンプルで完全電動、そして手頃な価格を美点に、2025年から電動四輪車市場でヨーロッパをリードする存在となった。その勢いは止まらず、2026年第2四半期には、受注台数において2025年比+30%という同モデル史上最高の記録を樹立する見込みだ。
トポリーノの成功はエネルギー転換を大きく促進し、電気自動車の割合を60%以上に押し上げ、現在ヨーロッパのあらゆる自動車セグメントの中で最も高いEV比率を実現。フィアットが歴史的に果たしてきた社会的に重要な役割を改めて強調した形だ。
「トポリーノ」のバリエーションが着々と拡充
フィアット・トポリーノ・スポーツ|2026年6月に発表された特別仕様車。ボディに専用ストライプが入るほか、ブラックのヘッドライトフレームやマットブラック塗装のホイール、スポーツロゴなど、スポーティなキャラクターを強調するデザイン要素による独特のスタイルを実現している。
そんなトポリーノのラインナップに、このたび新たなバリエーションが加わった。新しいボディカラーを採用したの「コラッロ」、オープンボディの「ドルチェヴィータ」、 アグレッシブな走りを掻き立てる「スポーツ」、そしてフランスの高級リゾートウエアブランド「ヴィルブレキン」とコラボレーションした「ニュー・ヴィルブレキン・コレクターズ・エディション」など、それぞれがモデルの個性を際立たせ、実用的な移動手段であると同時に、多様な顧客層に強い関心とブランドへの親近感をもたらす、力強いライフスタイルとデザインの象徴へと進化を遂げている。
さらに、オーディオの革新的ブランド「モンスター」と提携し、トポリーノ専用に設計されたBluetoothスピーカー「モンスターリーノ」を開発。車両にマグネットで取り付けられ、旅が終わったら簡単に取り外せるこのスピーカーは、スマートフォンにも接続でき、車内外で音楽体験を楽しめる。
フィアット・トポリーノ・ニュー・ヴィルブレキン・コレクターズ・エディション|2026年6月に発表。フランスの高級リゾートウエアブランド「ヴィルブレキン」とのコラボレーションによって生み出された特別限定車で、イタリアとフランスで合計200台が販売される。航海をイメージしており、ボディは専用のネイビー&ホワイトの2トーンにペイント。「ヴィルブレキン」のシグネチャーである亀のロゴがダッシュボードにあしらわれるなど個性的な仕立てだ。
商用電動3輪車トリスの進化形「ドルチェヴィータ」
フィアット・トリス・ドルチェヴィータ・コンセプト|Fiat Tris Dolcevita Concept
さらに、パーソナルモビリティの枠を超えてビジョンを広げるべく、フィアットはブランド初の3輪車である「トリス(※当サイト紹介記事はコチラ)」の新たな進化形も発表。グローバルプロジェクトとして開発されたトリスは、効率的で持続可能なラストマイル輸送に対する高まる需要に応えるもの。
トリスはその実用的な用途を基盤に、イタリアのリビエラ地方の開放的な優雅さにインスパイアされた「ドルチェヴィータ」コンセプトで、新たなライフスタイルの領域を開拓する。ホスピタリティやレジャー環境向けに設計されたドルチェヴィータは、より体験的で感情に訴えかけるモビリティを提供し、フィアットの哲学を新たな領域へと拡張する。
加えてフィアットはトリスの進化の一環として、イタリア最古のコーヒー焙煎業者である「Caffè Vergnano(カフェ ヴェルニャーノ)」とのコラボレーションを開始。Caffè Vergnano 1882コーヒーショッププロジェクトの延長として、新たなストリートコーヒーソリューションを開発する。このプロジェクトは、ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)の精神とイタリアのセンスをヨーロッパ各地の都市にもたらすことを目的としたものだ。
「ムルティプリーナ・コンセプト」はフィアット600ムルティプラを再解釈
フィアット・ムルティプリーナ・コンセプト|Fiat Multiplina Concept|1956年に登場した「600ムルティプラ」をオマージュした4人乗り小型EV。超小型モビリティの欧州規格において、トポリーノのL6e規格(軽四輪車)に対して、こちらはその上位となるL7e(重四輪車)に分類。最高速度は90km/hを実現する。現在、2028年の市販化に向けて開発が進められている。
未来へのビジョンの中核をなすのが、伝説的な1956年型「フィアット600ムルティプラ」を大胆かつ社会的に意義のある形で再解釈した「ムルティプリーナ・コンセプト」。
トポリーノと一般的な乗用車をつなぐ“ミッシングリンク(失われた環)”として構想されたこのコンセプトは、インテリジェントで人間中心のアーキテクチャーを通して、空間効率を最大限に高めるレイアウトを実現する。
トポリーノ、トリス、そして未来へのビジョンは、フィアットのマイクロモビリティ・エコシステムを構成する、互いに補完しあう3つの柱。個人の移動手段からビジネス用途、毎日の通勤からライフスタイル体験まで、フィアットはシンプルさ、独創性、そして紛れもないイタリアンスタイルを基盤とした、包括的かつ誰もが利用しやすいシステムを構築している。
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