盛岡~久慈に最短ルート!「久慈内陸道路」はどこを通る? 調査区間「小屋瀬道路」や国道281号で動きが【いま気になる道路計画】 | KURU KURA(くるくら)

はじめよう、クルマのある暮らし。

Traffic

公開日:2026.07.06

盛岡~久慈に最短ルート! 新たな東西軸「久慈内陸道路」はどこを通る? 調査区間「小屋瀬道路」や国道281号で動きが【いま気になる道路計画】

三陸沿岸道路「洋野種市IC」付近の様子。

東北道の盛岡方面と岩手県久慈市を結ぶ新たな高規格道路「久慈内陸道路」の構想が進められている。そのルートや整備のメリット、具体化に向けた現在の状況を見ていこう。

三陸沿岸道路「洋野種市IC」付近の様子。

文=鳥羽しめじ

資料=国土交通省、岩手県

この記事をシェア

盛岡~久慈を結ぶ道路構想「久慈内陸道路」

久慈内陸道路のルート帯。

久慈内陸道路のルート帯。

岩手県久慈市は、県北部の太平洋沿岸を代表する都市で、南の宮古市、北の青森県八戸市から、それぞれ約50~60kmの位置にある。

久慈港は、大船渡港・釜石港・宮古港と並ぶ重要港湾で、古くから漁業が盛んな港として発展してきた。現在は石油備蓄基地を備えるなど、工業拠点としてのポテンシャルも注目されている。

2025年には「久慈港長期構想」が策定され、今後20~30年で観光クルーズ船や大型貨物船の受け入れに対応するほか、周辺をエネルギー産業の拠点として整備するなど、港湾開発の方針が示された。

このように重要性が高まる久慈エリアだが、全国の道路ネットワークへのアクセスは十分とはいえず、物流面では課題を抱えている。

そこで構想されているのが、盛岡市付近の東北自動車道から分岐し、久慈市へ直結する高規格道路「久慈内陸道路(仮称)」だ。

2021年に「新広域道路交通計画」にリストアップ

復興道路(三陸沿岸道路)は2021年に全線開通した。

復興道路(三陸沿岸道路)は2021年に全線開通した。

「久慈内陸道路」は、東北道「西根IC」付近から八幡平市や岩手町を経由し、葛巻町や旧山形村を通って久慈市へ至る高規格道路構想だ。延長は約70kmで、途中には東北新幹線「いわて沼宮内駅」が位置している。

現在、盛岡方面と久慈市を結ぶ幹線道路は「国道281号」だ。全線で2車線が確保され、事前通行規制区間にも指定されていないため、いわゆる「酷道」ではない。しかし、ほぼ全線が山間部のカーブが連続するルートとなっており、大型車による物流には厳しい道路環境となっている。

さらに、岩手町は東北道から外れた場所にあり、盛岡方面からは滝沢ICを降りて国道4号を約30km北上しなければならない。久慈内陸道路には、東北道と久慈市を信号のないルートで直結する役割も期待されている。

この構想は、もともと地元自治体が「北岩手・北三陸横断道路」の名称で整備を要望してきたものだ。2018年には、久慈市、八幡平市、葛巻町、岩手町、普代村、野田村で整備促進期成同盟会を設立。2021年には「久慈内陸道路」として、国の「新広域道路交通計画」にリストアップされた。

その背景には、「復興道路」として優先整備が進められてきた「三陸沿岸道路(八戸~久慈~宮古~釜石~仙台)」が2021年に全線開通したことがある。三陸沿岸の大規模整備が一段落したことで、次の課題である「くしの歯」型ネットワークを形成する内陸連絡軸の整備に順番が回ってきた形だ。

優先調査区間で「将来を見据えた」ルートを検討?

国道281号で進められる道路改良事業。

国道281号で進められる道路改良事業。

現時点で、久慈内陸道路そのものの具体的なルートや事業化に向けた検討は進んでいない。しかし、国道281号では各地で道路改良事業が進められており、その一部では「将来的な高規格道路化を見据えた設計」が取り入れられる方針だ。現状を見ていこう。

これまで重点的に整備が進められてきたのは、旧山形村から久慈市へ向かう区間だ。西から順に、下川井工区(2020年開通)、下川井道路(2006年開通)、案内工区(2017年開通)の3工区、計約5kmが整備されている。いずれも急カーブが連続する谷沿いの区間をトンネルで短絡し、走行性を向上させた。

さらに東側では、2020年に「案内~戸呂町口工区」が新規事業化された。2026年1月には延長569mの「下平トンネル(仮称)」の準備工に着手するなど、事業は着実に進んでいる。

一方、西隣の葛巻町小屋瀬地区でも新たな動きがある。この区間は、将来的に久慈内陸道路の一部となる可能性がある。

2021年に久慈内陸道路が「新広域道路交通計画」に位置付けられた後、岩手県は「小屋瀬~茶屋場」を優先調査区間に設定した。このうち小屋瀬地区は最初に事業化を目指す区間となる。葛巻町中心部へ向かう高原地帯で、現在は急カーブや急勾配が続き、路肩も狭い交通の難所となっている。

岩手県は、この区間を「小屋瀬道路(仮称)」として、「将来的な高規格道路化を見据えた規格」で事業化の検討を優先する方針を示している。

鉄道でも実現していない盛岡~久慈の直結ルート「久慈内陸道路」が実現するのはいつになるのだろうか。あるいは久慈港長期構想が目標とする約30年後の港湾整備が先行するのか。今後の動向に注目したい。

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(8月2日まで)
応募はこちら!(8月2日まで)