京都~奈良に新たな南北軸!「城陽井手木津川バイパス」の延伸構想とは。将来は京滋バイパス~新名神を結ぶ【いま気になる道路計画】| KURU KURA(くるくら)

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公開日:2026.07.07

京都~奈良に新たな南北軸! 国道24号の大渋滞を回避する「城陽井手木津川バイパス」延伸構想とは。将来は京滋バイパス~新名神を結ぶ【いま気になる道路計画】

新名神高速(大津~城陽)の工事が進行中。ここにつながる南北軸バイパスが計画されている。

京都府南部を走る「国道24号」の慢性的な渋滞を解消するため、城陽~宇治を結ぶ新たな南北幹線が構想されている。「城陽井手木津川バイパス」を北へ延伸する同構想の概要や整備効果、現在の状況を見ていこう。

新名神高速(大津~城陽)の工事が進行中。ここにつながる南北軸バイパスが計画されている。

文=鳥羽しめじ

資料=国土交通省、京都府、宇治市

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整備中の「城陽井手木津川バイパス」を宇治へ延伸!

新広域道路交通計画に記載された「宇治木津線」の構想区間(緑丸)。

新広域道路交通計画に記載された「宇治木津線」の構想区間(緑丸)。

京都府宇治市は人口約18万人を擁し、京都市を除けば府内第2位の規模を誇る。一方で、人口が集積し、中枢機能や観光地が集中する宇治駅周辺の市中心部には、広域交通を担う幹線道路が整備されていない。

旧態依然とした街道沿いの生活道路に依存する市中心部を改善するため、「城陽井手木津川バイパス」を宇治市まで延長する新たな広域幹線道路が構想されている。

宇治市の都市計画マスタープランに記載された、「宇治木津線」のおおまかな構想ルート。京滋バイパスと新名神高速を南北に結ぶ。

宇治市の都市計画マスタープランに記載された、「宇治木津線」のおおまかな構想ルート。京滋バイパスと新名神高速を南北に結ぶ。

城陽~宇治を南北に結ぶ幹線道路構想は、2021年に国が策定した「新広域道路交通計画」において、「宇治木津線」の構想区間として位置付けられている。

このうち城陽市以南は、国道24号「城陽井手木津川バイパス」延長11.2kmとして2019年に事業化され、現在は工事が進められている。高規格道路ではなく「一般広域道路」に位置付けられており、両側歩道を備えた一般的なバイパス道路として整備される計画だ。

城陽井手木津川バイパスは、南側で奈良市方面へ向かう国道24号と接続し、州見台や近鉄奈良駅方面へのアクセスを担う。一方、北側は建設が進む新名神高速道路の「城陽スマートIC(仮称)」に接続する計画となっている。

さらに構想区間では、新名神高速から北へ延伸し、山城総合運動公園や宇治市役所、宇治駅周辺を経由して、京滋バイパス「宇治東IC」へ至るルートが想定されている。

幹線道路に乏しい宇治市街地に悲願の新バイパス

狭隘な生活道路区間が残る府道宇治淀線。

狭隘な生活道路区間が残る府道宇治淀線。

宇治駅周辺は東側に山地が迫る地形で、南北方向の道路網が乏しい。現在の南北軸は、近鉄京都線に並行する旧国道24号「府道城陽宇治線」と、そこから北東へ延びる「旧宇治街道(府道宇治淀線・府道京都宇治線)」が担っているが、実質的な幹線道路はこの2ルートしかない。

いずれも狭い2車線道路で、宇治市中心部の交通の大半が集中しているため、各方面で慢性的な渋滞が発生している。JR奈良線アンダーパスの開通など局所的な対策は進められてきたものの、抜本的な改善には至っていない。

こうした状況から、広域交通は1988年に全線開通した国道24号「大久保バイパス」へ迂回するようになった。一方で、宇治市民の「市外へ出入りしにくい」、観光客の「市内へ入りにくい」という課題は依然として解消されていない。

宇治木津線のうち、城陽~宇治間の構想区間は、こうした宇治市中心部の交通環境を大きく変える存在となりそうだ。京滋バイパスと新名神高速を南北に結び、宇治の観光地や山城総合運動公園へのアクセス向上が期待されるほか、奈良市方面への新たな南北ルートとして国道24号の交通を分担する役割も担う。実現すれば、宇治周辺の交通流は大きく変わることになりそうだ。

実現に向けて現在の動きは?

城陽井手木津川バイパスの概要。

城陽井手木津川バイパスの概要。

では、この城陽~宇治を結ぶバイパス構想は、いつ具体化するのだろうか。

少なくとも2026年度の近畿地方整備局の事業計画では、調査・検討の対象には含まれていない。

一方で、2025年1月には新たな動きがあった。宇治市や城陽市など7市町で構成する「山城北部地域道路ネットワーク整備促進協議会」が設立され、城陽井手木津川バイパスの北側延伸を重点要望として掲げたのだ。あわせて、木津川に新たな橋を架ける「城陽八幡連絡道路」などの構想も要望項目に盛り込まれている。

今後は、この協議会を窓口に地元の機運を高めながら、京都府が必要な調査を実施し、事業の必要性や便益を国へ示していく流れとなる。その後、国が「計画段階評価」に着手し、概略ルートや道路構造などの具体的な検討が進められることになる。

では、京都府はこの構想をどう捉えているのか。2025年7月の京都府議会で、府は次のように答弁している。

「道路ネットワークの混雑緩和への有効性を分析いたしましたところ、いずれも一定の効果が確認できましたことから、全ての計画・構想路線におきまして実現に向けた進め方を関係市町とともに検討してまいります」

府としては全ての構想路線について前向きな姿勢を示しているものの、協議会が要望する5路線のうち、答弁で個別に言及されたのは「城陽八幡連絡道路」のみだった。「効率性、実現性の観点から総合的な検討を進めていきたい」としており、現時点ではこちらの方が優先度は高いとみられる。

また国としても、まずは事業中の城陽井手木津川バイパスと、新名神高速道路の着実な整備が最優先となる可能性が高い。これらの事業が一段落した後、宇治方面への延伸構想が具体的な検討段階へ進むことになりそうだ。

宇治市中心部の交通課題を大きく改善する可能性を秘めた広域道路構想。実現にはなお時間を要するとみられるが、今後の地元や行政、国の動向が注目される。

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