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最終更新日:2021.05.10 公開日:2021.05.10

歩行者への水はね。道交法違反になるって本当?

雨の日や雨上がりなど、クルマで水たまりの上を走行する際、水や泥をはねて歩行者にかけてしまうと道路交通法違反になることをご存知だろうか。水はね、泥はね運転の反則金や違反点数を解説するとともに、過去の「JAFユーザーテスト」の結果から、クルマの速度と水はねの関係を紹介しよう。

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水はね、泥はねは道交法違反!

©HiroHiro555 / PIXTA(ピクスタ)

 雨の日や雨上がりなど、クルマで水たまりの上を走行する際、水や泥をはねて歩行者にかけてしまうと道路交通法違反になることをご存知だろうか。このような行為は、「泥はね運転違反」にあたり、道交法第71条の1に以下のように記載されている。

【道交法第71条の1】
ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。

 つまりドライバーは、水や泥をはねてしまう可能性がある場合、徐行するなどして水をはねないように注意して運転する義務があるのだ。

 なお、泥はね運転違反になると、大型車は7000円、普通自動車と二輪車は6000円、小型特殊自動車と原動機付自転車は5000円の反則金が課せられる。行政処分ではないため違反点数は付与されない。

【泥はね運転違反の反則金】
大型車:7000円
普通車、二輪車:6000円
小特、原付:5000円

クルマの速度と水しぶきの関係

 水たまりができている道路を走行している際、歩行者に水をかけないためには、どれくらいまで速度を落せばいいのだろうか。

JAFユーザーテストの検証条件。 出典:JAFユーザーテスト

 一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)では、「JAFユーザーテスト」において、クルマが水たまりを通過したときに発生する「水はねの距離」と「クルマの速度」の関係について検証した。検証に使用したのはコンパクトカー。水たまりは水深が約1cm、歩行者は車道から1段上がった歩道を利用し、横を通過するクルマとの距離は約50cm離れていた。

【水はねの検証条件】
車種:コンパクトカー
水たまり:わだち状で水深は約1cm
歩行者とクルマの距離:約50cm
検証速度:時速40㎞、時速20㎞、時速10㎞


上動画では、クルマの速度と水はねの検証を見ることができる。 出典:JAFユーザーテスト

 時速40㎞、時速20㎞、時速10㎞の3つの速度でクルマが通過すると以下のような結果となった。

 時速40㎞でクルマが通過すると、歩行者(身長約150㎝)の肩の高さまで水しぶきが上がり、車両側方へは約2mまで水がはねた。結果、歩行者の衣服が濡れ、明らかに歩行が妨げられた。

 時速20㎞では、時速40㎞に比べて水はねは小さくなったが、歩行者のひざから太ももくらいの高さまで水しぶきが上がった。時速20㎞でも、水はねのリスクがあることが分かる。

 時速10㎞では、水はねが歩道に達することはなかった。速度が4分の1になったときの運動エネルギーは16分の1になるので(運動エネルギーは速さの2乗に比例)、水はねの距離が時速40㎞に比べて16分の1相当(4分の1の2乗)になったと推察できる。

 この結果から、歩行者への水はねを防ぐには時速10km程度まで十分に速度を落として水たまりを通過する必要があることが分かる。また、道路に十分なスペースがある場合は、歩行者側のスペースをできるだけ広めにとり、可能であれば水たまりを避けて走行することも必要だろう。

 また、対向車とすれ違うとき、水はねによって対向車の視界を塞いでしまうこともある。ドライバーはこのような可能性があることも考え、速度の出しすぎに十分注意して運転することを心がけたい。

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