東京~浦安に「新たな橋」計画中! 葛西から旧江戸川をまたぐ「堀江橋」は実現する? 東京駅まで1本道でアクセス可能に【いま気になる道路計画】
東京都江戸川区と千葉県浦安市を隔てる旧江戸川では、新たな橋「堀江橋(仮)」の整備計画が進められている。橋と接続する前後の道路はすでに整備されており、現在は橋本体の整備が焦点となっている。計画の概要や整備によるメリット、現在の進捗状況を見ていこう。
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江戸川区と浦安市に新たな橋「堀江橋」が計画中!
旧江戸川に計画されている「堀江橋(仮)」
東京都江東区から荒川を渡ると江戸川区となり、さらに東側には旧江戸川に囲まれるように、千葉県浦安市と市川市の行徳エリアが広がっている。
この江戸川区と浦安市を隔てる旧江戸川は、橋が少ない「橋空白地帯」となっている。実質的には、葛西橋通りの「浦安橋」が唯一の橋で、そこから海側には首都高湾岸線と国道357号の「舞浜大橋」があるのみだ。
浦安橋は4車線あるものの、旧江戸川を渡る交通が集中するため、東京・千葉の両側で面的な混雑が発生し、東西方向の移動性を低下させる要因となっている。
そこで現在、浦安橋の南側に新たな橋「堀江橋(仮)」の整備計画が進められている。
いかにも橋ができそうな「未完の都市計画道路」
東京都側の「放射第16号線」は用地確保済み (c)Google Earth
堀江橋は、浦安橋の南側約800mに計画されている。江戸川区側では、大手町・日本橋方面から続く「永代通り」の延長線上に位置し、浦安側では「さくら通り」として浦安市役所やJR新浦安駅方面へのアクセスを担っている。
もし堀江橋が開通すれば、浦安から東京都心までが1本の道路でつながることになる。また、江東区方面へのアクセスも、葛西橋通りと永代通り(清砂大橋通り)の2ルートで結ばれることになり、国道357号とあわせて、渋滞や事故による通行規制などの際の代替ルートとしても機能することが期待される。
現地を訪れると、江戸川区側では堤防際まで都市計画幅の空地が確保されており、将来的にここから旧江戸川を渡る計画であることがうかがえる。現在はフェンスで囲まれ、葛西消防署の「雷訓練場」が設けられている。なお、「雷」はこの周辺の旧地名だ。
浦安側では、中央分離帯を備えた立派な「さくら通り」が堤防手前まで延びているものの、そこで道路が途切れている。多くの自動車は手前の信号から浦安駅方面へ北上するため、暫定開通している区間は、広い道路幅を持て余すように閑散とした雰囲気だ。
その南側には、市営の船舶係留場「堀江ドック」があり、かつての漁村を思わせる雰囲気も残っている。
この計画は、戦後間もない時期から続く東京都市計画道路のひとつ「放射第16号線」に位置付けられている。現在も実現していない、数多くの「都県境区間」のひとつだ。
東京都と千葉県に温度差、計画具体化への道のりは
堀江橋は、都市計画道路3・1・2号線(通称:さくら通り)の延長線上で計画されている。
さて、堀江橋計画の気になる現状だが、今のところ目立った動きは見えていない。
今後、進展があるとすれば、まずは周辺交通の混雑状況などの実態調査を行い、現状の課題を整理することになるだろう。そのうえで、橋梁構造の検討などに進み、事業化を果たせば、用地取得もほとんど必要ないことから、着工に向けて比較的スムーズに進む可能性がある。
東京都の方針を見ると、2040年度までの事業化を目指す「第五次優先整備路線」に堀江橋区間がリストアップされており、東京都がその重要性を認識していることはうかがえる。
もっとも、前回の10か年計画でも優先整備路線に位置付けられていたものの事業化には至らず、今回の計画へ「宿題先送り」となったのも事実だ。優先順位が高くても、優先整備路線全体の事業化が順番待ちの状態にあれば、なかなか出番が回ってこないという事情もある。
一方、千葉県側のトーンはやや弱い。10か年計画である「千葉県道路整備プログラム」に現時点で堀江橋は掲載されておらず、少なくとも同プログラム上の事業化対象にはなっていない。
千葉県は2026年2月の県議会で、堀江橋について「道路線形や交通容量の確保など整備上の課題がある」と答弁している。これまでに都県間の広域的な交通量推計などを実施し、周辺道路の交通円滑化について、東京都や浦安市と会議を行ったことも明らかにしている。
実際、都市計画図を見ると、取り付け部の幅員は40m、4車線分となっているのに対し、渡河部は25m、2車線分となっており、道路の規格がそろっていない。
今後は、最終的にどのような規格の橋とするのか、まず基本的な方針を固める必要がある。さらに、東京都と千葉県の考え方にズレがあれば、両地域の住民も巻き込んだ調整や合意形成が必要となる。そう考えると、堀江橋の実現までには、まだ時間がかかりそうだ。
もっとも、千葉県が現在もっとも注力しているのは、同じ旧江戸川に計画されている「押切・湊橋(仮)」だ。
これは江戸川区篠崎エリアと市川市行徳エリアを結ぶ橋で、行徳地区にとっては、南北の主要道路である「柴又街道」を通じて北側へ抜ける重要なルートとなる。
押切・湊橋は2022年度に新規事業化され、2023年1月には事業認可図書の縦覧が始まった。2025年12月には橋梁の構造計画に関する説明会が開催され、現在の橋梁計画が示された。いよいよ用地取得が始まりつつある段階で、現在は事業が大きく進展する局面を迎えている。千葉県・東京都ともに、この事業を着実に進める構えとみられる。
堀江橋計画が表立って動き出すとすれば、まずはこの押切・湊橋の事業がある程度進んだ後になる可能性がある。早くても押切・湊橋の着工時、あるいは橋桁が架かって開通が見通せる段階になるかもしれない。
果たして、葛西~浦安を結ぶ第2のルートは今後どう動いていくのか。引き続き、その動向を注視していきたい。
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