葛飾~八潮に新ルート? 東京・埼玉県境の「新たな橋」構想とは。東京側で道路整備が進行中【いま気になる道路計画】 | KURU KURA(くるくら)

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公開日:2026.09.30

葛飾~八潮に新ルート? 東京・埼玉県境の「新たな橋」構想とは。東京側で道路整備が進行中【いま気になる道路計画】

東京・埼玉県境は河川で隔てられていることが多く、橋が少ないことで渋滞が課題になっている

東京都・埼玉県の都県境を流れる大場川に、「新たな橋」の整備計画がある。橋が整備されれば、都内から八潮駅へのアクセス向上が期待される。計画の詳細や整備によるメリット、現在の進捗状況を見ていこう。

東京・埼玉県境は河川で隔てられていることが多く、橋が少ないことで渋滞が課題になっている

文=鳥羽しめじ

資料=東京都、八潮市

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東京都と埼玉県の都県境に「新たな橋」

東京都葛飾区で整備中の都市計画道路「補助第277号線」

東京都葛飾区で整備中の都市計画道路「補助第277号線」

東京都葛飾区・足立区と、埼玉県・千葉県との境界周辺には、小さな河川が複雑に流れている。川幅は狭いものの、橋が少なく、河川によって道路網が分断されているため、交通のボトルネックとなっている。

こうしたなか、葛飾区と埼玉県八潮市にまたがる「大場川」を越えて、新たな道路ネットワークが計画されている。

大場川は、中川と江戸川のあいだを屈曲しながら流れる小河川だ。

計画されている橋は、JR常磐線の金町駅から北へ約3kmの位置にある。大場川を渡った約2km先には、つくばエクスプレスの八潮駅が位置する。

金町駅と八潮駅は、それぞれ1日あたりの平均乗車人員が約5万人、約3万人の駅で、この橋は両駅を結ぶ経路の短絡にもつながる。

「補助第277号線」で生活道路をバイパス

「補助第277号線」は大場川を越えて埼玉県八潮市につながる計画だ

「補助第277号線」は大場川を越えて埼玉県八潮市につながる計画だ

金町から北へ伸びるのが、都道501号「王子金町市川線」だ。この道路は現在、都市計画道路「補助第277号線」として、金町から水元を経て都県境まで拡幅整備が進められている。

計画では、水元五丁目三差路交差点で途切れている道路を、そのまま北へ延伸して大場川を渡り、埼玉県八潮市へ入る。八潮市内では、都市計画道路「3・4・26 八潮金町線」として整備され、中川を渡る潮止橋へ接続するルートとなる。

現在、「金町~八潮」を結ぶルートは、水元五丁目から北へ進んだ先の「葛三橋(かつみばし)」で三郷市に入り、戸ヶ崎交差点を左折。県道54号 松戸草加線を経由して潮止橋へ向かうルートが一般的だ。京成バス東京も、金町駅~八潮駅で「金61系統」を運行しているが、この路線も葛三橋・戸ヶ崎を経由する。

このルートは都県間を結ぶ主要な道路のひとつだが、交通需要に対して道路容量が小さいうえ、信号交差点も連続している。そのため、葛三橋や戸ヶ崎交差点、さらに潮止橋周辺では、慢性的な混雑が発生している。

八潮金町線が完成すれば、三郷市内を経由せず、水元から大場川を越えて潮止橋へ直接つながる新たなルートが誕生する。金町~潮止橋の経路は、約1.7kmから約1kmに短縮されるほか、信号交差点も減少し、県道54号 松戸草加線からの交通分散も期待される。

また、新ルートが開通すれば、金町駅~八潮駅を結ぶ路線バスの所要時間短縮につながる可能性もある。

金町駅付近から整備進行中。気になる橋の計画は

八潮市の都市計画道路「八潮金町線」。将来は大場川を越えて葛飾区へつなぐ計画となっている

八潮市の都市計画道路「八潮金町線」。将来は大場川を越えて葛飾区へつなぐ計画となっている

気になる計画の進捗だが、金町側から順次拡幅が進んでおり、岩槻橋手前の「第三期工区」(2016年に工事着手)も舗装工事が進み、完成間近となっている。

現在はその先、水元小学校前までの675mを拡幅する「水元1期工区」が整備中だ。2021年に事業化され、全幅8mほどの狭隘な生活道路を、両側に歩道を備えた16m幅の道路へと拡幅する。用地取得率は2026年4月時点で17%となっている。

さらにその先、大場川手前の水元五丁目三差路までは、東京都が2026年度からの15年計画として策定した「第五次事業化計画」で、優先整備路線に指定されている。今後、事業化に向けた動きが進むとみられる。

一方、その先にある肝心の都県境を越える区間は、第五次事業化計画の優先整備路線には含まれていない。そのため、事業化は、早くても2040年度以降となる可能性がある。

では、対岸となる八潮市側では、この計画をどう捉えているのだろうか。

2017年の八潮市議会では、市当局が「都側がまだ優先整備路線に指定していないため、具体的な調整はしていない」などと答弁している。都側の計画が進んでいない段階では、八潮市側だけ先行して動くことが難しいという状況だ。

とはいえ、橋が架かる予定の古新田地区では、1988年から「大瀬古新田土地区画整理事業」が進められており、街路築造率は2026年3月末予定で約60%とされている。区画整理の設計には、16~30m幅の都市計画道路である八潮金町線も組み込まれている。

そのため、区画整理が進むにつれて、道路自体の整備が進んでいなくても、将来の道路用地として確保された空間が徐々に姿を見せてくることになりそうだ。

悲願ともいえる「新たな都県境の橋」を実現するには、まず2041年度からの「第六次事業化計画」で、優先整備路線に位置づけられることが大きなポイントとなる。ただし、そのためには、まず橋の手前までの各工区を着実に進めていく必要がある。

なかでも最大のポイントとなるのが、用地取得がどれだけスムーズに進むかだろう。今後の事業の進捗を引き続き注視したい。

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