広島駅と山陽道を結ぶ!「広島高速5号線」はどこまで進んだ? トンネル掘削完了、2027年度上期にいよいよ本線開通へ【いま気になる道路計画】
広島駅の北側から広島高速1号線を経由して、山陽自動車道につながる「広島高速5号線」の整備が進められている。2027年度上期に本線開通を予定する同路線について、その概要や整備効果、現在の進捗を見ていこう。
この記事をシェア
広島高速5号線で広島駅北側と山陽道をつなぐ
広島高速道路の路線網と各路線の延長
広島高速5号線は、広島市東区温品町から広島駅北側の二葉の里三丁目までを結ぶ自動車専用道路だ。広島高速道路の整備計画にある5路線のうち、1~4号線の約25kmはすでに開通しており、残る未開通区間の約4.0kmが5号線にあたる。2027年度上期に本線の開通が予定されており、全線4車線で計画されているが、開通当初は、暫定2車線で運用される予定だ。
温品側では広島高速1号線と接続し、1号線を経由して山陽自動車道「広島東IC」へつながる。広島駅側には「広島駅北口IC(仮称)」が設けられる計画で、ルートの途中には約1.8kmのトンネルを整備し、その先は温品側の高架橋へと続く。
また、「温品JCT」では、広島高速5号線と広島高速2号線を結ぶ連結路も整備される計画だ。本線を利用すれば山陽道方面へアクセスでき、連結路が完成すると、2号線を経由して東広島・呉方面へのアクセスも向上する。
5号線本線と2号線連結路、開通で何が変わる?
2023年のG7広島サミットの開催にあたり、広島高速は各国要人の安全で円滑な移動手段として活用された
広島高速5号線が開通すると、どのような効果があるのだろうか。
前述したように、本線が開通すると、広島駅北側から広島高速1号線を経由して、山陽道の広島東IC方面へ向かえるようになる。広島高速道路公社が2020年の審議会で示した予測では、「広島駅新幹線口~高速1号線 間所ランプ」の所要時間は、一般道を利用する場合と比べて、通常時で約5分、混雑時で約7分短縮される。これにより、広島空港方面へのアクセス向上や、所要時間の安定化も期待されている。
続いて2号線との連結路が完成すると、広島駅北側から呉・東広島方面へ向かう新たな経路が加わる。公社の予測では、「広島駅新幹線口~高速2号線 大州ランプ」の所要時間は、一般道を利用する場合と比べて、通常時で約6分、混雑時で約8分短縮される。
周辺の一般道にも交通量の減少による効果が見込まれる。
広島高速5号線は、朝夕の混雑時に中山地区と広島駅を結ぶバイパスとして機能するとされる。県道広島中島線などを利用していた車の一部が5号線へ転換することで、広島市は温品・中山地区周辺の混雑緩和や交通事故リスクの低減を期待している。
また、救急医療施設への傷病者の搬送や、大規模災害時の応急対策への貢献も期待されている。
トンネルの掘削は完了。連結路では橋の工事が進む
広島高速5号線のシールドトンネル内部の工事状況
広島高速5号線の事業は2000年度に始まった。しかし、1号線のトンネル工事で地表面沈下が発生したことを受け、5号線でも同様の影響を懸念する声が上がり、2008年度に本体工事への着手を一時見合わせた。その後、地表面沈下を抑える工法の採用などを決め、2012年12月に事業再開を決定した。掘削開始後も作業の中断を経ながら、2025年4月30日にシールドトンネルの掘削を完了した。
では、現在は何を造っているのだろうか。広島市によると、温品地区や矢賀・中山地区では、本線の高架橋などの本体工事が完成している。一方、トンネル内では、道路として使用するための設備工事などが続いている。
さらに温品JCT周辺では、5号線と2号線を結ぶ連結路の高架橋が建設中だ。この工事に伴い、下を通る県道広島中島線では、2026年7月1日から車道などの通行形態が変更された。切り替えは2028年6月までの約2年間を予定している。
広島市が公表した資料によると、公社施行分の5号線事業費は1439億円で、2025年度末時点の進捗率は約84%となっている。ただし、ここでいう進捗率は事業費を基にした数値であり、道路の延長や工事全体の84%が完成したことを示すものではない。
開通を見据え、料金面の検討も進んでいる。公社は2026年9月4日から10月2日まで、開通済みの1~4号線を含む「広島高速道路料金(案)」について意見を募集した。同案では、道路の構造ごとに異なる距離単価を統一し、利用距離に応じて料金を設定する体系への見直しが示されている。
このように、広島高速5号線では現在、本線の設備工事と2号線との連結路となる高架橋の工事が進んでいる。本線は2027年度上期の開通を予定し、連結路は2028年度の完成を目標としている。広島市内の交通を変える同路線の整備が、今後どのように進むのか、引き続き注目していきたい。
記事の画像ギャラリーを見る




