将来は静岡~高崎を結ぶ! 甲府を囲む「新山梨環状道路」はどこまで進んだ? 北部区間「広瀬~桜井」で橋梁工事が着工へ【いま気になる道路計画】
山梨県の甲府都市圏をぐるりと囲むように整備が進められているバイパス「新山梨環状道路」。そのうち「広瀬~桜井」では、高架橋の下部工事の着工式が2026年10月4日に開催される。計画の概要や整備による効果、現在の進捗状況を見ていこう。
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「新山梨環状道路」は全長約43kmの環状道路
新山梨環状道路の全体路線図
「新山梨環状道路」は、甲府市街地の郊外を環状につなぐ全長約43kmの道路だ。北部・東部・南部・西部の4区間で構成され、西部区間では中部横断自動車道を活用する。南部と西部はすでに開通しているが、北部と東部は未整備の区間が残っており、環状にはつながっていない。
そのうち、北部区間の東端にあたる「広瀬~桜井」の約2.0km区間で、工事に着手することが発表された。国が整備する国道20号のバイパスで、幅員18.25m、4車線で計画されており、「広瀬IC」「和戸IC」「桜井IC・JCT」(すべて仮称)が設けられる予定だ。2026年10月4日には、橋を支える下部構造の工事に向けた着工式が開催される。
広瀬側では、山梨県が整備を進める東部区間に接続する。東部区間は、甲府市西下条町から笛吹市石和町広瀬までの7.1kmで、このうち「西下条~落合西IC」の1.6kmは2022年11月に開通。残る「落合西IC~広瀬IC」の5.5kmは整備中だ。
一方、桜井側では、西関東連絡道路の「甲府山梨道路」に接続する。甲府山梨道路の「桜井~山梨市東」はすでに開通しているため、「広瀬~桜井」が完成すれば、整備中の東部区間と甲府山梨道路がつながることになる。
ただし、「広瀬~桜井」が完成しても、新山梨環状道路の全線がつながるわけではない。東部区間では広瀬ICまでの5.5kmが未開通で、桜井から甲府市街地の北側を通って甲斐市方面へ向かう北部区間にも、事業中の区間や未事業化の区間が残っている。
さらに北部区間が整備されると、甲府盆地の中心部を経由せずに東西を移動できるルートが形成される。西関東連絡道路や中部横断自動車道など既存の道路ネットワークと合わせることで、静岡~高崎方面を結ぶ広域ネットワークの一部として機能することも期待される。
国道20号の渋滞緩和に期待。峡東地域へは27分短縮
甲府市周辺の渋滞状況
広瀬~桜井を整備する目的の一つは、甲府市東部を通る国道20号などの交通を分散させることだ。国土交通省の2023年度の事業評価資料によると、新山梨環状道路に並行する国道20号では19か所の交差点が主要渋滞箇所に指定されている。市街地を通過する交通を環状道路へ分散させ、混雑の緩和を図る狙いがある。
交通事故の減少も期待されている。同資料によると、国道20号の広瀬交差点~双田交差点で発生した車両同士の事故では、追突事故が約8割を占める。国土交通省は、交通容量の確保による渋滞緩和と、渋滞に起因する事故の減少を事業の目的に挙げている。
また、峡東地域へのアクセス改善も見込まれている。国土交通省は、リニア中央新幹線の山梨県駅から甲州市の恵林寺までの混雑時の所要時間について、現況の52分から、新山梨環状道路の整備後には25分に短縮されると試算している。
ただし、この27分の短縮は、広瀬~桜井の2.0kmだけが開通した場合の効果ではなく、新山梨環状道路全体の整備を前提とした予測値だ。新山梨環状道路の整備により、恵林寺をはじめとする峡東地域の観光地へのアクセス改善が期待されている。
用地進捗率は約54%。広瀬高架橋の下部工事に着手
広瀬~桜井区間の位置図
工事に着手する「広瀬~桜井」は、2016年度に事業化され、2022年度から用地買収が始まった。国土交通省の2023年度の事業評価資料によると、2023年3月末時点の用地取得率は約4%だった。その後、2026年度の事業計画では、2026年3月末時点での用地進捗率は約54%、事業進捗率は約42%となっている。
なお、事業進捗率は、用地買収や工事などを含む事業費ベースの指標であり、道路本体の完成割合を示すものではない。
2026年度は、調査・設計や広瀬地区などの用地買収を進めるほか、向町地区の改良工事や広瀬高架橋の下部工事に着手する計画となっており、橋桁を支える橋脚などを整備する予定だ。
広瀬~桜井の開通時期はまだ公表されていない。今後、この区間の整備が進めば、東部区間と甲府山梨道路がつながる。一方で、新山梨環状道路には未整備の区間も残されており、環状道路全体の開通には、今後も複数の区間で整備を進める必要がある。引き続き、各区間の整備の進捗が注目される。
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