千葉~茨城の新たな南北軸「千葉茨城道路」とは。将来は霞ヶ浦横断・茨城空港アクセス構想も。どこまで開通した?【いま気になる道路計画】
千葉県と茨城県を結ぶ新たな幹線道路「千葉茨城道路」の整備が進められている。現在はバイパス整備が進行中で、慢性的に渋滞する国道6号の代替ルートとして期待される存在だ。計画の概要や進捗、さらに広域的な道路ネットワーク構想についても見ていこう。
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「千葉茨城道路」は千葉~茨城の新南北軸
千葉茨城道路の位置図。
外環道~成田空港を直結する高規格道路「北千葉道路」の整備が進んでいる。千葉ニュータウン周辺では立体交差を備えた片側2車線で整備が進む一方、外環道側や成田空港側はいまだ開通していない。全線開通すれば、千葉県内の広域移動を支える大動脈として大きな役割が期待される。
こうした状況の中、北千葉道路からさらに北へ延び、茨城県龍ケ崎市方面へ接続する「千葉茨城道路」の計画も進行中だ。
千葉茨城道路のルート帯。
「千葉茨城道路」は、2021年に国が策定した「新広域道路交通計画」において、構想路線としてリストアップされた道路だ。
計画では、千葉県印西市から茨城県龍ケ崎市を経て、最終的に首都圏中央連絡自動車道(圏央道) 阿見東IC付近へ至るルートが想定されている。
整備形態については、最終的に高速道路規格となるのか、歩道を備えた一般的なバイパスとなるのか、現時点では明確に示されていない。ただし、公的資料や国会答弁では「地域高規格道路」として扱われる例も見られ、その場合は高速道路に準じた規格となる可能性が高い。
現在、千葉茨城道路に相当するルート上では、バイパス整備が進み、順次供用されている。
全線がつながれば、これまで「幹線道路空白地帯」だった茨城県中南部エリアにおいて、国道6号に依存せずに東京方面へ向かう新ルートとなる。
県道バイパスは順次開通! 進捗状況は?
美浦栄線バイパスと竜ヶ崎阿見線バイパスの概要。
「千葉茨城道路」について、千葉県側から進捗を整理していこう。
●北千葉道路周辺【未検討】
●若草大橋延伸線【ルート検討中】
●若草大橋有料道路【開通済み】
本路線の象徴的な存在は、利根川を渡る「若草大橋」だ。2006年に開通した有料道路で、通行料は普通車210円。橋梁が少ないエリアにおける貴重な県境越えルートとなっている。計画当初から千葉茨城道路の一部として位置付けられており、橋脚や取付道路は将来の4車線化を見据えた構造となっている。
一方、若草大橋の千葉側は現状では途切れているが、「鎌ケ谷本埜線バイパス」へ接続する延伸区間の計画が進行中だ。これまでに2回の検討会が実施され、今後は概略ルートの検討段階へ移行する方針が示されている。鎌ケ谷本埜線バイパスは印旛日本医大駅の東側で北千葉道路と接続しており、当面のアクセスルートとしての機能が期待されている。
さらに将来的には、「千葉北西連絡道路」を四街道方面へ延伸し、東関東自動車道に直結する構想も描かれている。
●美浦栄線バイパス【7割開通済み】
若草大橋の北側では、県道バイパスとして延長約10.9kmが事業中となっている。2021年の延伸開通により、全体の7割にあたる約7.5kmが完成し、龍ケ崎市中心部北側のニュータウン「龍ヶ岡地区」まで到達した。
残る北側工区(約3.4km)は2019年に事業化され、牛久市内で国道408号へ接続する計画だ。現場では文化財調査や地盤改良工事が進められている。
●竜ヶ崎阿見線バイパス【事業中・一部開通済み】
さらに北上し、圏央道 阿見東ICへ接続する延長10.3kmの区間だ。未開通区間の約3.1kmが事業中で用地取得率は2024年時点で約48%にとどまり、開通時期は当初計画から4年延期され、現在は2028年度の開通が目標となっている。
なお、阿見東IC周辺ではアクセス道路として一部区間が先行開通しており、すでに4車線の道路が整備されている。
夢の「霞ヶ浦二橋構想」も!
霞ヶ浦を2つの橋で渡る道路構想もある。
千葉茨城道路は、北千葉道路から圏央道までの区間が基本構想とされているが、茨城県の「広域道路交通計画」によると、その先も北方向へ延伸する構想が示されている。
その代表例が「霞ヶ浦二橋」プロジェクトだ。霞ヶ浦は西側で2本の入り江が食い込む地形になっており、それぞれに橋梁を架け、旧小川町(現小美玉市)方面へ直結するルートを整備しようという構想だ。1991年以降、地元自治体により県に対する要望活動が継続的に行われている。
国会では2021年に本構想に関する質問が行われており、「国土交通省としては、この構想の具体化に向け、今後、茨城県から要望や相談等があれば、適切に対応する」との見解が示されている。
さらに、霞ヶ浦以北については「百里飛行場連絡道路」として、そのまま茨城空港周辺へ接続する構想もある。国土交通省の資料でも、国道6号「千代田石岡バイパス」の整備効果として「あわせて整備することで茨城空港へのアクセス時間が向上」と記載されている。
百里飛行場連絡道路の終点は東関東道 茨城空港北ICとされている。これらがすべて実現すれば、「北千葉道路~圏央道~霞ヶ浦~茨城空港~東関東道」を一本の縦軸として結び、常磐自動車道と東関東道の間に広がる「幹線道路空白地帯」を補完する、壮大な広域ネットワークが形成されることになる。
もっとも、現時点ではその多くが構想段階にとどまっており、実現にはなお時間を要する見通しだ。まずは千葉茨城道路として、千葉県内から圏央道までの約20kmの整備進展が現実的な焦点となる。今後の動向を引き続き注視したい。
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