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公開日:2026.11.04

北摂~関空を南北に結ぶ!「大阪内陸都市環状線」はどこまで完成した? 中環・外環を補完する約70kmのネットワーク構想【いま気になる道路計画】

大阪和泉泉南線、区間中央より南向きの写真

大阪府内を南北に結ぶ新たな広域幹線道路ネットワーク「大阪内陸都市環状線」。茨木市から泉佐野市まで約70kmにわたる構想で、大阪中央環状線や大阪外環状線を補完するルートとして整備が進められている。その整備効果と各地の進捗状況を見ていこう。

大阪和泉泉南線、区間中央より南向きの写真

文=藤井宏治

画像=大阪府

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大阪郊外を南北に結ぶ「大阪内陸都市環状線」とは?

大阪内陸都市環状線の概要

大阪内陸都市環状線の概要

大阪内陸都市環状線は、大阪府茨木市の大阪中央環状線(府道2号、近畿道の側道)と泉佐野市の関西空港自動車道を結ぶ道路ネットワークだ。

千里丘寝屋川線や寝屋川大東線、八尾富田林線、泉州山手線など、複数の道路をつないで形成されるルートで、大阪府の「新広域道路交通計画」では、地域間の移動を支える一般広域道路に位置づけられている。

北河内地域では、寝屋川市内の千里丘寝屋川線や門真市内の寝屋川大東線で4車線化が進む。また、南河内地域の八尾富田林線は、八尾市から藤井寺市、羽曳野市、堺市を経て富田林市に至る約11.4kmの幹線道路で、区間ごとに整備が進められている。

泉州地域では、国道26号と大阪外環状線の中間に位置する泉州山手線を整備する計画だ。これらの道路の新設・拡幅に既存の道路を組み合わせ、大阪中央環状線・大阪外環状線を補完する新たなルートの形成を目指している。

移動はどう変わる? 高速道路や関空へのアクセス向上

2025年11月末時点の八尾富田林線(羽曳野工区)

2025年11月末時点の八尾富田林線(羽曳野工区)

整備が進めば、南北方向の移動ルートが増え、交通の分散によって既存の幹線道路の混雑緩和が期待できる。

具体的な効果が示されているのが、八尾富田林線の羽曳野市から堺市にかけての事業区間だ。大阪府が2025年10月の建設事業評価審議会都市整備部会で示した資料によると、残る約1.0kmが完成した場合、国道170号(大阪外環状線)の一部区間では、交通量が1日当たり1800~3200台減少し、減少率は最大で約1割に達すると予測されている。

また、周辺住宅地を通る府道西藤井寺線と市道藤井寺羽曳山線でも、それぞれ1日当たり約1500台、約25~30%の交通量減少を見込んでいる。これにより、生活道路の安全性向上にもつなげる計画だ。

高速道路や空港へのアクセス改善も期待される。八尾富田林線は南阪奈道路の美原東ICや大阪府中部広域防災拠点へのアクセスを強化し、泉州山手線は関西国際空港へのアクセス改善を目指す。

さらに、寝屋川大東線では、車道と分離した歩道と自転車道を道路の両側に整備し、徒歩や自転車で移動しやすい環境をつくる。沿道には古い木造住宅などが密集する地域もあり、道路の拡幅は防災面でも重要だ。火災の延焼を抑える空間を確保するとともに、災害時の避難や緊急車両の通行を支える役割も担う。

一部が暫定供用済み。整備はどこまで進んだ?

関西国際空港周辺に計画された泉州山手線の位置図

関西国際空港周辺に計画された泉州山手線の位置図

●千里丘寝屋川線 約1.4km 4車線化事業中
寝屋川市高柳二丁目から下神田町までの約1.4kmを、2車線から4車線に拡幅する。2023年4月に事業認可を取得し、2025年3月末時点では設計・測量を進めていた。同年4月更新の事業ページでは、土地の面積などを示す図面の作成や建物調査を順次進める予定としている。

●寝屋川大東線 約1.0km 用地買収・整備中
約1.0kmの事業区間は、2025年度末時点の事業進捗率が50.1%。これは事業費を基にした割合で、道路の半分が完成したという意味ではない。先行する1期区間の約515mでは、2025年度末時点で用地買収が約89%完了しており、事業全体では2030年度の完成を予定している。

●八尾富田林線(藤井寺工区) 約1.6km 一部供用済み
整備対象約1.6kmのうち、府道堺大和高田線から市道堺街道線までの約300mが、2025年7月25日に暫定供用された。

●八尾富田林線(羽曳野・堺市域) 約1.9km 残る約1.0kmを整備中
約1.9kmの事業区間では、約0.9kmが通行可能となり、残る約1.0kmの整備が進められている。土地の境界確定に時間を要したため事業期間を延長し、2025年度の再評価資料では完成予定年度を2031年度としている。

●泉州山手線(名越工区) 約1.4km 事業中
貝塚市内の名越工区は、2020年度に事業化された。

●泉州山手線(山直工区) 約2.35km 事業中
岸和田市内の山直工区では、2025年度に事業に着手した。

●大阪岸和田南海線(熊取町) 約600m 事業中
国道170号から府道泉佐野打田線までの約600mを2期区間として整備している。2025年度の再評価資料によると、全体事業費は約42.4億円で、完成予定年度は2030年度だ。

大阪内陸都市環状線は、府内各地の道路をつなぎ、大阪中央環状線・大阪外環状線を補完する道路ネットワークを形成する計画だ。今後、通行可能な区間が増えれば、日常の移動や高速道路へのアクセスに使えるルートの選択肢も広がっていく。今後の事業進捗に引き続き注目したい。

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