18年越しの開通! 佐賀の国道3号「鳥栖拡幅」がついに4車線化。九州3路線が交わる鳥栖IC周辺の渋滞はどう変わる?【いま気になる道路計画】
佐賀県鳥栖市を通る国道3号で工事が進められてきた「鳥栖拡幅」の4車線化が2026年11月7日に完成する。2008年度の事業化から約18年を経て完成する同事業について、その概要や整備効果、これまでの整備の歩みを見ていこう。
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国道「鳥栖拡幅」がついに完成! 11月7日に交通開放
国道3号鳥栖拡幅事業の位置を示す広域地図
鳥栖拡幅は、鳥栖市姫方町から酒井西町までの「国道3号」延長約2.4kmを4車線化する事業だ。完成時の道路幅員は25.25mとなる。
周辺には、九州自動車道、長崎自動車道、大分自動車道が接続する「鳥栖JCT」や「鳥栖IC」があり、国道3号は福岡市方面と久留米市方面を結ぶ幹線道路として利用されている。また、沿線には鳥栖商工団地などの物流拠点が立地している。
沿道開発などに伴う交通量の増加によって混雑が課題となり、交通安全性の向上も求められるようになった。こうした状況を受け、接続する道路の整備状況なども踏まえて、2008年度に4車線化が事業化。2013年度に用地買収、2017年度に工事に着手し、曽根崎交差点付近の車道・歩道の拡幅や、大木川に架かる八坂橋の工事などが進められてきた。
4車線化で何が変わる? 鳥栖IC周辺の混雑緩和へ
鳥栖拡幅区間と周辺の物流施設・工業団地を示す航空写真
鳥栖拡幅区間では、現在も混雑時に車両の流れが滞っている。国土交通省の資料によると、主要渋滞箇所に指定されている曽根崎交差点付近などでは、平日の混雑時に走行速度が20km/h台以下となる箇所がある。
4車線化による混雑緩和の効果も大きい。姫方町交差点から商工団地北入口交差点までの所要時間は、現況の約7分から約3分に短縮すると予測されている。走行速度も、現況の約19km/hから将来は約43km/hに向上するとの試算だ。
交通安全性の向上も期待される。鳥栖拡幅区間の1km当たりの死傷事故件数は、佐賀県内の国道平均の約3倍に上る。2019~2022年の事故データでは、区間内で発生した事故の65%を追突事故が占めている。国土交通省は、4車線化による混雑緩和を通じて、交通安全性が向上すると期待している。また、鳥栖市も生活道路や通学路を通り抜ける車両が減ることで、周辺道路の安全性が高まるとみている。
物流面でも効果が見込まれる。2021年の調査によると、鳥栖拡幅区間を通行する車両のうち、大型車が占める割合は30.6%。九州の直轄国道のうち、市街地にある2車線以下の道路の平均(11.4%)と比べて、約3倍に上る。沿線には鳥栖商工団地やグリーン・ロジスティクス・パーク鳥栖などの物流拠点があり、周辺では新たな産業団地の整備も進んでいる。
2024年に実施された企業への聞き取りでは、区間内の混雑を見越し、出荷時の輸送時間に余裕を持たせる必要があるとの声も寄せられた。4車線化によって交通の流れが改善すれば、輸送時間の見通しが立てやすくなり、業務の効率化にもつながると期待される。
また、周辺では2024年6月に「小郡鳥栖南スマートIC」が開通した。国土交通省は、鳥栖ICなど周辺ICへのアクセスが改善することで、企業誘致や雇用の拡大にもつながると見込んでいる。
11月7日10時に交通開放予定
鳥栖拡幅工事に伴う車線配置と通行形態の変更を示す図
国土交通省佐賀国道事務所は、4車線化に向けて、上下線を分離する車線切り替え作業を実施した。姫方町交差点から曽根崎交差点までの約1.3kmでは2026年7月23日、曽根崎交差点から商工団地北入口交差点付近までの約1.1kmでは8月6日に作業が始まった。上下線の分離に伴い、交差点以外から国道に出入りする場合は、左折のみとなっている。
4車線での交通開放は、2026年11月7日(土)10時を予定している。開放まであとわずかとなったが、雨天などによって日程が変更されたり、作業状況に応じて時刻が前後したりする場合がある。
国土交通省は、道路事業の完了後に整備効果を確認する事後評価を実施している。鳥栖拡幅についても、4車線化によって所要時間や混雑状況がどのように変化するのか、今後公表される実測データに基づいた検証結果に注目したい。
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