道東道の4車線化が進展!“対面通行だらけ”の約288km、どこが整備中? 完成すれば“鉄道に逆風”も【いま気になる道路計画】 | KURU KURA(くるくら)

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公開日:2026.08.13

道東道の4車線化が進展!“対面通行だらけ”の約288km、どこが整備中? 完成すれば“鉄道に逆風”も【いま気になる道路計画】

先行して4車線化した「トマムIC~十勝清水IC」

北海道の道央圏と道東圏を結ぶ道東自動車道(道東道)では、暫定2車線区間の4車線化が進められている。現在は、占冠(しむかっぷ)IC~トマムICを中心にトンネル掘削や橋梁架設などの工事が進行中だ。この4車線化事業の整備概要やメリット、最新の工事状況、JR北海道の石勝線と根室線への影響について見ていこう。

先行して4車線化した「トマムIC~十勝清水IC」

文=藤井宏治

画像=NEXCO東日本

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道東道の一部で4車線化工事が進行中!

4車線化事業の整備区間概要

4車線化事業の整備区間概要

道東道は、北海道の道央圏と道東圏を結ぶ高速道路だ。千歳恵庭JCTから夕張市、占冠村、帯広市周辺を経て本別JCTに至り、同JCTで釧路方面と足寄方面に分岐する。現在、「千歳恵庭JCT~釧路別保IC」と「本別JCT~足寄IC」の計288.1kmが開通している。

開通区間の多くは、片側1車線の暫定2車線で供用されている。これを受け、NEXCO東日本は「占冠IC~トマムIC~十勝清水IC」の約38.5kmと、「追分町IC~夕張IC」の一部約4.1kmで4車線化事業を進めている。

道東道の4車線化はJRには逆風か?

2016年8月の台風災害状況と道央圏と道東圏を結ぶ基幹ルートの確保状況

2016年8月の台風災害状況と道央圏と道東圏を結ぶ基幹ルートの確保状況

道東道の4車線化によって、渋滞や交通事故の減少、大規模災害時の交通確保、大雪時の交通機能維持などが期待されている。

暫定2車線区間では上下線が近接しているため、車両が対向車線へ逸脱すると正面衝突事故につながるおそれがある。4車線化によって上下線が分離されれば、対向車線への飛び出しによる重大事故の防止につながる。

また、片側2車線になることで、低速車の追い越しも可能になる。暫定2車線区間では、低速車の後ろに長い車列ができる場合があるが、走行車線と追越車線が確保されれば、速度低下や交通の滞留を抑えやすくなる。

災害時の交通確保も重要な整備効果だ。2016年8月の台風10号では、国道274号の日勝峠や国道38号の狩勝峠、JR路線が土砂流入や路面崩壊、落橋などの被害を受けた。道東道でも「占冠IC~芽室(めむろ)IC」が、応急処置が完了するまでの約1日間、通行止めとなった。

このように暫定2車線区間では、事故や災害によって車線がふさがれると、上下線とも通行止めとなる場合がある。

4車線化が完了すれば、被害を受けていない車線を対面通行などに活用することで、交通を確保しやすくなる。例えば大雪時には、走行車線とは別に除雪作業に使用できる道路空間を確保でき、除雪作業による交通への影響を抑え、通行止めや交通障害の減少につながることが期待されている。

一方で、道路と同じく地域交通を支える鉄道にとって、道東道の利便性向上が必ずしも好影響をもたらすとは限らない。道東道と並行するJR北海道の石勝線と根室線は、札幌、帯広、釧路方面を結び、自動車や高速バスとともに道央・道東間の移動を担っている。

JR北海道は2019年に公表した長期経営ビジョンで、人口減少などと並び「高速道路網の進展」を同社を取り巻く厳しい経営環境のひとつに挙げている。道東道の4車線化が鉄道利用者や収支に与える具体的な影響は公表されていないものの、高速道路網の整備がJR北海道の経営環境に関係する要素として認識されていることは確認できる。

トンネル掘削や橋梁架設、PA移設などが進行中

占冠PA周辺(移設先)。工事用道路施工中。

占冠PA周辺(移設先)。工事用道路施工中。

道東道では、「追分町IC~夕張IC」「占冠IC~トマムIC~十勝清水IC」の一部で4車線化事業が進んでいる。対象区間の合計延長は約42.6kmで、現在の片側1車線による対面通行から片側2車線へ拡幅し、既存道路に並行して新たな車線を整備する計画だ。

対象区間には山間部が多いことから、単純な道路拡幅にとどまらず、トンネルや橋梁、道路や水路を通す箱形のコンクリート構造物「ボックスカルバート」の施工や、IC・PA周辺施設の新設・改築など、大規模な工事が進められている。

占冠IC~トマムICでは、占冠PAの移設やトマムICランプ部の改築が計画されている。また、東占冠トンネルとホロカトマムトンネルでは、新たなトンネル本体を施工するための工事用道路が整備中だ。

トマムIC~十勝清水ICでは、狩勝第一トンネルと狩勝第二トンネルの新設工事が進行中。両トンネル周辺では掘削作業が行われており、狩勝第一トンネル付近ではペンケオタソイ川橋の架設工事が進む。

このほか、占冠PAの移設予定地ではボックスカルバートの設置、トマムICでは出入口となる道路部分の盛土工事を実施。各地点で道路本体やトンネル、橋梁、周辺施設の整備が並行して進められている。

なお、道東道の4車線化事業の完成時期は公表されていない。一方、十勝清水IC付近では約4kmの区間が2025年11月に4車線化されており、整備は着実に進んでいる。

このように、道東道では、トンネルや橋梁などの工事が各地で進み、一部区間ではすでに4車線化が実現している。道東道と並行するJR北海道の路線にとっては、高速道路の利便性向上が逆風となる可能性もある。道路の整備が地域の交通にどのような影響を与えるのか、今後の工事の進捗とともに注目したい。

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