札幌~函館の“最後の未開通部”事業化へ前進!「道央道」七飯工区がルート調査開始。夢の「信号ゼロ直結」どこまで進んだのか【いま気になる道路計画】
札幌~函館を結ぶ高速ルートのうち、最後の未事業化区間「七飯藤城IC~七飯IC」において、いよいよ事業化に向けた最初のステップとなる「計画段階評価」へ向けた動きが始まった。北側では、世紀の大プロジェクトともいえる長大トンネルの建設も進行中だ。いま注目を集める「道央道」の最新進捗を見ていこう。
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札幌~函館の「完全信号ゼロ」直結まであとわずか
各地で整備事業が進む道央道。札幌~函館の全線開通が間近だ
鉄道での移動に慣れている人には意外かもしれないが、札幌~函館は、現在も高速道路で完全にはつながっていない。
そもそも北海道と本州の間には道路が通っておらず、函館は長らく「北海道の南の玄関口」としての役割を担ってきた。現在も函館~青森では「青函フェリー」が運航されており、長距離ドライバーにとっては旅情を感じさせる航路となっている。
そんな札幌~函館を結ぶ高速道路は、「北海道縦貫自動車道(道央道)」の一部として計画され、段階的に整備が進行。気がつけば、全線開通に向けて大詰めの段階に入っている。
そして2026年4月、大きな動きが国土交通省から発表された。
それが、最後の未事業化区間となっている「七飯(ななえ)藤城IC~七飯IC」について、概略ルートや構造を検討する「計画段階評価」を開始するというものだ。
オオヌマトンネルは全国トップクラスの全長約7km!
事業が進む大沼~七飯区間。七飯側に未事業化区間が残る
道央道は、1971年の「北広島IC~千歳IC」開通を皮切りに順次延伸され、苫小牧・室蘭方面を経て、1997年には長万部(おしゃまんべ)まで到達した。その後も整備が進み、2012年には「大沼公園IC」まで開通。一方、函館側では「函館新道」が整備され、2001年までに「函館IC~七飯藤城IC」が開通している。
現在、未開通区間として残されているのは、「大沼公園IC~七飯IC~七飯藤城IC」の約12kmのみとなった。
なかでもハイライトともいえるのが、工事が進む「大沼公園IC~七飯IC」だ。途中では、全長6,977mにおよぶ「オオヌマトンネル」が建設されており、道央道全通に向けた最大の山場となっている。
開通すれば「オオヌマトンネル」は、日本の山岳トンネルとして全国6位の長さとなる見込みだ。「新神戸トンネル」上り線(7,175m)と下り線(6,910m)の間に入る規模となる。北海道内では、襟裳岬付近の国道336号「えりも黄金トンネル」(4,941m)を大きく上回り、最長の山岳トンネルとなる。
工事は2017年、試掘を兼ねた避難坑の建設からスタートし、2024年に貫通。その後、2022年には本坑工事が始まり、2026年で5年目を迎えている。全体進捗率は現在およそ4割で、メインとなる本坑の貫通までは、さらに4~5年程度かかる見込みだ。
現道の国道5号は、大沼エリアを越える山岳区間で急カーブが連続しており、過去5年間で28件の交通事故が発生している。長大トンネルによって山間部を一直線に抜けることで、所要時間が短縮される見通しで、事故や通行止めリスクの低減、運転時の負担軽減も期待されている。
「道央道」最後の区間の進捗は?「第2ルート」も進行中
工事が進むオオヌマトンネル
そして、最後の未事業化区間「七飯藤城IC~七飯IC」が、いよいよ計画段階評価に入る。
今後は、地域アンケートなどを数回実施したうえで、概略ルートや構造を決定。その後、都市計画決定や環境アセスメントなどの手続きを経て、事業化を待つ段階へ進むことになる。
対象区間は約2kmと短く、平野部が中心となるため、事業化されれば完成までの期間は比較的短いとみられる。工事が進む「オオヌマトンネル」の進捗に追いつき、ほぼ同時期に開通する可能性もありそうだ。
小樽・倶知安・ニセコを経由する「北海道横断道」も事業進行中
一方、札幌~函館間の高速道路には、小樽経由となる「第2ルート」の整備も進められている。
こちらは「北海道横断自動車道」構想の一環で、札樽自動車道を西へ延伸する形で整備が進行中だ。現在は、「後志(しりべし)自動車道」「倶知安余市(くっちゃんよいち)道路」として、余市経由で「仁木(にき)IC」までが開通している。
さらに先では、「蘭越(らんこし)倶知安道路」として倶知安を越え、「ニセコIC」までが事業化済みとなっている。ここまで開通すれば、インバウンド需要が急増するニセコエリアと、新千歳空港・札幌方面が高速道路で直結されることになる。
残る「ニセコIC~蘭越」についても、計画段階評価を経て概略ルートや構造は決定済みで、現在は事業化の順番待ちという状況だ。
一方、最後に残る「蘭越~黒松内」延長約20kmは、2011年に「当面は現道活用」とする方針が示されて以降、実質的に計画が棚上げされた状態が続いている。ただ、倶知安・ニセコ方面の整備が着実に進めば、この区間でも再び計画段階評価へ向けた動きが本格化していくだろう。
札幌~函館を結ぶ「道央道」は、オオヌマトンネルの建設と最後の未事業化区間の動きによって、いよいよ全線開通が現実的な段階へ入ってきた。
さらに、小樽・ニセコ方面を経由する「第2ルート」の整備も着実に進行中だ。北海道の高速道路ネットワークがどう完成していくのか、そして広大な道内の移動がどう変わっていくのか、引き続き注目していきたい。
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