岡山~津山の新高速「空港津山道路」はどこまでできた? 国道53号の渋滞緩和に期待。岡山市側でも動きが【いま気になる道路計画】| KURU KURA(くるくら)

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公開日:2026.08.04

岡山~津山に新たな高速ルート!「空港津山道路」はどこまでできた? 国道53号の渋滞緩和に期待。岡山市側でも動きが【いま気になる道路計画】

岡山県内ではバイパス整備事業が目白押しだ。そんななか、岡山~津山をつなぐ高規格道路の計画が進められている

岡山県の岡山市~津山市は高速道路で直結していないため、高規格道路「空港津山道路」が計画され、現在も整備が進められている。一部に開通済み区間もある同道路について、計画の詳細やメリット、現在の状況を整理していこう。

岡山県内ではバイパス整備事業が目白押しだ。そんななか、岡山~津山をつなぐ高規格道路の計画が進められている

文=鳥羽しめじ

資料=国土交通省

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津山市と岡山市・岡山空港を結ぶ「空港津山道路」

空港津山道路の概要

空港津山道路の概要

岡山県内陸部に位置する津山市は、人口9万人を超え、岡山市、倉敷市に次ぐ県内第3の都市だ。旧津山藩の城下町として発展した歴史を持ち、観光面でも重要な役割を担うほか、「津山産業・流通団地」をはじめとする産業拠点も形成されている。

そんな津山市で課題となっているのが、岡山市や岡山空港(岡山桃太郎空港)へのアクセスだ。両市を結ぶ距離は約60kmあるものの、主要ルートは国道53号に限られる。同道路は旭川水系の谷沿いを縫うように走り、谷間の狭い平地部では市街地を通過するため、生活交通との混在やボトルネックによって渋滞が発生している。

こうした課題を解消するため、岡山市~津山市を大型バスや大型物流車両にも対応できるルートで結び、生活交通との分離による渋滞緩和や安全性向上を目的とした高規格道路「空港津山道路」の整備が進められている。

国道53号が抱える課題と、津山南道路の整備必要性

国道53号が抱える課題と、津山南道路の整備必要性

空港津山道路は、岡山市中心部を高架主体で通過する「岡山北バイパス」の延長線上に位置し、北へ向かって津山市まで結ぶ地域高規格道路として計画されている。

2021年に国が策定した「新広域道路交通計画」では、調査中路線として位置付けられており、現在は津山市内で一部区間が開通し、他の区間でも事業が進められている。

開通済みなのは、津山市内の国道179号・二宮地区(中国自動車道 二宮PA付近)から南へ延びる「津山バイパス」で、延長は1.6km。ボトルネックとなっていた吉井川渡河部の新たなルートとなり、岡山方面へのアクセス改善につながっている。

津山市から南へ! 国道53をショートカット

空港津山道路のうち「津山南道路」の概要

空港津山道路のうち「津山南道路」の概要

「津山バイパス」から先の区間となる「津山南道路」では、現在事業が進められている。

2004年に事業化され、美崎町内(JR亀甲駅付近)までの延長5.4kmを全線4車線で整備する計画だ。皿川沿いを直線主体で南下するルートで、トンネルは1か所。皿山駅付近に「高尾IC」、美崎町内に「中央IC」(いずれも仮称)が設置される予定となっている。

開通すれば、過去10年間で7回もの通行止めが発生している災害多発区間において、安定した緊急輸送路の確保が期待される。

また、現在の国道53号では急カーブが連続し、交通事故も多発している。特に正面衝突事故の割合は過去10年間の統計では13%に達し、全国平均の2%を大きく上回る。事故による通行規制も多く、全面通行止めは7回、片側規制を含めると23回発生しており、安全性や交通の安定性が課題となっている。

津山南道路による時間短縮効果は約2分とされるが、これは空港津山道路全体の整備効果の一部に過ぎない。将来的に全線開通すれば、観光地を多く抱える津山市へのアクセス改善や、物流・観光交通の定時性向上にも期待がかかる。

一方で、津山南道路の整備は事業化から22年目を迎えるものの、現在も本格的な工事段階には至っておらず、橋梁工事などが先行している状況だ。

用地取得では「多数共有地」の存在が長年の課題となっていたが、土地収用制度の活用も進めたことで、2026年にはおおむね完了する見込みとなっている。

残る課題は埋蔵文化財調査で、2017年から開始。用地取得が難航した箇所にも対象地が含まれており、現在も調査が進められている。完成は2032年春が見込まれている。

現在の進捗。岡山市側の動きは?

岡山県内で進んでいる国担当の道路事業

岡山県内で進んでいる国担当の道路事業

空港津山道路において、次の事業化候補となっているのが、南側の延伸区間「菅野~御津宇垣」の延長約7kmだ。JR津山線の「金川駅」手前にあたる区間で、2024年に岡山県が国へ提出した要望書によって、優先整備対象として位置付けられていることが明らかになった。

この区間はまだ地元要望の段階だが、今後の最初の動きとして想定されるのが「計画段階評価」だ。ここでは地域アンケートなどを通じて現道の課題を整理し、現道拡幅やトンネルによるショートカットなど、複数のルート案を比較検討する。その後、最適な案が決定されれば、都市計画決定や環境アセスメントなどの手続きを経て、事業化に向けた段階へ進むことになる。

一方、岡山市周辺では、大プロジェクト「岡山環状南道路」の開通が近づくほか、「総社一宮バイパス」「岡山倉敷立体」など複数の道路事業が進行している。これらの整備が一定程度進むまでは、空港津山道路の新たな工区が本格的に動き出す可能性は低いとみられる。

岡山市と津山市を4車線のバイパスで結び、地域間交流や物流の強化につなげる「空港津山道路」。その実現に向け、今後は南側延伸区間を含む新たな動きが注目される。

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