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公開日:2026.06.08

岡山~広島を結ぶ「福山道路」が全線事業化!「笠岡西~長和」の13.2kmはどこを通る? 国道2号の渋滞緩和に期待【いま気になる道路計画】

福山道路 赤坂地区の整備状況。

岡山~広島を結ぶ国道2号「福山道路」の整備が進められている。未事業化区間だった「笠岡西~長和」が新規事業化され、これにより全線が事業化された。同道路の概要や整備効果、そして進捗状況を整理する。

福山道路 赤坂地区の整備状況。

文=藤井宏治

画像=国交省、広島県、福山市

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「福山道路」がついに全線事業化!

福山道路の概要。

福山道路の概要。

一般国道2号「福山道路」は、岡山県笠岡市茂平から広島県福山市赤坂町に至る延長約16.5kmの自動車専用道路だ。

地域高規格道路「倉敷福山道路」の一部を構成しており、岡山県西部から広島県東部にかけての広域交通を支える幹線ネットワークとして計画されている。山陽自動車道や既存の国道2号と機能分担を図りながら、交通の分散や円滑化を図る役割を持つ。

福山道路は、先行区間として「長和~赤坂」の延長約3.3kmが2001年度に事業化され、現在も整備が進められている。一方、残る「笠岡西~長和」は長らく未事業化区間となっていたが、2026年4月8日に新規事業化された。これにより、福山道路は全区間で事業化を迎えた。

完成後は全線4車線、設計速度80km/hで整備される計画となっており、福山都市圏の東西交通を支える広域幹線道路としての役割が期待されている。

福山道路で国道2号の激しい渋滞が緩和

国道2号は渋滞により緊急車両の通行が阻害されている。

国道2号は渋滞により緊急車両の通行が阻害されている。

福山道路の整備効果として、まず期待されているのが福山都市圏における慢性的な交通渋滞の緩和だ。

現在の国道2号は市街地を通過する区間が多く、信号交差点の連続や交通の集中によって旅行速度が低下している。なかでも明神町交差点周辺では渋滞が常態化しており、朝夕の通勤時間帯だけでなく日中でも旅行速度が10km/h未満となる場合がある。

実際に、福山道路と並行する国道2号の現道区間は全国でも有数の渋滞区間として知られる。2017年に国土交通省が公表した渋滞損失時間に関するデータでは、福山市内の区間が複数、全国上位にランクインしており、大阪市や岡山市、広島市、北九州市といった大都市圏の区間を上回る結果となった。福山道路の整備によって交通が分散されれば、こうした慢性的な渋滞の改善が期待される。

また、渋滞の緩和は交通安全や物流、救急医療の面における効果も期待されている。。現道の国道2号では渋滞に起因する追突事故が多く発生しており、区間によっては死傷事故率が全国平均を上回っている。

物流面では、製造業が集積する福山市において、重要港湾である福山港への輸送をはじめ、多くの物流が行われている。一方で、慢性的な渋滞が輸送時間のばらつきを生み、物流の定時性確保を難しくしている。福山道路の整備により交通の円滑化が進めば、企業活動の効率化にもつながると期待される。

さらに、福山市には福山市民病院などの高度医療・救急医療機関が立地しており、周辺自治体からの救急患者も受け入れている。しかし、国道2号の渋滞は救急搬送の迅速性を損なう要因の一つとなっている。福山道路の整備による交通環境の改善は、救急医療体制の強化にも寄与すると見込まれている。

福山道路のルートや進捗

2案が検討され、全線を高架構造とする案が採用された。

2案が検討され、全線を高架構造とする案が採用された。

では、福山道路の整備は現在、どこまで進んでいるのだろうか。

福山道路の全長約16.5kmのうち、「長和~赤坂」の延長約3.3kmは2001年度に事業化され、2019年11月に工事が着手された。現在は橋梁下部工事などが進められている。

市街地に近い区間であることから、交差道路との立体化や周辺環境への配慮が求められており、段階的に整備が進められている状況だ。

また、2026年4月には「笠岡西~長和」の延長約13.2kmが新規事業化された。事業化にあたっては、一部を平面接続とする案と全線高架とする案が検討されたが、最終的には全線を高架構造とする計画が採用された。

建設費は増加するものの、信号交差点を排除することで走行の連続性を確保できるほか、渋滞緩和効果が高い点が評価されたという。総事業費は約3030億円を見込んでおり、2026年度予算には調査・設計費として1億円が計上されている。

全線事業化を迎えた「福山道路」は、今後、本格的な調査・設計や用地取得、工事へと段階的に進むことになる。整備が進み、全線開通を迎えれば、長年の課題となってきた交通混雑の解消が期待されるだろう。今後の事業進捗にも引き続き注目したい。

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