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GT500予選、プレリュードGTが1-2-3-4独占!
8月第一週の富士から3週間を空け、スーパーGTが鈴鹿に帰ってきた。GT500クラスの予選では、HRCプレリュード勢が前戦に続いて気を吐いた。Q1では、前戦でマシーンが宙を舞う大クラッシュに見舞われた#64 Modulo HRC PRELUDE-GTとオゴール・オオムラ・フラガが、復調をアピールするようにトップタイムを奪って見せた。
予選Q2は、気温が落ち着き始めた16時40分にスタート。フラガから#64のマシーンを託された大草りきが、チェッカー目前に渾身のアタックを決め、1分45秒206でトップに立った。
ところが、そのすぐ背後で1周をそつなくまとめたドライバーがいた。#17 Astemo HRC PRELUDE-GTを駆るルーキー、野村勇斗だ。20歳の大学生でもある野村は、前戦の富士でも公式予選とQ1でトップタイムを叩き出していたが、今回はQ2でその本領を発揮。ポールポジションをゲットした。
2位に#64、3位と4位にもプレリュードGTがつけ、ついに1位から4位までを独占。HRC勢の次につけたのは#12 TRS IMPUL with SDG Z。その次の6位がGRスープラ勢の最上位で、GT500クラス唯一のヨコハマタイヤユーザーである#19 WedsSport BANDOH GR SUPRAとなった。
HRCマシーン同士の対決を制した#16、佐藤蓮がGT500初優勝
午後1時半、快晴の鈴鹿でセーフティカー(SC)先導によるフォーメーションラップがスタート。そして、走行距離300km、52周のレースがスタートを切った。
先頭はもちろん、ポールポジションからスタートする#17 Astemo HRC PRELUDE-GT。スタートドライバーの野村は、すぐに後続を引き離してみせた。後続ではプレリュード同士の戦いが繰り広げられ、そのなかで野尻智紀がドライブする#16 ARTA MUGEN PRELUDE-GTが2番手まで浮上してきた。
レースのハイライトは、レース中盤以降、ピットストップを終えたあとに訪れた。トップを走る#17は比較的早めの18周目にピットインし、野村から塚越広大に交代。だが、22周目に素早くピット作業を終えた#16が、その前に出た。
しかし、#17の塚越は、まだタイヤが温まっていない#16の佐藤蓮を半周ほどでオーバーテイク。そこからは2台によるマッチレースとなった。
動いたのは37周目、130Rで前を走るGT300車両のアウト側から追い抜きにかかった#17に対し、#16がイン側から前に出て勝負を決めた。GT300車両のクラッシュもあり、最後はSC先導のままフィニッシュとなったが、#16が今季初優勝。後半を担当した佐藤蓮にとっても、うれしいGT500初優勝となった。
それでもポイントを積み重ね続ける王者
今シーズン、新車を投入し、ホンダ系のチーム全体でデータを共有することで、予選では4番手までを独占し、決勝でも表彰台を独占してみせたHRC勢。シーズン中盤に主役へと躍り出た感があるが、シリーズ全体を俯瞰して見ると、やはり不気味なのはGRスープラ勢だろう。
なかでも、今年GT500クラス4連覇を目指すau TOM’S GR SUPRAは、開幕2連勝によって現在サクセスウェイトの上限である100kgに到達している。それでも50ポイントでランキングトップを堅持。今回の優勝で2位に浮上した#16 ARTA MUGEN PRELUDE-GTに、実に17ポイントもの差をつけている。
開発の余地があるプレリュード勢の躍進、そしてシリーズ中盤にサクセスウェイトを搭載したGRスープラ勢の勢いが弱くなることは、想定内といえるだろう。だとすれば、本命はGRスープラ勢なのか? 旬の時期に突入したHRC勢は、ひとつでも多く勝ちたいところだ。
だが、勝利を虎視眈々と狙うのは、搭載ウェイトが軽めのNISMO Zも同じこと。今シーズンのスーパーGTは、11月頭のモビリティリゾートもてぎで第3戦の代替レースと最終戦となる第8戦が行われる。激しいタイトル争いは、最終ラウンドまで読めない展開が続きそうだ。
GT500 CLASS – FINAL RESULT
| Pos. | No. | Car | Drivers | Laps | Gap | Tire | SW* |
| 1 | 16 | #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT | 野尻智紀 / 佐藤蓮 | 52 | Bridgestone | 26 | |
| 2 | 17 | Astemo HRC PRELUDE-GT | 塚越広大 / 野村勇斗 | 52 | 2.220 | Bridgestone | 18 |
| 3 | 8 | #8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT | 太田格之進 / 大津弘樹 | 52 | 3.011 | Bridgestone | 32 |
| 4 | 23 | MOTUL Niterra Z | 千代勝正 / 高星明誠 | 52 | 3.500 | Bridgestone | 28 |
| 5 | 38 | KeePer CERUMO GR Supra | 大湯都史樹 / 小林利徠斗 | 52 | 3.850 | Bridgestone | 42 |
| 6 | 12 | TRS IMPUL with SDG Z | 平峰一貴 / ベルトラン・バゲット | 52 | 5.326 | Bridgestone | 30 |
| 7 | 24 | リアライズコーポレーション Z | 名取鉄平 / 三宅淳詞 | 52 | 7.928 | Bridgestone | 14 |
| 8 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 福住仁嶺 / 大嶋和也 | 52 | 8.830 | Bridgestone | 56 |
| 9 | 36 | au TOM’S GR Supra | 坪井翔 / 山下健太 | 52 | 9.070 | Bridgestone | 96 |
| 10 | 37 | Deloitte TOM’S GR Supra | 笹原右京 / ジュリアーノ・アレジ | 52 | 11.296 | Bridgestone | 22 |
| 11 | 100 | STANLEY HRC PRELUDE-GT | 山本尚貴 / 牧野任祐 | 52 | 13.005 | Bridgestone | 54 |
| 12 | 64 | Modulo HRC PRELUDE-GT | 大草りき / イゴール・オオムラ・フラガ | 52 | 50.341 | Dunlop | |
| 13 | 19 | WedsSport BANDOH GR Supra | 国本雄資 / 阪口晴南 | 50 | 2 Laps | Yokohama | 4 |
| – | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 関口雄飛 / サッシャ・フェネストラズ | 33 | 19 Laps | Bridgestone | 34 |
Weather: Sunny / Track: Dry
Fastest Lap No.19 Sena Sakaguchi / WedsSport BANDOH GR Supra 1’48.528 (40/50) 192.625 km/h
Start Time: 13:37’26 Finish Time: 15:24’26
FCY: ①14:07’26(16Laps)~14:10’33(17Laps) ②15:06’53(47Laps)~
SC: 15:08’13(47Laps)~SC先導によりチェッカー
Black and White Flag
CarNo.16 (14:53) (SUPER-GT SpR. 18-1「危険なドライブ行為」)
CarNo.8 (15:01) (SUPER-GT SpR. 付則-7 3.3)(10)「複数回の走路外走行」)
CarNo.37 ペナルティストップ 5秒 (SUPER-GT SpR.22-4.「エンジン交換」) (8/23 8:21)
CarNo.100 ペナルティストップ 5秒 (SUPER-GT SpR.22-4.「エンジン交換」) (8/22 11:15)
CarNo.64 Igor Omura Fraga 競技結果に40秒加算 (SUPER-GT SpR.13-1.a 付則-7 3.4)(1)「危険なドライブ行為」) (8/23 15:22)
ウマ娘がキター!
GT300クラスの予選は「ウマ娘がキター!」といって「やったね!」となる方は、わりとお若いのかも。ちなみに「ウマ娘」とは「ウマ娘 プリティーダービー」というゲームアプリのことで、競走馬を擬人化したキャラクターが登場する。
だが、スーパーGTでウマ娘といえば、パシフィック・レーシングが走らせる#9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWのこと。冨林勇佑選手と藤原優汰選手がドライブするBMW M4 GT3 EVOが、初ポールを獲得したのである。
わずか2台のミシュランユーザーのうちの1台が、タイヤのマルチメイクス対決最後の年にポールポジションを獲得したのだった。
ちなみに予選2~4番手はダンロップ勢。5~7番手がヨコハマ・ユーザーというのも面白い。GT500で存在感の強いブリヂストン勢は8位と13位といったところだ。マシーンのバラエティに富んだGT300だが、タイヤメーカー別に順位を見てみると、また違ったGT300クラスの勢力図が見えてくるのかもしれない。
BMW独走。レースは大クラッシュで終了
GT300の決勝は、GT500のローリングスタートに遅れること半周ほどで、スタートを切った。ホールショットを奪ったのは、大柄ながら安定性が高いという#9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWだ。
すぐに2番手以降のマシーンを引き離すと、独走状態に入る。今シーズンBMWを導入したパシフィック・レーシングのここまでの最高位は16位。当然、サクセスウェイトを搭載していないため、ペースにも余裕があるようだ。
2番手以降は混戦で、予選2番手の#777 D’station Vantage GT3や3番手の#61 SUBARU BRZ R&D SPORTが激しく順位を入れ替える展開。16周目以降は、早めにピットインしたマシーンと、トップを走るBMWなどピットを先延ばしにするマシーンによる、見えない攻防が続いた。
レース終盤、前戦の勝者でもある#52 Green Brave GR Supra GTが6番手を走行中、他車と接触してコースアウト。このため緊急ピットインし、マシーンを修復してコースへ復帰した。
ところが、右リアタイヤを交換したばかりの#52が130Rで激しくコースアウト。このクラッシュでレースは赤旗となり、そのまま残り5周を消化してチェッカーフラッグが振られた。
1位は独走した#9。2位には、前戦の富士でも3位に滑り込み、48kgのサクセスウェイトを積む#7 CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO。3位は#18 UPGARAGE AMG GT3が入った。タイヤメーカー別では、ミシュラン、ヨコハマ、ヨコハマという結果であった。
涼しくなっても速いチームがタイトルを獲る(?)
真夏の決戦が終了したスーパーGTのGT300クラス。このレースを終えてランキングトップにつけているのは、第2戦の富士で優勝し、その後も第4戦富士と第5戦鈴鹿でいずれも5位と、着実にポイントを集めてきた#56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rだ。
サクセスウェイトは98kgに達しているが、ランキング6位までのマシーンがいずれも80kg以上を積んでいることを考えると、これも今年タイトルを獲得するマシーンの宿命といえるのかもしれない。
タイヤでいえば、夏の暑さに強いメーカーと、これから涼しくなってから有利になるメーカー。ここから勢力図が変化することも当然考えられるだろう。
しかも次戦は、まだ暑さの残る9月19~20日とはいえ、東北地方にあるスポーツランドSUGOがその舞台となる。後半戦最初のレースとなるSUGOで上位に入ると、タイトルの可能性がより見えてくるような気がするのだが……。
GT300 CLASS – FINAL RESULT
| Pos | No. | Car | Drivers | Laps | Gap | Tire | SW |
| 1 | 9 | PACIFIC ウマ娘 NAC BMW | 冨林勇佑 / 藤原優汰 | 48 | Michelin | ||
| 2 | 7 | CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO | ザック・オサリバン / 梅垣清 | 48 | 4.429 | Yokohama | 48 |
| 3 | 18 | UPGARAGE AMG GT3 | 小林崇志 / 新原光太郎 | 48 | 6.621 | Yokohama | 8 |
| 4 | 777 | D’station Vantage GT3 | 藤井誠暢 / チャーリー・ファグ | 48 | 7.563 | Dunlop | 70 |
| 5 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ / 木村偉織 | 48 | 11.224 | Yokohama | 76 |
| 6 | 88 | VENTENY Lamborghini GT3 | 小暮卓史 / ダニール・クビアト | 48 | 11.711 | Yokohama | 20 |
| 7 | 360 | RUNUP × SOL GT-R | 荒川麟 / 金丸ユウ | 48 | 12.836 | Yokohama | |
| 8 | 5 | マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 | 塩津佑介 / 荒尾創大 | 48 | 16.624 | Yokohama | 10 |
| 9 | 11 | GAINER TANAX Z | 富田竜一郎 / 大木一輝 | 48 | 17.241 | Dunlop | 4 |
| 10 | 32 | ENEOS X PRIME AMG GT3 | 石浦宏明 / 鈴木斗輝哉 | 48 | 20.563 | Bridgestone | 60 |
| 11 | 31 | apr LC500h GT | 小高一斗 / 小山美姫 | 48 | 27.136 | Bridgestone | 68 |
| 12 | 30 | apr GR86 GT | 永井宏明 / 平良響 | 48 | 28.413 | Yokohama | |
| 13 | 60 | Syntium LMcorsa LC500 GT | 吉本大樹 / 河野駿佑 | 48 | 29.039 | Dunlop | 22 |
| 14 | 666 | seven x seven PORSCHE GT3R EVO | スヴェン・ミューラー / 渡会太一 | 48 | 30.071 | Yokohama | 54 |
| 15 | 45 | PONOS FERRARI 296 EVO | 篠原拓朗 / 川端伸太朗 | 48 | 31.495 | Yokohama | 28 |
| 16 | 25 | HOPPY Schatz GR Supra GT | 松井孝允 / 洞地遼大 | 48 | 33.388 | Yokohama | |
| 17 | 65 | LEON PYRAMID AMG | 蒲生尚弥 / 菅波冬悟 | 48 | 35.162 | Bridgestone | 74 |
| 18 | 6 | UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI | 片山義章 / ニクラス・クルッテン | 48 | 36.058 | Yokohama | 28 |
| 19 | 62 | HELM MOTORSPORTS GT-R | 平木湧也 / 平木玲次 | 48 | 44.747 | Yokohama | 22 |
| 20 | 2 | HYPER WATER INGING GR86 GT | 堤優威 / 卜部和久 | 48 | 45.190 | Bridgestone | 80 |
| 21 | 20 | シェイドレーシング RC F GT3 | 平中克幸 / 清水英志郎 | 48 | 48.310 | Michelin | |
| 22 | 4 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口信輝 / 片岡龍也 | 48 | 51.689 | Yokohama | 48 |
| 23 | 26 | ANEST IWATA GAINER Z | 安田裕信 / リ・ジョンウ | 48 | 1’20.665 | Yokohama | |
| 24 | 48 | 健康ケーズフロンティアWMニルズGT-R | 井田太陽 / ジェームス・プル | 47 | 1 Lap | Yokohama | 2 |
| 25 | 22 | アールキューズ AMG GT3 | 加納政樹 / 和田久 | 47 | 1 Lap | Yokohama | |
| 26 | 96 | K-tunes RC F GT3 | 新田守男 / 高木真一 | 47 | 1 Lap | Bridgestone | 32 |
| 27 | 52 | Green Brave GR Supra GT | 吉田広樹 / 野中誠太 | 41 | 7 Laps | Bridgestone | 80 |
| 28 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口卓人 / 山内英輝 | 39 | 9 Laps | Dunlop | 2 |
| 29 | 87 | OPEN HOUSE Lamborghini GT3 | 元嶋佑弥 / 松浦孝亮 | 38 | 10 Laps | Yokohama | 10 |
Fastest Lap No.9 Yusuke Tomibayashi / PACIFIC UMAMUSUME NAC BMW 1’58.460 (27/48) 176.475 km/h
Start Time: 13:37’26 Finish Time: 15:24’26
FCY: ①14:07’26(16Laps)~14:10’33(17Laps) ②15:06’53(47Laps)~
SC: 15:08’13(47Laps)~SC先導によりチェッカー
Black and White Flag
CarNo.666 (14:13) (SUPER-GT SpR. 付則-7 3.3)(10)「複数回の走路外走行」)
CarNo.666 ドライブスルー (SUPER-GT SpR.18-1「走路外走行」) (14:56)
CarNo.45 Shintaro Kawabata ドライブスルー (SUPER-GT SpR.13-1.b「危険なドライブ行為」) (14:28)
CarNo.65 Naoya Gamou ドライブスルー (SUPER-GT SpR.27-17)「ピットレーンでの他車への危険行為」) (14:43)
CarNo.2 Kazuhisa Urabe ドライブスルー (SUPER-GT SpR.13-1.b「危険なドライブ行為」) (13:55)
CarNo.26 Hironobu Yasuda 競技結果に40秒加算 (国際モータースポーツ競技規則 付則H項 2.10.10 (SC活動中の追越し)) (15:27)
サーキットの外でも、レースははじまっている。
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