東名・新東名~静岡最南端へ直結! 30kmの高規格道路「金谷御前崎連絡道路」はどこまでできた? 残る課題解消への道筋は【いま気になる道路計画】
東名・新東名高速道路から静岡県南部の御前崎エリアまでを結ぶ「金谷御前崎連絡道路」が整備中だ。静岡県南部の広域的なアクセス改善が期待されるこの道路について、詳細やメリット、現在の状況を見ていこう。
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静岡県最南端の「御前崎」エリアへ直結
金谷御前崎連絡道路の概要
静岡県中部で、太平洋側に大きく張り出しているのが御前崎エリアだ。牧之原台地が海側へ張り出した地形で、三角形の半島を形成している。先端の御前崎は、伊豆半島の石廊崎より南に位置する「静岡県最南端」だ。
浜松市~焼津市では、鉄道や高速道路が内陸部を通り、袋井市・掛川市・菊川市などを経由している。一方、沿岸部の御前崎市は「幹線交通空白地帯」となっている。
この御前崎エリアを東名・新東名高速と直結し、全国の道路ネットワークへ組み込む新たな高規格道路が「金谷御前崎連絡道路」だ。
「信号のない」高規格道路で「楽器産業」を支える
金谷御前崎連絡道路の概要
「金谷御前崎連絡道路」は、新東名高速 島田金谷ICを起点に、東名高速 相良牧之原ICを経由して南下し、御前崎中心街に近い地頭方ICまでを結ぶ、総延長約30kmの高規格道路。全線が立体交差となる計画で、信号待ちのない移動が可能となる。
地頭方ICから先には、4車線の臨港道路が約5kmにわたって整備され、御前崎港の港湾地帯までつながっている。
全線が開通すれば、御前崎港を玄関口とする海運輸送において、周辺エリアから港湾までの物流の定時性や安定性の向上が期待される。
輸送機械や電気機器に加え、このエリアは楽器の一大生産地でもある。ヤマハや河合楽器、ローランドをはじめとするメーカーが集まり、2025年の輸出額は清水港と合わせて約410億円、全国シェアは54.4%にのぼる。この国際的な楽器産業を支えるインフラとしても、東名・新東名高速と御前崎港を結ぶ金谷御前崎連絡道路は重要な役割を担う。
さらに、金谷御前崎連絡道路は、2009年に開港した富士山静岡空港と周辺の道路網を結ぶアクセスルートにもなる。空港ゲートから西へ約4.5kmで倉沢ICに接続し、東名・新東名高速および国道1号を通じて、県内各地からのアクセス向上が期待されている。
2025年に国道1号バイパスへ直結。残る未開通区間は?
2025年に開通した金谷相良道路2期。
金谷御前崎連絡道路の現状を見てみよう。1993年の「相良バイパス」を皮切りに、各工区が順次開通し、すでに大部分が開通済みだ。いずれも暫定2車線だが、将来的には4車線化される計画となっている。
直近では、2025年3月に「金谷相良道路2期工区」が開通した。東名高速の北側を並行する国道1号島田金谷バイパスの菊川ICに直結する3.3kmの区間で、島田市や掛川市の中心街へのアクセスもさらに向上した。
現在、金谷御前崎連絡道路の整備をめぐって注目されるのが、以下の2区間だ。
まずは、「菊川IC~新東名高速 島田金谷IC」までの区間。現在は国道1号バイパスを経由し、大代ICで降りてから、新東名高速 島田金谷ICまでの残り約1.5kmを生活道路で走る必要がある。大井川鐵道の線路と並行する区間で、沿道には受験生に人気の「合格駅」もある。
この菊川IC~新東名高速は、まだ事業化されていない。国道1号とは別に菊川ICから新ルートを整備するのか、それとも大代IC~新東名を改良するのか、現時点では方針が定まっていない。
もう一つは、東名高速 相良牧之原IC周辺に位置する「金谷相良道路3期工区」約1.8kmだ。相良牧之原IC周辺の現道には信号交差点などがあり、慢性的な混雑が課題となっている。
この区間が立体化されれば、相良牧之原ICのランプがそのまま「新牧之原IC(仮称)」に接続される可能性もあり、国道1号から東名高速を経由して御前崎まで、信号待ちのない移動が可能となるだろう。
3期工区は2023年に事業化されたばかりで、現在も整備が進む区間だ。2025年時点ですでに用地取得率は9割に達しており、橋梁設計や埋設物協議が進められているほか、一部では盛土工事も始まっている。さらに、市道をまたぐ橋梁の着工も予定されている。
このように「金谷御前崎連絡道路」は、2025年3月の「金谷相良道路Ⅱ」工区の開通によって概成し、残る「金谷相良道路Ⅲ」の整備も進んでいる。今後、相良牧之原IC周辺の混雑が解消され、御前崎港を含む南北の物流ネットワークがさらに強化されることに期待したい。
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