マツダのレア車・珍車まで完全網羅! ドイツにある“世界最大級”のマツダ博物館スゴい——『イタリア発 大矢アキオ ロレンツォの今日もクルマでアンディアーモ!』第68回【Movie】 | KURU KURA(くるくら)

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公開日:2026.08.25

『イタリア発 大矢アキオ ロレンツォの今日もクルマでアンディアーモ!』第68回【Movie】——マツダのレア車・珍車まで完全網羅! ドイツのマツダ博物館

アウクスブルクにある「マツダ・クラシック・オートモビル・ミュージアム・フライ」は、世界最大級のマツダ・コレクションだ。

南ドイツのアウクスブルクに、世界最大級のマツダ・コレクションを誇るミュージアムがある。コスモスポーツからRX-7、AZ-1といったスポーツモデルはもちろん、ヨーロッパ未導入車や珍しい派生モデルがズラリ。マツダへの深い愛情から生まれた、マニア垂涎の“聖地”を訪ねた。

アウクスブルクにある「マツダ・クラシック・オートモビル・ミュージアム・フライ」は、世界最大級のマツダ・コレクションだ。

文・写真・動画=大矢アキオ ロレンツォ(Akio Lorenzo OYA)

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ヨーロッパ人のマツダ観

世界のマツダファンの間で有名なコレクションが、南ドイツにある。その名を「マツダ・クラシック・アウトモビル・ムゼウム・フライ」という。

世界史の授業で「宗教和議」の舞台として学んだ人も多いアウクスブルクで、マツダ販売店を経営するヴァルター・フライ氏が、2017年に開館したものだ。展示台数は約50台、バックヤードを含めると約160台に及ぶ。広島にあるメーカーのミュージアムを超えるスケールだ。

アウクスブルクはミュンヘン中央駅からインターシティ特急で30〜35分。ミュージアムへは、駅近くからの市電に乗れば辿り着ける。

アウクスブルクはミュンヘン中央駅からインターシティ特急で30〜35分。ミュージアムへは、駅近くからの市電に乗れば辿り着ける。

お宝の1台、1968年コスモスポーツ。

お宝の1台、1968年コスモスポーツ。

筆者が初めてこのミュージアムを訪れたのは、2023年のことだった。近年、ヨーロッパではマツダ車のステイタスが飛躍的に向上している。それはひとえにMX-5(日本名ロードスター)のおかげだ。ファンミーティングでオーナーたちに聞くと「気難しい扱いや、特別なドライビングテクニックを要求されない」、そして「高い信頼性に裏打ちされている」と美点を挙げる。

年配の人々は「昔の英国車のようなオープンエア・モータリングが味わえる」と言う。つまり気楽さ・信頼性・懐かしさのすべてを1台で満たせる、世界でも稀有な量産車なのである。ついでにいうと若者たちの間では、リトラクタブル・ヘッドライトを備えた初代(NA)が引く手あまただ。

MX-5と並んで、もうひとつのマツダ観もある。1970年代に青春時代を送ったヨーロッパ人自動車ファンは、たとえ当時目にしなかったとしても、RX-7に代表されるロータリーエンジン搭載モデルを伝説として記憶している。イタリアに住む筆者の知人などは工業高校時代、「原理を理解すべく、何度も紙にハウジングと、おむすび形のローターを自分で描いてみた」と振り返る。

R100(日本名ファミリア・ロータリークーペ)。日本では1968年に発売された。

R100(日本名ファミリア・ロータリークーペ)。日本では1968年に発売された。

日本ではコスモAPとして一世を風靡したRX-5。異形角形ライトを備えた1977年の後期型だ。

日本ではコスモAPとして一世を風靡したRX-5。異形角形ライトを備えた1977年の後期型だ。

1977年の初代RX-7(手前)。右奥のマイクロバスは、ロータリーエンジンを搭載した1976年のパークウェイだ。

1977年の初代RX-7(手前)。右奥のマイクロバスは、ロータリーエンジンを搭載した1976年のパークウェイだ。

日本市場では3代目コスモとして販売された、1982年の929。

日本市場では3代目コスモとして販売された、1982年の929。

1984年のRX-7グループBラリー仕様。

1984年のRX-7グループBラリー仕様(レプリカ)。

1991年の2代目RX-7。

1991年の2代目RX-7。

そうしたヨーロッパ人のマツダ観を知っていただけに、訪問前の筆者は、輝かしいスポーツモデルばかりを“祀った”ミュージアムなのだと思い込んでいた。ところが、昔は市電の車庫だったという建物に一歩足を踏み入れた途端……。

1991年の121。日本では資本提携先であったフォード・ブランドの「フェスティバ」として売られた。広い開口部のキャンバストップがセリングポイントだった。

1991年の121。日本では資本提携先であったフォード・ブランドの「フェスティバ」として売られた。広い開口部のキャンバストップがセリングポイントだった。

1992年のユーノス・コスモ。3ローターで最高速は240km/hを誇ったが、ドイツに輸入されることはなかった。

1992年のユーノス・コスモ。3ローターで最高速は240km/hを誇ったが、ドイツに輸入されることはなかった。

実はビジターを一番に迎えてくれるのは、この1992年のオートザムAZ-1。

実はビジターを一番に迎えてくれるのは、この1992年のオートザムAZ-1。

オーナーの情熱が伝わる

……館内にはまったく異なる世界が広がっていた。最初に筆者を大きく開いたガルウィング・ドアとともに迎えてくれたのは、1992年のオートザムAZ-1であった。コンセプトとしては意欲的であったものの、社会情勢にメーカーが順応しきれず1代限りで姿を消したモデルである。

その傍らで、スズキからOEM供給を受けた2006年のスピアーノも。日本の軽自動車が「K-Car」として、またJDM(ジャパン・ドメスティック・モデル=日本市場専用車)としてカルト的な人気を集めつつある昨今、それらは意外に来館者の注目を集めている。

1991年にル・マン24時間レースでマツダが優勝したことを記念し、英国市場向けに24台が限定販売されたMX-5スペシャル・エディション(手前)。

1991年にル・マン24時間レースでマツダが優勝したことを記念し、英国市場向けに24台が限定販売されたMX-5スペシャル・エディション(手前)。

日本で限定販売された2002年のRX-7スピリットR。なかでも展示車は1044台のみ生産された2シーター軽量モデルである。特にこの塗色「イノセントブルー・マイカ」は149台だけという。

日本で限定販売された2002年のRX-7スピリットR。なかでも展示車は1044台のみ生産された2シーター軽量モデルである。特にこの塗色「イノセントブルー・マイカ」は149台だけという。

2代目MX-5(NB)を基にした2003年のクーペ仕様。わずか200台(諸説あり)が製造された。

2代目MX-5(NB)を基にした2003年のクーペ仕様。わずか200台(諸説あり)が製造された。

最近コレクションに加わった1台。2004年にドイツで24時間連続走行し、40の世界記録を樹立したRX-8だ。

最近コレクションに加わった1台。2004年にドイツで24時間連続走行し、40の世界記録を樹立したRX-8だ。

かと思えば、ロードペーサーまであるではないか。1970年代、マツダがトヨタ・センチュリーや日産プレジデントに比肩する高級車を車種系列に揃えるべく、オーストラリアのGMホールデン社製ボディにロータリーエンジンを搭載した幻のモデルである。こちらは動画でご覧いただこう。

聞けば、希少なマツダ車を収集するために米国、日本、そしてオーストラリアのネットワークを駆使しているという。オーナーのヴァルター・フライ氏は、まだマツダがドイツで無名だった1970年代に販売店を始めた人物である。館員は「夫人が夫を手伝い、子どもたちが店内で遊びまわっている、小さな店からの出発でした」と話す。

ヨーロッパ未導入車や、知る人ぞ知るモデルの数々からは、マツダ車を単に商品として捉えていなかったフライ家の思いが感じられる。同時に、そうしたブランドへの愛情こそが一家の成功に繋がったと確信させられる。

ちなみに、併設カフェの名前はコスモ。頭上を見ればヒーターも(マツダとは関係ないが)COSMOというブランドのものであることに気づいた。隅から隅まで熱さを感じさせるミュージアムなのである。

1966年のB360(左)と、2006年のスピアーノ(右)。

1966年のB360(左)と、2006年のスピアーノ(右)。

追われた経験のあるマツダオーナーには、やや見るのが辛そうなミニアチュアのコレクション。

追われた経験のあるマツダオーナーには、やや見るのが辛そうなミニアチュアのコレクション。

ミュージアムショップも併設。写真のロータリーエンジン模型は199ユーロ(約3万7000円)。

ミュージアムショップも併設。写真のロータリーエンジン模型は199ユーロ(約3万7000円)。

ヒーターまでCOSMOだった!

ヒーターまでCOSMOだった!

歴代ルーチェ(輸出名929)やカペラ(同626)が並ぶコーナー。

歴代ルーチェ(輸出名929)やカペラ(同626)が並ぶコーナー。

INFORMATION
Mazda Classic – Automobil Museum Frey
Wertachstraße 29
86153 Augsburg Germany
月〜木 12〜17時
金〜日 10〜18時
大人7ユーロ/13〜17歳4ユーロ/12歳以下無料
https://mazda-classic-frey.de

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