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公開日:2026.06.03

静岡~長野を“最短直結”!「中部横断道」最後の未開通区間が具体化へ。「長坂~八千穂高原」のルートは? いつ開通する?【いま気になる道路計画】

開通済みの中部横断自動車道の様子。(c)まじん – stock.adobe.com

静岡・山梨・長野を結ぶ南北軸として整備が進む「中部横断自動車道」。残る未開通区間である「長坂JCT(仮称)~八千穂高原IC」において、事業が具体化に向けて動き始めている。今回は、この区間の整備概要や開通効果、今後の事業の見通しについて見ていこう。

開通済みの中部横断自動車道の様子。(c)まじん – stock.adobe.com

文=藤井宏治

画像=長野県、山梨県

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中部横断道の未開通区間「長坂〜八千穂高原」

中部横断自動車道の全体イメージ図

中部横断自動車道の全体イメージ図

「中部横断自動車道」は、太平洋側の静岡県と内陸部の山梨県・長野県を結ぶ延長約132kmの高速道路だ。静岡県静岡市清水区の「新東名高速道路 新清水JCT」から、山梨県甲府市や北杜市を経由し、長野県小諸市の「上信越自動車道 佐久小諸JCT」に至る。

現在は、「新清水JCT~双葉JCT」と「八千穂高原IC~佐久小諸JCT」の区間が開通済み。「双葉JCT~長坂JCT(仮称)」は中央自動車道との重複区間となっている。一方、「長坂JCT(仮称)~八千穂高原IC」の約34kmが未開通区間として残されている。

「長坂JCT(仮称)~八千穂高原IC」は山梨県と長野県を結ぶ最後のミッシングリンクだ。長年開通が待ち望まれている区間だが、2025年度末には都市計画案および環境影響評価準備書の縦覧が実施されるなど、事業は具体化に向けて動き出している。

長坂〜八千穂高原の開通効果は?

未開通部の開通による観光促進効果

未開通部の開通による観光促進効果

中部横断道の整備、とりわけ未開通区間である「長坂JCT(仮称)~八千穂高原IC」が開通すると、どのような効果が期待されるのだろうか。

最大のポイントは、分断されている高速道路ネットワークが一体化することだ。現在、中央自動車道と上信越自動車道は中部横断道を介して直接接続されておらず、南北移動の際には遠回りや一般道の利用が必要となっている。

例えば、「新東名高速道路 新清水JCT」から「上信越道 佐久小諸JCT」へ向かう場合、山梨県内までは中部横断道で移動できるものの、その先は中央道を利用して諏訪方面へ迂回するか、「長坂JCT(仮称)」付近で高速道路を降りて一般道を利用し、「八千穂高原IC」から再び中部横断道へ乗り継がなければならない。未開通区間が整備されれば、中央道と上信越道が最短ルートで結ばれ、移動時間の短縮が期待される。

また、現在の一般道ルートが抱える地形的・気象的な課題の解消にもつながる。「長坂~八千穂」は標高差が大きく、冬季には積雪や路面凍結の影響を受けやすいほか、急カーブが連続する区間も少なくない。

これに対し、計画中の「長坂JCT(仮称)~八千穂高原IC」は、トンネルや高架橋を中心とした高規格な道路構造となる見込みだ。線形の改善により走行性が向上するほか、季節や天候の影響を受けにくい安定した交通環境が確保されることで、物流や観光交通の利便性向上も期待される。

また、観光動線の変化も期待される。小諸市に隣接する佐久市は、上信越道や北陸新幹線が利用できる交通の要衝だ。東京駅から佐久平駅までは北陸新幹線で約1時間強とアクセス性が高く、首都圏から気軽に訪れやすいエリアとなっている。

「長坂JCT(仮称)~八千穂高原IC」が開通すれば、佐久平駅でレンタカーを借りて八ヶ岳南麓や清里、高原リゾートが点在する山梨県北杜市方面へ足を延ばし、その日のうちに佐久平駅へ戻って新幹線で帰京するといった周遊スタイルも利用しやすくなる。長野県東部と山梨県北部の観光エリアが高速道路で直結されることで、広域観光の活性化にもつながりそうだ。

さらに、防災面での効果も大きい。中部横断道は静岡・山梨・長野を南北に結ぶ路線であり、東名高速・新東名高速、中央道、上信越道を結ぶ広域ネットワークを形成する。全線開通すれば、災害や事故による交通障害が発生した際の代替ルートの選択肢が増え、緊急輸送や救援活動を支える道路ネットワークとしての機能向上が期待される。

開通はいつ? 長坂〜八千穂高原の進捗

中部横断自動車道「長坂~八千穂高原」区間のルート案とIC計画

中部横断自動車道「長坂~八千穂高原」区間のルート案とIC計画

「長坂JCT(仮称)~八千穂高原IC」の進捗はどうなっているのだろうか。

同区間は、山梨県側で「韮崎都市計画道路1・4・1号 双葉・韮崎・清里幹線」、長野県側では「佐久都市計画道路1・4・1号 南牧佐久線」として、それぞれ都市計画案および環境影響評価準備書の縦覧が実施済みだ。

これは、ルート案やIC位置などの具体的な計画が公表され、住民や関係自治体からの意見募集が一通り完了したことを意味する。今後は提出された意見を踏まえながら計画内容の調整が進められ、最終的な都市計画の決定へ向かうことになる。

都市計画が正式に決定されれば、ルートやIC位置が確定し、事業化に向けた前提条件が整う。その後は、事業化の判断を経て、用地取得や詳細設計、工事へと進んでいく見込みだ。ただし、現時点では計画段階にあるため、具体的な着工時期や開通時期は示されていない。

このように、「長坂JCT(仮称)~八千穂高原IC」は、計画の具体化が進み、事業化に向けた重要な段階を迎えている。今後は都市計画決定の告示を経て、ルートやIC位置が正式に確定するかが大きなトピックになりそうだ。事業の進捗状況に引き続き注目していきたい。

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