スズキの新型「ジムニー ノマド(2型)」に試乗! 乗り心地はウワサ以上? 軽ジムニーオーナーが感じた進化とは【試乗レビュー】 | KURU KURA(くるくら)

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公開日:2026.08.10

スズキの新型「ジムニー ノマド(2型)」に試乗! 乗り心地はウワサ以上? 軽ジムニーオーナーが感じた進化とは【試乗レビュー】

スズキ ジムニー ノマド|Suzuki Jimny Nomade

スズキの5ドアSUV「ジムニー ノマド」が、2026年7月1日に「2型」へ進化した。自身もジムニーオーナーの自動車ライター、ハシモトタカシが待望の乗り比べ試乗! オンロードからオフロードまで走り込み、話題のモデルの実力と人気の理由を探った。

スズキ ジムニー ノマド|Suzuki Jimny Nomade

文=ハシモトタカシ

写真=KURU KURA編集部

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「ジムニー ノマド」人気を振り返る

2025年1月30日に国内発表された、「ジムニーシリーズ」初の5ドアモデルとなる「ジムニー ノマド」。

現行の4代目「ジムニー/ジムニー シエラ」は発売以来、納車まで1~2年待ちともいわれる長納期が続き、ユーザーの間で話題(問題?)となっていた。その人気は「ジムニー ノマド」にも波及。発表と同時に注文が殺到し、わずか4日で受注停止となる異例の事態となった。

この時の受注台数は約5万台。当時の月間販売目標は1200台だったため、単純計算でもすべての注文分を納車するまで3年以上かかってしまう。事態を重く見たスズキは、2025年7月から月間生産台数を3300台へ増やし、長納期の解消に乗り出した。

そんな混乱がありながらも、スズキは2026年1月30日にジムニー ノマドの受注を再開した。販売現場での混乱を避けつつユーザーの公平性を担保するために、2月28日までの申し込み分に関しては、“納車順”を抽選に変更した。

ちなみに、あくまで納車順を抽選するだけであり、買えるかどうかを抽選していたわけではない。同じく高い人気でほとんど手に入らない「ランドクルーザーシリーズ」とは異なり、ジムニー ノマドは誰もが普通に買えるのだ。納期は2年以上とだいぶ待たされるけれど……。

「2型」になったジムニー ノマド、何が変わった?

左からジムニー ノマド(2型)と、筆者所有の軽ジムニー(5型)。どこが違うか、間違い探し状態。

左からジムニー ノマド(2型)と、筆者所有の軽ジムニー(5型)。どこが違うか、間違い探し状態。

受注再開の話題が先行しがちだが、実はこのジムニー ノマドは2026年7月1日に一部仕様変更を受け「2型」へと進化している。

2型の主な改良内容は、ステレオカメラ方式の「デュアルセンサーブレーキサポート」が、単眼カメラ+ミリ波レーダー方式の「デュアルセンサーブレーキサポートII」へとアップデートされ、車線逸脱抑制機能が標準装備に。さらに、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール(※4ATのみ)やカラーマルチインフォメーションディスプレイ、スズキコネクトへの対応などが含まれる。

そのほかにも、グレー系の「グラナイトグレーメタリック」を新たに追加し、バックアイカメラ付ディスプレイオーディオ・スズキコネクト対応通信機をメーカーオプションとして設定した。

本格クロカンであるジムニーシリーズにとって、熱烈ファンからは「そんな便利機能はいらん! 軽くせい! 安くせい!」という声が聞こえてきそうだが、これだけ注文が殺到するのだから、むしろオーナーのほとんどはシティ派。多くのユーザーにとって安全性や利便性の向上は恩恵が大きいだろう。

実は、筆者もシティ派のジムニーオーナー。愛車は「デュアルセンサーブレーキサポートII」やディスプレイオーディオを備えた軽の5型ジムニーだ。今回は、ようやく試乗が叶った2型のジムニー ノマドに乗り込み、同じジムニーオーナーならではの視点で、その違いを確かめた。

ジムニー ノマドの1型と2型をパッと見分けたいなら、フロントバンパーに注目。ナンバープレート左右の小さな突起部分に、丸いセンサーが付いているのが2型だ。

ジムニー ノマドの1型と2型をパッと見分けたいなら、フロントバンパーに注目。ナンバープレート左右の小さな突起部分に、丸いセンサーが付いているのが2型だ。

こんなに乗り心地が良いジムニーは初めて!

前項で触れた改良は、実はリリースに記載されている内容のみ。筆者としては、「やっと5ドアのジムニーに乗れる!」ぐらいのフレッシュな気持ちで臨んだのだが、お馴染みの運転席に座り、5MTモデルのギアを1速に入れ動き出した瞬間に、「あれ…!?」と驚かされた。

普段ジムニーに乗っていると、オンロードではどうしても車体がユサユサし、ハンドルからフラフラ感が伝わってくる。しかしジムニー ノマドでは、スッと落ち着き車体全体の動きもしっとりとしている。

現行のジムニーは、街乗りでもアウトドアシーンでも映える、改めて完成度の高いデザインだと思う。

現行のジムニーは、街乗りでもアウトドアシーンでも映える、改めて完成度の高いデザインだと思う。

軽のジムニーと比べ、ジムニー ノマドはトレッド幅も異なればホイールベースも長いので、車両の動きがより安定方向になるのは当然。当初「ボディサイズの違いかな?」と思ったのだが、路面の細かい凹凸を拾ってもダンピングが効いて車体の動きが全体的にカッチリしている。

ラダーフレームの本格クロカンなので乗り心地は最初から割り切っているし、普段乗っていて何ら不満はないのだが、ジムニー ノマドは「お前ほんとにジムニーか!?」とツッコミを入れたくなるほど乗り心地に違いがあった(もちろん世間一般の乗用車ほど快適ではないのだが……)。

シエラから全長が伸びたとはいえ、ボディサイズは全長3890×全幅1645×全高1725mmとコンパクト。トコトコ走る姿は愛らしく、犬だって怖がってないでしょ?

シエラから全長が伸びたとはいえ、ボディサイズは全長3890×全幅1645×全高1725mmとコンパクト。トコトコ走る姿は愛らしく、犬だって怖がってないでしょ?

開発者に聞いてみると、実は2型への改良は「騒音規制」への対策が行われており、1型からタイヤが変わっているとのこと。2型で採用したタイヤはどうしても硬くなってしまったそうで、ダンパーを締め上げタイヤを潰す方向でセッティングすることで、乗り心地を改善しているという。

さらに、ステアリングも初期の応答性をチューニングすることで、ハンドルの切り始めのしっかり感を出しているそうだ。

そのほかにも、重量増に対応するためにボディのマウントゴムを3ドアモデルよりも大型化し、縦方向にはしなやかに、横方向はしっかりとさせるなど、細かなチューニングが施されている。開発者は「かなりこだわった点」と言っていたが、これらの違いが冒頭の乗り心地と接地感の高さにつながっているのだ。

オーナーとしては、このチューニングが今後ジムニーにも適用されるのかが気になるところだが、「ジムニーは元々騒音規制をクリアしているので今のところ特に変えてはない」そうだ。

4名乗車時の荷室床面長は590mm(ジムニー シエラ+350mm)を確保。やっぱりこれくらい奥行きがあると嬉しい……

4名乗車時の荷室床面長は590mm(ジムニー シエラ+350mm)を確保。やっぱりこれくらい奥行きがあると嬉しい……

そんな驚きがありつつ、オンロードの次は4ATモデルでオフロードコースを試乗させてもらった。メディア向け試乗会ということで、筆者のような初心者でも安心して走れるコース設定ではあるのだが、4WDを4L(4WD低速)モードに入れアクセルをそっと踏むだけで、いとも簡単にモーグル路を乗り越えていく走破性は圧巻。

ホイールベースが長い分、3ドアのジムニー/ジムニー シエラの方が走破性は上だが、ランプブレークオーバーアングルも23°を確保し、片輪が浮いても「ブレーキLSDトラクションコントロール」のおかげで何事もなかったかのようにスイスイと進んでいく。

運転席から見るとかなり大きな凹凸に感じたモーグル路も、この通り! 4Lモードではタイヤが空転するような場面でも、持ち前のトラクション性能で力強く前進してくれる。

運転席から見るとかなり大きな凹凸に感じたモーグル路も、この通り! 4Lモードではタイヤが空転するような場面でも、持ち前のトラクション性能で力強く前進してくれる。

延長されたラダーフレームは、センタークロスメンバーとサイドフレームリーンフォースを追加し強度と剛性を確保しており、むしろオフロードでは乗り心地がいいと感じてしまうほど。

「こんな走破性、どこで使うんだ」と言ったら元も子もないが、このいざという時の頼もしさが、今まで行けなかったところに行ってみようと背中を押してくれる原動力になる。

スズキのデザイナーは「ダイバーズウォッチ」と例えてくれたが、ホンモノだけが持つ機能美や所有する満足度だけでオーナーとしては充分なのだ。「これでいい」ではなく、「これがいい」と思わせる唯一無二の性能と魅力、そして個性があるからこそ、ジムニーシリーズはここまで多くの人に愛されているのである。

坂道発進で頼りになるのが「ヒルホールドコントロール」。ブレーキペダルからアクセルペダルへ踏み替える間、最長2秒間ブレーキを保持し、後退を気にせず発進できで便利だった。

坂道発進で頼りになるのが「ヒルホールドコントロール」。ブレーキペダルからアクセルペダルへ踏み替える間、最長2秒間ブレーキを保持し、後退を気にせず発進できで便利だった。

ジムニー ノマド292万円は安い? 高い?

そんなジムニー ノマドの税込価格は292万6000円。これを高いとみるか安いとみるかは人それぞれの価値観によるが、筆者としては全く高くはないと思う。

かつて新車で100万円以下のグレードが用意されていたジムニーと比べれば3倍近い値段だが、機能に裏打ちされたデザインと圧倒的な走破性が満たしてくれる所有欲、街乗りでも困らないボディサイズ、さらにそこに5ドア化で手に入れた利便性はほかのどのクルマでも決して味わうことはできないものだ。

ジムニー ノマドと比べ、快適なクルマはたくさん存在する。先進安全装備が充実した便利なクルマも多い。このご時世に電動化の「で」の字も見当たらなければ、101PS/130Nmの1.5L直列4気筒エンジンは街乗りでややパワーが心許ない。まさに不合理の塊だ。

しかし、ジムニーシリーズでなければ行けない場所があり、そこに行こうと思わせてくれる力がある。

2型のジムニー ノマド発売のタイミングで、待望のグレーカラー(写真手前)がラインナップに追加! 筆者も含め、グレー派は多いハズ。

2型のジムニー ノマド発売のタイミングで、待望のグレーカラー(写真手前)がラインナップに追加! 筆者も含め、グレー派は多いハズ。

ジムニーを買って、我が家では妻が休日に自ら運転して外出するようになった。見た目重視で妻が選んだのだが、MTを駆使して運転するのが楽しいそうだ。“おじむ”と呼んで可愛がりながら、ECサイトで色々なパーツやグッズを探し、自ら使いやすいようカスタムも楽しんでいる。

ジムニー ノマドは、5ドア化で家族や友人とその楽しみを共有できるようになった。ユサユサとした乗り心地だってちょっとしたアトラクションだと思えばいい。パワーが足りなくても、MTを駆使すれば操る喜びに変わる。

ジムニー ノマドでしか得られない経験と思い出を考えれば、このご時世に300万円はむしろ破格ではないだろうか。我が家の“おじむ”はまだ買って半年だが、ちょっと乗り換えたくなってしまった。

いま頼んだら次の車検には来るだろうか。冬の東北・北海道に新雪と温泉を求め、仲間とスキートリップに行けたら最高じゃないか。

SPECIFICATIONS
スズキ ジムニー ノマド|Suzuki Jimny Nomade
ボディサイズ:全長3890×全幅1645×全高1725mm
ホイールベース:2590mm
車両重量:1200kg[1210kg]
駆動方式:4WD
エンジン:1.5リッター水冷4サイクル直列4気筒
最高出力:74kW(101PS)/6000rpm
最大トルク:130Nm(13.3kgf-m)/4000rpm
燃料消費率(WLTCモード):14.9km/L[13.6km/L]
トランスミッション:5速MT[4速AT]
価格(税込):292万6000円[292万6000円]
[ ]はAT車の値

スズキ ジムニー ノマド|Suzuki Jimny Nomade

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