前橋~富岡を結ぶ!「西毛広域幹線道路」はいつ開通? 関越から上信越を結ぶ短絡路に。高崎工区では事業費99億円増額【いま気になる道路計画】 | KURU KURA(くるくら)

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公開日:2026.08.18

前橋~富岡を結ぶ!「西毛広域幹線道路」はいつ開通? 関越から上信越を結ぶ短絡路に。高崎工区では事業費99億円増額【いま気になる道路計画】

開通済みの西毛広域幹線道路(高崎西工区)の様子。

群馬県の前橋市~富岡市を結ぶ「西毛広域幹線道路」の複数工区で整備が進められている。開通区間ではアクセスが改善された一方、高崎工区では、事業費が約99億円増額するなど、整備をめぐる課題も浮かんでいる。整備による効果や現在の進捗を見ていこう。

開通済みの西毛広域幹線道路(高崎西工区)の様子。

文=藤井宏治

画像=群馬県

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「西毛広域幹線道路」延長27.8kmはどこまでできた?

西毛広域幹線道路の位置図

西毛広域幹線道路の位置図

「西毛広域幹線道路」は、群馬県前橋市千代田町から高崎市、安中市を経て、富岡市富岡を結ぶ、延長27.8kmのバイパス道路である。4車線区間は幅員25m、2車線区間は幅員15mを基本とし、設計速度は60km/hで計画されている。

複数工区に分けて整備が進められており、「高崎工区」3.2km、「高崎安中工区」3.8km、「安中富岡工区」6.3kmが事業中で、その他の工区は整備済みだ。

群馬県は、気候変動の影響などによって水害をはじめとする気象災害が頻発していることを受け、「災害レジリエンスNo.1」の実現を掲げている。西毛広域幹線道路は、その一環として構築されるもので、災害時にも機能する強靭な道路ネットワーク「レジリエンスネットワーク」の一部に位置付けられている。沿線の防災拠点や物流拠点が集積するエリアを結ぶことで、大規模災害時にも広域的な交通を確保する役割を担う。

また、関越自動車道の前橋IC・高崎IC周辺から上信越自動車道の富岡IC周辺までを結び、高速道路ネットワークを補完する役割も期待されている。

災害時の交通や物流を支える西毛広域幹線道路

西毛広域幹線道路の地域間連携の強化

西毛広域幹線道路の地域間連携の強化

西毛広域幹線道路の整備によって、災害時の救命救助や物資輸送、平常時の渋滞緩和や移動時間の短縮など、さまざまな効果が期待されている。

なかでも大きな効果のひとつが、災害時における道路ネットワークの強化だ。群馬県は、災害時にも機能する強靭な道路ネットワークに必要な機能として、「道路閉塞が生じにくく早期に啓開できる幅員の確保(幅員12m以上)」「寸断要因の排除(落石・土砂崩落、落橋、電柱倒壊)」「多重化されたネットワークの構築」の3つを挙げている。西毛広域幹線道路は、2車線区間でも幅員15mを確保するとともに、既存道路を補完する新たな広域ルートとして、道路網の多重化に貢献している。

これにより、消防や警察などによる救命救助活動や被災地への食料・生活物資の輸送を支えられる。原材料や製品の輸送経路を確保することで、企業の生産活動や物流を維持し、災害による地域経済への影響を抑える役割も担う。

また、平常時にも大きなメリットがある。西毛広域幹線道路に並行する県道前橋安中富岡線の現道区間は、高崎市浜川町交差点で朝の通勤時間帯に渋滞長が400mに達するなど、混雑が発生している。西毛広域幹線道路がバイパスとして機能することで、こうした混雑が緩和され、県央地域と西毛地域の移動時間や高速道路へのアクセス時間が短縮される見込みだ。

例えば、富岡~安中は26分から14分へ12分、安中~箕郷は32分から18分へ14分、箕郷~前橋は29分から18分へ11分、それぞれ短縮される。さらに、富岡市役所~群馬県庁は62分から38分へ、24分短縮される試算だ。実際、すでに開通している高崎西工区では、交通がバイパスへ分散し、並行する県道前橋安中富岡線の渋滞が緩和される効果が確認されている。

このほか、歩道の整備による安全性の向上や、富岡製糸場、磯部温泉など西毛地域の観光地を巡る際の利便性向上も期待されている。

3工区は2029年度、2031年度に完成予定!

西毛広域幹線道路の計画路線図

西毛広域幹線道路の計画路線図

事業中の主要工区では、高崎安中工区と安中富岡工区が2029年度、高崎工区が2031年度の完成予定となっている。

2024年12月の第54回群馬県公共事業再評価委員会では、高崎工区の事業費が当初の想定から約99億円増額されることが示された。資材費や労務費の上昇に加え、新幹線跨線橋および軟弱地盤対策の工事費、埋蔵文化財調査費が増加したことが理由だ。新幹線跨線橋工事では工程が見直され、当初の予定より2年長い工期となった。さらに、埋蔵文化財調査では、想定より遺構の密度が高く、広い範囲に分布していたため、発掘期間が長期化している。

一方、開通済みの区間でも、中央第二工区と富岡工区は暫定2車線での開通となっている。4車線化に向けた検討は進められているものの、現時点では事業着手年度や完成予定年度は示されていない。

西毛地域の交通を支えるだけでなく、災害時の救命救助や物流、平常時の移動まで幅広い効果が期待される西毛広域幹線道路。主要工区が完成すれば、県央と西毛を結ぶ道路ネットワークはさらに強化される。一方で、事業費の増額や工期の長期化、暫定2車線区間の存在など、整備にはまだ課題も残る。今後、これらの区間の整備が地域の交通をどう変えていくのか、引き続き注目したい。

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