福島~山形~秋田を結ぶ!「東北中央道」約268kmがついに全線開通へ? 残る3区間「新庄金山道路」などで工事進展中【いま気になる道路計画】
福島県相馬市から山形県内を縦断し、秋田県横手市に至る高規格道路「東北中央自動車道」の整備が進められている。事業中の「新庄金山道路」「金山道路」「真室川雄勝(まむろがわおがち)道路」について、工事概要や整備効果、現在の進捗を見ていこう。
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東北中央自動車道の3つの未開通区間
東北中央自動車道の未開通区間の概略図
「東北中央自動車道」は、福島県相馬市を起点に、福島市、米沢市、山形市、新庄市などを経由し、秋田県横手市で「秋田自動車道」に接続する総延長約268kmの高規格道路だ。福島、山形、秋田の各県を南北に結び、地域間の移動や物流を支える道路として整備が進められている。
このうち約251kmが開通済みで、山形県北部から秋田県南部にかけて「新庄金山道路」「金山道路」「真室川雄勝道路」の3区間が未開通となっている。いずれも国道13号に並行し、すでに開通している泉田道路、主寝坂道路、院内道路などをつなぐ位置にある。
新庄金山道路は、山形県新庄市大字昭和から金山町大字朴山(ほうやま)までを結ぶ延長5.8kmの区間。これに続く金山道路は、金山町大字朴山から同町大字飛ノ森までの3.5km区間。真室川雄勝道路は、山形県真室川町大字及位(のぞき)から秋田県湯沢市上院内までの7.2km区間となっており、3区間の総延長は16.5kmだ。
3区間はいずれも設計速度80km/h、完成2車線で計画されている。整備が完了すれば、山形・秋田県境部の高規格道路が連続し、悲願の東北中央道の全線開通が実現する。
国道13号の代替ルートで冬季の交通を確保
東北中央道の未開通区間整備後には、迂回時の所要時間が短縮される
残る「新庄金山道路」「金山道路」「真室川雄勝道路」の開通によって、冬期の交通確保や物流の効率化など、さまざまな整備効果が期待されている。
新庄市から湯沢市にかけての区間は特別豪雪地帯に位置し、並行する国道13号では、積雪やスリップ事故などによる冬期の通行止めが発生している。国交省によると、国道13号が通行止めになると長距離迂回を余儀なくされ、湯沢市役所から新庄市役所までの所要時間は、通常時の約59分から約200分へと約3.4倍となり、生活交通だけでなく物流や経済活動にも影響を及ぼす。
県境区間が整備され、国道13号の代替ルートが確保されれば、通行止め時の長距離迂回が解消され、冬期の道路交通の信頼性向上につながる。
また、東北中央道沿線の新庄市や横手市には、自動車部品の製造企業が立地している。両市間の自動車部品輸送では、2017年10月時点で東北道経由が100%を占めていたが、東北中央道の整備が進んだことで輸送ルートにも変化が生じている。2023年10月時点では、東北道経由が33%、山形道経由が15%、東北中央道経由が52%となり、半数以上が東北中央道を利用するルートとなった。
残る3区間が開通すれば、福島、山形、秋田を南北に結ぶ高規格道路が連続し、自動車部品などの物流において、東北中央道を利用した新たな輸送ルートが確立される。
新庄金山道路は開通時期を見直し! 工事は進行中
金山道路の工事状況
「新庄金山道路」「金山道路」「真室川雄勝道路」の3区間では、それぞれ橋梁やトンネルなどの工事が進められている。
国土交通省によると新庄金山道路は当初、2025年度の開通を目指していた。しかし、大規模切土区間で発生した転石の量が想定を上回ったことから、2024年1月に開通時期の見直しを発表。2025年度の開通は困難と判断し、大規模切土の進捗を踏まえて工程を精査したうえで、改めて開通時期を公表するとしている。
金山道路では、2026年7月末時点で金山地区の道路土工が進められているほか、金山IC橋(仮)、金山第二トンネル(仮)、大石川橋(仮)などを施工中だ。具体的な開通時期は公表されていない。
真室川雄勝道路では、山形県側の新及位トンネル(仮)や秋田県側の大鍋トンネル(仮)、新矢込川橋(仮)などで工事が進められている。
また、県境付近に位置する上院内トンネル(仮)は、2026年7月1日に公表された発注見通しに「R8-12 真室川雄勝道路上院内トンネル工事」として盛り込まれている。掘削・支保工、覆工コンクリート・防水工などが予定されており、工事の完成期限は2030年10月11日だ。ただし、発注見通しはあくまで予定であり、実際の発注内容や時期は変更される場合がある。
東北中央道の山形・秋田県境付近では、3つの未開通区間の整備が着実に進んでいる。これらが開通すれば、冬期の交通確保や物流の効率化など、地域を支える道路ネットワークのさらなる強化が期待される。今後は、新庄金山道路の新たな開通時期の発表や、金山道路、真室川雄勝道路の整備の進展に注目したい。
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