大阪都心~新名神に第2ルート! 阪神高速「11号池田線」延伸構想とは? 伊丹空港アクセスも改善へ【いま気になる道路計画】 | KURU KURA(くるくら)

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公開日:2026.07.15

大阪都心~新名神に第2ルート! 阪神高速「11号池田線」延伸構想とは? 伊丹空港アクセスも改善へ【いま気になる道路計画】

大阪中心部から伊丹空港を経て、池田市内で終点となる阪神高速池田線。新名神への延伸構想がある

大阪都心部から大阪国際空港(伊丹空港)方面を結ぶ「阪神高速11号池田線」。この路線をさらに北へ延伸し、新名神高速道路へ直結させる構想がある。計画の概要や期待される効果、現在の進捗を見ていこう。

大阪中心部から伊丹空港を経て、池田市内で終点となる阪神高速池田線。新名神への延伸構想がある

文=鳥羽しめじ

資料=兵庫県、阪神高速道路、大阪府道路公社

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「阪神高速11号池田線」を北へ延伸!

大阪中心部から伊丹空港を経て、池田市内で終点となる阪神高速池田線。新名神への延伸構想がある

大阪中心部から伊丹空港を経て、池田市内で終点となる阪神高速池田線。新名神への延伸構想がある

大阪・神戸エリアの都市高速を担う「阪神高速道路」。そのなかで大阪府最北部へ延びる路線が「11号池田線」だ。

11号池田線は、大阪都心部の1号環状線「中之島JCT」から北西へ分岐し、大阪駅周辺や大阪国際空港(伊丹空港)へのアクセスを担うほか、「豊中IC」で名神高速道路に接続している。

1970年に中国自動車道「池田IC」手前まで開通して全線供用となったが、その後、さらなる延伸が進められた。1998年には「蛍池(ほたるがいけ)JCT」から猪名川東岸を北上し、「池田木部出入口」まで延伸されている。

都心と空港をノンストップで結び、名神高速・中国道とも接続することから、新御堂筋の代替ルートとしても重要な役割を担う。阪神高速のなかでも古くから供用されている路線で、1日約7万台が利用する大動脈となっている。

そんな11号池田線を取り巻く環境は、2017~2018年の新名神高速道路(高槻JCT・IC~神戸JCT)の開通によって大きく変化した。

新名神高速は、名神高速・中国道より北側のルートを通り、神戸市北区方面へ短絡する高速道路だ。これにより、箕面市(みのおし)や川西市北部、猪名川町など北摂(ほくせつ)地域が新たに高速道路ネットワークに組み込まれた。

こうした交通環境の変化を受け、兵庫県では11号池田線をさらに北へ延伸し、新名神高速道路へ直結させる構想が浮上している。

新名神から伊丹空港と大阪都心へ直結

「ひょうご基幹道路ネットワーク2050」の構想路線のひとつである「阪神高速池田線延伸」の概要

「ひょうご基幹道路ネットワーク2050」の構想路線のひとつである「阪神高速池田線延伸」の概要

この構想は、兵庫県が2018年に策定した「ひょうご基幹道路のあり方」に盛り込まれたものだ。

同計画では、2050年を目標に整備を目指す道路を「基幹道路八連携軸」として位置付ける一方、その先の将来を見据えた「構想路線」も設定。「社会経済情勢等の変化に応じて、整備の検討が必要な基幹道路」として、新たな道路ネットワークの方向性を示している。

11号池田線の延伸は、この「構想路線」のひとつだ。

計画では、現在の池田木部出入口から約7km延伸し、新名神高速「川西IC」へ接続する構想となっている。接続地点は単にICがあるからではなく、「遠方から視認しやすいこと」や「トンネル区間を避けられること」などの条件を踏まえて選定された。

実際、「川西IC」周辺は北摂山地に位置し、「止々呂美トンネル」「川西トンネル」「六石山(ろっこくやま)トンネル」が連続するため、まとまった地上区間が限られている。

兵庫県は、この延伸によって次のような効果を見込んでいる。

1.中国道と新名神高速のリダンダンシー(代替性)の確保
2.阪神北地域から阪神南地域や大阪市内の三次救急医療機関へのアクセス向上
3.川西市北部や猪名川町から大阪国際空港(伊丹空港)へのアクセス向上

中国道と新名神高速が延伸部を介して接続されれば、一方で事故や災害による通行止めが発生した場合でも、もう一方へ迂回しやすくなり、高速道路ネットワーク全体の強靱性向上が期待される。

なかでも大きなメリットとされるのが伊丹空港へのアクセス改善だ。現在も空港へは中国道「池田IC」からアクセスできるが、中国道や名神高速で事故や渋滞が発生すると影響を受けやすい。新名神~11号池田線という新たなルートが整備されれば、空港へのアクセス性向上につながる。

また、川西市北部や猪名川町から都心方面へ向かう交通では、川西能勢口駅周辺の慢性的な渋滞が課題となっている。南北方向には4車線の都市計画道路「川西猪名川線」が整備されているものの、11号池田線へ直接接続していないため、国道176号を経由して複数回の右左折が必要となり、朝夕のピーク時には著しい渋滞が発生する。

延伸が実現すれば、高速道路へ信号なしでアクセスできるようになり、地域交通の大幅な改善が期待されている。

気になる現状と「ライバル路線」

2007年に開通した「箕面グリーンロード」。箕面市内の北部エリアをつなぐ

2007年に開通した「箕面グリーンロード」。箕面市内の北部エリアをつなぐ

気になる11号池田線延伸の動向だが、現時点で具体的な事業化の動きは確認されていない。兵庫県議会や大阪府議会、川西市議会、猪名川町議会でも、この構想に関する目立った議論は見当たらず、2018年の構想公表から約8年が経過した。

背景には、兵庫県が優先する他の広域道路事業の存在がある。基幹道路八連携軸では、阪神高速5号湾岸線の長田延伸や名神湾岸連絡線、播磨臨海地域道路など、大規模プロジェクトが優先課題となっている。

また、「構想路線」はあくまで「社会経済情勢等の変化に応じて整備を検討する道路」と位置付けられており、現時点では事業化の優先度が高い状況にはない。その理由のひとつが、一定の代替ルートが存在することだ。

代表例が、2007年に開通した「箕面グリーンロード」である。この道路は、新名神高速「箕面とどろみIC」と「国道171号」を約5.6kmの長大トンネルで結び、その先は新御堂筋を経由して大阪都心へアクセスできる。

当初は豊能地域の利便性向上を目的とした道路だったが、新名神高速の開通によって「新名神~大阪都心」を結ぶ重要ルートへと役割が拡大。交通量も大きく増加し、新名神高速利用者の主要アクセスルートとなっている。

一方で、川西市北部や猪名川町から11号池田線や伊丹空港方面へのアクセス改善という観点では、箕面グリーンロードだけでは代替しきれない部分もある。約7kmという比較的短い延伸でありながら、新名神高速と直結できれば、地域交通の利便性向上に加え、「新名神~大阪都心」の新たなルートとしての役割を担う可能性もある。

現段階では構想の域を出ていないものの、今後の交通需要や周辺道路の整備状況次第では、再び議論が本格化する可能性もありそうだ。引き続き動向を注視したい。

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