神戸~関空を“湾岸直結”へ!「大阪湾岸道路西伸部」で橋梁・トンネル工事が進行中。神戸港を跨ぐ「巨大海上道路」はどこまで進んだ?【いま気になる道路計画】
神戸~関空を湾岸沿いで直結する「大阪湾岸道路」の整備が進んでいる。なかでも現在工事が進むのが、「大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北~駒栄)」だ。トンネルや橋梁など大規模構造物の計画も進む、この道路について概要や進捗を見ていこう。
この記事をシェア
大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北~駒栄)とは
大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北~駒栄)の全体像
大阪湾岸道路は、神戸淡路鳴門自動車道「垂水JCT」から、関西国際空港自動車道「りんくうJCT」までを結ぶ延長約80kmの自動車専用道路だ。現在、その一部を構成する「大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北~駒栄)」の整備が進められている。
大阪湾岸道路西伸部は、神戸市東灘区向洋町東から長田区西尻池町までを結ぶ延長約14.5km。ルートはトンネル、掘割・土工、橋梁で構成される計画だが、海上部の区間が多いため、大部分は橋梁構造となる見込みだ。
トンネルおよび掘割・土工区間は、終点となる「駒栄ランプ(仮称)」付近に限られる。本線は6車線・設計速度80km/hで整備される予定で、有料道路として供用される計画となっている。
全国ワースト「京橋ランプ付近」の渋滞解消へ
災害時の代替路としての大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北~駒栄)
大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北~駒栄)の整備メリットは、大きく3つある。物流拠点へのアクセス向上、阪神高速3号神戸線の代替機能確保、そして地域活性化だ。
現在、大阪湾岸道路西伸部の北側内陸を通る阪神高速3号神戸線は慢性的な渋滞が発生。特に「京橋ランプ付近」の渋滞損失時間は全国ワースト1位とされる。大阪湾岸道路西伸部が開通すれば、この区間を避けた移動が可能となり、神戸市西区の「玉津IC」から神戸港までは約14分、同ICから大阪駅までは約32分の時間短縮が見込まれている。
また、交通集中による渋滞は、事故発生リスクの増加にもつながる。事故による車線規制が発生すれば渋滞はさらに悪化し、物流の定時性にも影響を及ぼす。物流では移動時間の短縮だけでなく、定時性の確保も重要視されるため、渋滞緩和によるアクセス性向上は大きなメリットとなる。
さらに、地域活性化への効果も期待されている。神戸市は阪神・淡路大震災からの復興事業として「神戸医療産業都市構想」を推進。ポートアイランドでは国家戦略特区「神戸医療産業都市」を整備し、医療関連企業の誘致を進めている。
それにより、2001年に18件だった進出企業・団体数は、現在では300件を超えている。大阪湾岸道路西伸部によって神戸臨海部の利便性が向上すれば、さらなる企業進出や地域経済の活性化も期待される。
大阪湾岸道路西伸部は東西端部から事業が進行中
駒栄地区の2026年3月時点の進捗情報
大阪湾岸道路西伸部は、複数の工区に分けて整備が進められている。2026年4月時点では、六甲アイランド地区で橋梁工事、駒栄地区でトンネル工事が進行中だ。一方、六甲アイランド以西からポートアイランド、和田岬にかけての区間は、現在も設計段階にある。なお、六甲アイランド北~駒栄における2024年3月時点の事業進捗率は約11%とされている。
大阪湾岸道路西伸部は、大部分が橋梁構造となるほか、神戸港の航路を跨ぐ計画であることや、阪神・淡路大震災を経験した地域であることなど、特徴の多い事業だ。施工にあたっては、港湾機能への影響を抑えながら工事を進める必要があり、航路条件や施工手順を踏まえた計画が進められている。また、災害に強いインフラとすることも設計に盛り込まれている。
完成時期は現時点で明示されていないものの、東西の端部では徐々に工事が進み、事業は少しずつ具体化している。まずは、全線で工事着手が進み、大阪湾沿いに巨大道路が姿を現す時を待ちたい。
記事の画像ギャラリーを見る




