三重~兵庫を結ぶ「新名神高速」に進展あり! 全線開通はいつ?「信楽IC~大津JCT」付近がついに6車線化。未開通区間の進捗は?【いま気になる道路計画】
三重から兵庫を結ぶ「新名神高速道路」の工事に新たな動きがあった。「信楽IC~大津JCT(仮称)」の一部区間について、2026年5月30日から6車線での運用がスタートしたのだ。この6車線化事業に加え、残された未開通区間「大津JCT(仮称)~城陽JCT・IC」「八幡京田辺JCT~高槻JCT」について、工事概要や開通効果、工事の進捗を見ていこう。
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新名神高速の一部が新たに6車線化! 全線開通はいつ?
新名神高速 金勝山トンネル付近の位置図
新名神高速道路は、新東名高速道路や伊勢湾岸自動車道などと一体となって、東京・名古屋・大阪の三大都市圏を結ぶ大動脈としての役割を担う延長約160kmの高規格幹線道路だ。同路線では、暫定4車線で開通した区間を対象にした6車線化工事と、未開通区間である「大津JCT(仮称)~城陽JCT・IC」と「八幡京田辺JCT・IC~高槻JCT・IC」の整備が進められている。
6車線化の対象区間は「亀山西JCT~大津JCT(仮称)」の延長約41km。このうち、「信楽IC~大津JCT(仮称)」の下り線、「金勝山トンネル」付近の延長約4.8kmが2026年5月30日から従来の2車線を3車線へと拡幅し、供用開始となった。これにより、すでに3車線で供用中の上り線と合わせて、同区間は6車線での運用が開始した。
金勝山トンネル付近を含む多くの区間は、当初から6車線化を見据えて設計・整備が進められていた。しかし、2000年代前半にコスト削減を目的として計画が見直され、暫定4車線での施工へと変更されたことで、6車線化は一時見送られていた。
その後、2012年の計画見直しを経て6車線化事業が再スタート。金勝山トンネル付近も当初から6車線化を前提とした構造となっていたため、今回の工事は既存の設計を活用しながら、本来の計画どおりに拡幅が実施された。
新名神高速の6車線化で何が変わる? その整備効果
6車線化により交通容量が増加し、さまざまなメリットが期待される
新名神高速の6車線化による主な効果としては、「物流の効率化」「代替性の強化」「名神高速のリニューアル工事時における円滑な交通の確保」の3点が挙げられる。
なかでも物流面では、新名神高速を利用する大型車の交通量が年々増加している。NEXCOによると、「亀山西JCT~大津JCT(仮称)」の大型車交通量は、2009年から2017年にかけて約1.6倍に増加した。また、今後はダブル連結トラックをはじめとする次世代物流システムへの対応も求められている。
6車線化によって低速で走行する大型車と高速で走行する普通車の交通を分散しやすくなり、追い越し機会の増加や交通の円滑化が期待される。これにより、安全性の向上と物流の効率化が見込まれている。
また、新名神高速道路は、岐阜県や滋賀県でおおむね並行している名神高速と比べて、雪による通行止めの発生が約4割少ない。
名神高速は開通から60年以上が経過しており、老朽化対策として大規模なリニューアル工事が各地で進められている。こうした工事では車線規制や通行止めが必要となる場合があり、交通への影響が避けられない。
そのため、名神高速で渋滞や通行止めが発生した際には、新名神高速へ交通が転換するケースが増加する。6車線化によって道路容量が向上すれば、こうした交通需要にも対応しやすくなり、代替路としての機能強化につながると期待されている。
新名神高速 6車線化は今後どうなる?
信楽IC~大津JCT(仮称)の概要図
新名神高速の6車線化事業は、どこまで進んだのだろうか。
前述の通り、「信楽IC~大津JCT(仮称)」下り線の「金勝山トンネル」付近は2026年5月30日に3車線化され、上下合わせて6車線での運用が始まった。
また、「甲南IC~信楽IC」上り線では、「甲南トンネル」付近で2026年秋頃に片側3車線化される予定となっており、実現すれば同区間も上下合わせて6車線となる。ただし、具体的な供用開始日時は公表されていない。
一方で、「鈴鹿トンネル」付近をはじめ、現在も2車線区間は残されている。これらの区間についても6車線化が計画されているものの、現時点で具体的な工事時期や供用スケジュールは示されていない。
未開通区間「大津~城陽」「八幡京田辺~高槻」の進捗
新名神高速は八幡京田辺JCT・IC~高槻JCT・ICと大津JCT~城陽JCT・ICが未開通
新名神高速の未開通区間「大津JCT(仮称)~城陽JCT・IC」と「八幡京田辺JCT・IC~高槻JCT・IC」の進捗はどうなっているのだろうか。
●大津JCT(仮称)~城陽JCT・IC
大津JCT(仮称)~城陽JCT・ICは2028年度の開通を目標として整備が進められている。現在、全区間で用地取得が完了し、工事が着手されているが、具体的な開通予定時期は発表されていない。NEXCO西日本によると、軟弱な地層が多く工事に時間を要しているため、工事の進捗によってはさらに1~2年かかるとされている。
ただし、完成に向けて工事が着実に進められている事実も確認できる。2025年4月には大津JCT付近において、4つの橋梁(大戸川橋・上中野橋・吉祥寺川橋・宮川橋)の床版打設が完了し、橋面がつながったと発表があった。
また、2025年4月には京都府宇治田原町で建設が進められている「宇治田原トンネル(延長約2km)」上り線の貫通式も実施。現在は、内部の施工が進められている。
●八幡京田辺JCT・IC~高槻JCT・IC
八幡京田辺JCT・IC~高槻JCT・ICは、2025年12月開催の連絡調整会議(第4回)において、仮に工事が順調に進んだとしても、当初目標とされていた2027年度の開通は困難であると正式に発表された。現時点では新たな開通時期は示されていない。
2026年4月末時点の用地取得率は98%、工事着手率は99%。高槻JCT・IC付近では橋梁上部や橋台の整備、梶原トンネルではトンネルの掘削、枚方トンネルではトンネル掘削の準備作業、淀川橋では橋梁上部の整備が進められている。
このように、新名神高速では、供用済み区間の6車線化と未開通区間の整備が並行して進められている。完成すれば、東西を結ぶ広域ネットワークの機能がさらに強化され、物流や人流を支える重要な大動脈としての役割が一層高まることになりそうだ。
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