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公開日:2026.05.11

兵庫~北陸を結ぶ新南北軸!「東播丹波連絡道路」最終区間に30年ぶりに動きが? 整備中の「第二播但道」の現状は【いま気になる道路計画】

2026年6月に全通を迎える西脇バイパス。東播丹波連絡道路の一環として、「兵庫県の新たな南北軸として整備が進む。

兵庫県南部と北部を結ぶ高規格道路として、播但道や舞鶴若狭道に続く第3ルート「東播磨ルート」の整備が進んでいる。その一部を担う「東播丹波連絡道路」では、まもなく新工区が開通予定となっているほか、さらに先の区間でも調査開始が明記された。ますます注目を集める、この道路計画の現状を見ていこう。

2026年6月に全通を迎える西脇バイパス。東播丹波連絡道路の一環として、「兵庫県の新たな南北軸として整備が進む。

文=鳥羽しめじ

資料=国土交通省、兵庫県

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加古川~北陸を結ぶ「第3の南北軸ルート」

東播磨道、東播磨内陸道路、東播丹波連絡道路の概要

東播磨道、東播磨内陸道路、東播丹波連絡道路の概要

兵庫県は、太平洋側(山陽)から日本海側(山陰)まで南北約100kmに及ぶ広い県土を持つ。一方で、南北地域を結ぶ高規格道路ネットワークは十分とは言えず、いまなお長距離にわたって生活道路を走らなければならない区間も多い。

現在、南北軸として整備されているのは、大阪方面と豊岡・山陰方面を結ぶ舞鶴若狭自動車道・北近畿豊岡自動車道、そして姫路と和田山を結ぶ播但自動車道の2ルート。いずれも有料道路として運用されている。

しかし、この2ルートの間には約40kmの空白地帯があり、その中間には加古川水系に沿った街道筋が広がる。地域の骨格道路となっているのが国道175号で、このルートを高規格化するために進められているのが、「東播丹波連絡道路」をはじめとする、いわば“第二播但道”とも言える3つの道路計画だ。

2025年11月に全線開通した東播磨道

2025年11月に全線開通した東播磨道

具体的には東播磨道、東播磨内陸道路、東播丹波連絡道路だ。いずれも国が整備を進める「重要物流道路」の候補路線に指定されており、整備の優先度は比較的高い。重要物流道路は国際海上コンテナ用の大型セミトレーラーの通行にたえうるスペック確保が目的で、おもに旧来の狭隘な生活道路や急勾配・急カーブの峠道を解消し、立体交差化による信号ゼロ移動も重要なファクターとなる。

物流面で見ると、この東播ルートは「播磨臨海地域」と北部方面を結ぶ新たな大動脈として期待されている。日本有数の重工業地帯である播磨臨海地域では、これまで北部方面への輸送時に、姫路や神戸方面へいったん東西軸を経由する必要があり、他の交通流と交錯して渋滞の一因となっていた。

東播ルートの整備によって、「播磨臨海地域~舞鶴若狭道~北陸道」を結ぶ新たな最短ネットワークが形成される見込みだ。物流効率化や交通分散に加え、災害時などの寸断リスク分散の面でも大きな効果が期待されている。

2区間が開通間近!「東播磨ルート」の現在の状況は

6月13日に全線開通予定の西脇北バイパス

6月13日に全線開通予定の西脇北バイパス

それぞれの道路の現状を見ていこう。

【東播磨道】
東播磨道は、2025年11月末に悲願の全線開通を迎えたばかり。国道2号加古川バイパスの加古川中央JCTから北東へ分岐し、山陽道 三木小野IC付近で国道175号に接続する、総延長12.1kmの無料自動車専用道路だ。ルートはJR加古川線の加古川~市場に沿う形となっており、加古川市中心部と内陸部との移動時間短縮に大きく貢献している。

また、加古川バイパス以南でも4車線の都市計画道路が整備中で、国道250号まで接続する計画となっている。現在は最後の約660mとなる「安田工区」を残すのみで、工事は大詰めを迎えている。

【東播磨内陸道路】
東播磨内陸道路は、山陽道と中国道を結ぶ区間を高規格化する構想路線だ。現在、国道175号は中国道 滝野社ICまで全線4車線化が完了しており、主要交差点も立体交差化されているため、スムーズな移動が可能となっている。こうした状況もあり、自動車専用道路としてさらに機能強化する構想については、現時点で具体的な検討には至っていない。

【東播丹波連絡道路】
東播丹波連絡道路は、西脇市街地を経由して北近畿豊岡道 氷上ICまでを結ぶ、延長約30kmの自動車専用道路計画だ。西脇市手前までの区間は平成初期までに平面構造のバイパスとして整備済み。一方、それより北側については、国が掲げる「地域高規格道路」の構想に基づき、信号のない完全立体構造で整備が進められている。

進捗としては、西脇市街地を東側で迂回する「西脇バイパス」が2012年に開通済み。現在は、その北側に続く「西脇北バイパス」の整備が進められている。

西脇北バイパスは、2026年6月13日に待望の全線開通を迎える予定だ。今回開通するのは未整備だった南半分の区間で、加古川西岸へ渡った後の「下戸田ランプ~津万ランプ~寺内ランプ」の延長約3.1kmとなる。

西脇北バイパスの全線開通により、西脇市街地を通過していた中長距離交通がバイパスへ転換され、市街地の生活交通と通過交通の分離が大きく進むことになる。

北近畿豊岡道へ直結する「最後の区間」も調査開始

東播丹波連絡道路の概要(右が北)

東播丹波連絡道路の概要(右が北)

そしてつい最近、その先の西脇~丹波でも、大きな動きがあった。長らく未調査区間のままだったが、近畿地方整備局の2026年度予算で、ついに調査開始が明記されたのだ。

具体的には、予算資料に以下の文言が新たに盛り込まれている。

「国道175号西脇・丹波間については、防災機能の向上や幹線道路の機能強化等に係る調査を実施します」

今後は、「計画段階評価」に進み、複数回の地域アンケートなどを経て、概略ルートや構造が検討される見通しだ。その後、都市計画決定や環境アセスメントなどの手続きを経て、事業化を待つ段階となる。

もし事業化が実現すれば、東播丹波連絡道路としては、西脇北バイパスの1997年以来、実に30年ぶりの新規事業化区間となる。

果たして「国道250号~加古川バイパス~山陽道~中国道~北近畿豊岡道」までを一本の南北軸として結ぶネットワークが、いつ完成形に近づくのか。今後の動向に引き続き注目したい。

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