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最終更新日:2019.02.23 公開日:2019.02.23

コンパクトなバンコンやキャブコンが人気上昇中!トヨタ「ライトエース」編 【ジャパンキャンピングカーショー2019】(9)

2月1日から3日まで開催された「ジャパンキャンピングカーショー2019」(幕張メッセ)。レポート第9弾は、トヨタ「ライトエース」をベースにしたコンパクトなバンコンやキャブコンを紹介する。

トヨタ「ライトエース トラック」と「タウンエース バン」。コンパクトなバンコンやキャブコンのベース車として選ばれることが増えてきた。「ライトエース」と「タウンエース」は販売チャネルが異なる姉妹車だ。どちらにもトラックとバンの2タイプが用意されている。今回出展されていたキャンピングカーでは、「ライトエース」がベースのものが多く、「タウンエース」は少数派だった。

 ジャパンキャンピングカーショーなどを主催している日本RV協会によれば、最も売れているキャンピングカーの価格帯は、400万円台を中心に300万~500万円台だという。その多くがミニバンや1BOXカーなどをベースとするバンコンバージョン(バンコン)、主にトラックベースのキャブコンバージョン(キャブコン、※1)、もしくは高級軽キャンパーの3種であるという。

※1 キャブコンについては、レポート記事その1『キャブコンのベース車・トヨタ「カムロード」の最新2019年式が登場!』に最新情報を掲載。

バンコンやキャブコンで「ひとつ下のサイズ」が増加中

 バンコンのベース車として選ばれることが多いのが、トヨタ「ハイエース」。今回出展された約300車種のうち、なんと100車種以上が「ハイエース」をベース車としていた。キャブコンのベース車として使われることも少なくなく、日本のキャンピングカー市場を支えているといってもいい車種である。

 「ハイエース」がベースのキャンピングカーは居住性は抜群だが、近年はもう少しコンパクトなバンコンが求められるようになってきた。また、キャブコンもトヨタ「カムロード」やマツダ「ボンゴトラック」などをベースとしており、同じく取り回しを考慮してもう少しコンパクトなものが求められるようになってきている。

 コンパクトな車種として最近ビルダーに注目されているのが、トヨタ「ライトエース」と日産「NV200バネット」だ。「ライトエース」はトヨタの商用車の中では、「ハイエース」よりもひとつ下のサイズ。トラックタイプでも「トヨエース/ダイナ」よりも小型だ。「NV200バネット」も、日産の商用車の中では「NV350キャラバン」に次ぐ2番目のサイズだ。車内スペースがある一方で、大きすぎないことから取り回しがいい。今回は、姉妹車「タウンエース」を含めて「ライトエース」が約15車種、「NV200バネット」は約10車種出展された。両車をベースとするキャンピングカーの価格帯は、300万円前後から500万円台で、最も売れている価格帯に含まれている。

 キャンピングカーとして架装のされ方は若干異なる。傾向として、「ライトエース」は居住性を重視した本格的なキャンピングカーとして作られることが多いようだ。一方の「NV200バネット」はもう少し簡易なスタイルで作られている模様。車重を軽くすることで走行性能を維持する方向に仕上げることもあるという。

 レポート記事その9と10では、この2車種に注目。まずはその9で「ライトエース」のニューモデル3車種(バンコン1車種、キャブコン2車種)を紹介する。ニューモデル5車種が出展された「NV200」ベースのキャンピングカーについては、その10でお届けする。

バンコンながら300万円を切るリーズナブルさが魅力の「リゾート デュオ ルクシオ」(ステージ21)

「リゾート デュオ ルクシオ」。展示車両はポップな色合いで塗装されており、フロント部分もパーツを変更し、イメージを少し変更している。「リゾート デュオ」には、ゆったりとしたふたり旅を楽しめるようにという意味が込められている。

 ステージ21(神奈川県)の「リゾート デュオ」は、夫婦などでのふたり旅を想定したキャンピングカーシリーズ。そのため、乗車/就寝定員を2名となっている。「リゾート デュオ」シリーズには軽キャンパーも何車種かあるが、「ルクシオ」のベース車として「ライトエース」が選ばれた理由は、軽キャンパーよりもゆったりとしたスペースを確保でき、その一方でボディが大きすぎないので普段使いもしやすく、また女性でも運転しやすいというメリットがあるからだという。

 またステージ21のキャンピングカーはルーフにソーラーパネルを装備していることを特徴としており、「ルクシオ」にも厚さ3mmの180Wセミフレキシブルタイプが採用されている。そのほか、走行充電が可能な105Ahのサブバッテリー、1500Wインバーター、外部電源、充電器、15インチフリップダウンモニター、TVチューナー、15L横置き型冷凍冷蔵庫、LED照明、電子レンジなどを標準装備。各10Lの給排水タンクを備えたシンクがあり、シャワーヘッドは車外に出しての利用も可能だ。これだけ装備の充実したバンコンながら、展示車両の価格はオプション込みでも高級軽キャンパーよりも安価なぐらい。299万7500円(税別)となっている。

【ステージ21のほかのキャンピングカーはこちら】
●リゾート デュオ バスキング:【ジャパンキャンピングカーショー18】大人気の軽キャンパー、その中身に迫ってみた!【後編】
●リゾート デュオ バンビーノJr:【東京キャンピングカーショー17】走る箱庭リビング!? 軽キャンパーが超充実!

「リゾート デュオ ルクシオ」の車内。乗車/就寝定員共に2名だが、ベッドからテーブルを挟んで対面式のソファにできるので、ゲストを呼んで車内で食事したり談笑したりも可能。

「ライトエース」をベースにしたコンパクトキャブコン「レジストロ:アウル」2018年式(M・Y・S ミスティック)

M・Y・S ミスティックのキャンピングカーはデザインにひと工夫あり、外見がわかりやすい。キャンピングカーとしてだけでなく、移動型の店舗としての利用も想定されてのデザインだからだ。「レジストロ:アウル」はボディがコンパクトなことから、M・Y・S ミスティックでは”ライトキャブコン”と呼んでいる。

 M・Y・S ミスティック(山梨県)の「レジストロ:アウル」2018年式は、「ライトエース トラック」をベースとしたキャブコン。キャブコンの多くが、トヨタ「カムロード」や、マツダ「ボンゴトラック」など、もう少し大型のトラックをベースとしており、「ライトエース トラック」をベースとするキャブコンはそれほど多くはない。ミニバンや1BOXのボディ内にキャンピングカーとしての設備を架装していくバンコンに対し、キャブコンはトラックの荷台にキャンパーシェル(居住部分)を搭載し、運転席上部にはバンクベッドを備えていることを特徴とする。

 同社のキャンピングカーはデザイン的に独創的なことに加え、装備が豪華なことも特徴。走行充電可能な105Ahのサブバッテリー、外部電源、100Wコンセントなどの電気系に加え、各19Lの給排水タンクとステンレス製シンク、カセット式コンロ、脱着式テーブル、収納庫、ルーフベントなどを標準で備える。オプションも豊富で、49Lの冷蔵庫、FFヒーター、100V→12Vコンバーター、各種インバーター、追加型クーラー、電子レンジ、サイドオーニングなどが用意されている。

 展示車両は、オプションとしてフロントサスペンションのスプリングを強化型に、リアサスペンションのショックアブソーバーを減衰力調整式に交換済み。車重が増えたことに対応するのと、乗り心地のよさを確保するための強化だ。標準装備だけの車両価格は401万2900円(税別)だが、複数のオプションの追加により展示車両は511万5330円(税別)。乗車定員は5名、就寝定員は4~5名。

【M・Y・S ミスティックのほかのキャンピングカーはこちら】
●J-キャビン HN:冒険に行ってきます!? 「ジムニー」など4WDクロカン系を集めてみた!【ジャパンキャンピングカーショー2019】(4)
バルテオ:【東京キャンピングカーショー17】居住性・取り回しのよさで時代は「バンコン」か!? 後編
●ミニ ポップ ビー:【東京キャンピングカーショー17】走る箱庭リビング!? 軽キャンパーが超充実!
●レジストロ:【東京キャンピングカーショー17】走る箱庭リビング!? 軽キャンパーが超充実!

「レジストロ:アウル」2018年式の車内。外見同様に、屋内も特徴的な雰囲気となっている。画像左上に見えるのが、運転席上部の張り出し部分のバンクベッド。就寝定員を増やすため、スペースを有効活用すべく考え出された。

ワンランク上のゆったりしたコンパクトキャブコン「フィール(追加仕様)」(オートショップアズマ)

荷台の大きなキャンパーシェル(居住部分)と、運転席の上の張り出したバンクベッドはキャブコンの証。「フィール(追加仕様)」は、取り回しのよさを考慮して「ライトエース トラック」をベースにしたコンパクトなキャブコンだ。

 AZ-MAXのブランド名でキャンピングカーを手がけているオートショップアズマ(埼玉県)は、キャブコン「フィール(追加仕様)」という、マイナーチェンジモデルを出展した。コンセプトとして、夫婦ふたりでの旅だけでなく、夫婦+子どもや孫、夫婦+ペットという組み合わせでの利用も考慮されており、就寝定員は3名(乗車定員は6名)となっている。「ライトエース トラック」がベース車両として選ばれた理由は、居住スペースの広さを確保できるのと同時に、取り回しも考慮したからだ。

 標準装備は16Lずつの給排水タンク、40Lの冷蔵庫、カセット式コンロ、外部電源など。また、余裕を持って電化製品を使用できるようにと、105Ahのサブバッテリーを標準で2個備える。オプションは、FFヒーターや、サブバッテリー充電器、乗り降りを考慮した電動ステップ、アナログボルトメーターなどだ。展示車両はカーゴハッチやFFヒーター、ファンなどを装備し、車両価格494万1000円(税別)。

【オートショップアズマ(AZ-MAX)のほかのキャンピングカーはこちら】
●ラ・クーン:【ジャパンキャンピングカーショー18】大人気の軽キャンパー、その中身に迫ってみた!【前編】

「フィール(追加仕様)」の車内。運転席上のバンクベッドには子どもが寝られるので、大人ふたりと子どもひとりでの旅行も可能。

 日産のライトバン/ミニバン「NV200バネット」をベースとした、ライト・バンコンを紹介するレポート記事第10弾はこちら

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