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Cars

最終更新日:2018.07.24 公開日:2018.07.24

かつて映画やTVで見たあのクルマたちを集めてみた!!

映画やTVドラマ、マンガなどで活躍したクルマやバイクは、その作品の発表から何十年と経っていても熱烈なファンが存在することが少なくない。ここでは、さまざまな展示会やイベントなどで見つけた、そんなファンの熱い思いを結実させた劇中車のレプリカを紹介する。

 映画やTVドラマ、マンガなどに登場したクルマやバイクは、フィクションならではのデザインや、激しいカーアクションなどにより、絶大なインパクトを残していることが多い。

 そうしたクルマやバイクは、映画やTVなどに登場してから何十年と経った今でも熱烈なファンが存在するクルマも少なくないし、劇中車のレプリカ製作に並々ならぬ情熱を注いでいる人たちもいる。ここでは、さまざまな展示会やイベントなどで見つけた、そんなファンの熱い思いが結実した劇中車のレプリカを紹介する。

劇中車レプリカ・インデックス

【映画】
●「ブラック・インターセプター」(マッドマックス)
●「マッハ・ファイブ(マッハ号)」(スピード・レーサー)

【アニメ】
●「ハチロク」(頭文字D)

【TVドラマ】
●「ナイト2000」(ナイトライダー)
●「覆面パトカー」(あぶない刑事)
●「覆面パトカー」(西部警察)

【特撮】
●「サイドマシン」(人造人間キカイダー)
●「マットビハイクル」(帰ってきたウルトラマン)

【コミック】
ロータス「ヨーロッパ SP」(サーキットの狼)

劇中車ベース車両紹介記事リンク

【映画】
デロリアン「DMC-12」(バック・トゥ・ザ・フューチャー「タイムマシン」)
メッサーシュミット「KR175」(未来世紀ブラジル「情報省の公用車」)

【TVドラマ】
日産「スカイライン 2000 ターボRS」(西部警察「マシンRS」)
日産「フェアレディZ S130型」(西部警察「スーパーZ」)

【アニメ】
フィアット「ヌォーヴァ 500D」(ルパン三世「ルパンの愛車」)

【マンガ】
日産「フェアレディZ S30型」(湾岸ミッドナイト「悪魔のZ」)

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まずはバイオレンスカーアクション映画と往年のアニメの実写映画から

「ブラック・インターセプター」(マッドマックス)

映画「マッドマックス」の第1作で、観客に絶大なインパクトを与えた「ブラック・インターセプター」のレプリカ車。ただのレプリカ車ではなく、世界で最も劇中車に近いレプリカ車といわれている。同車のファンは世界中におり、もはや希少になっている40年以上前のベース車両を求め、激しい争奪戦になっている。「お台場旧車天国2017」にて撮影。

 メル・ギブソンの出世作として知られる、1979(昭和54)年公開のジョージ・ミラー監督のバイオレンスカーアクション映画「マッドマックス(1)」。残虐な暴走族に復讐するため、主人公の警官マックスが警察から盗み出したのが、特殊な追跡用パトカーである「ブラック・インターセプター」だ。マックスがこの「ブラック・インターセプター」そのものを武器として、暴走族たちをバイクごと葬り去っていく終盤のアクションシーンが強烈だ。

 ベースとなった車両は、フォード・オーストラリアが独自に開発して生産した「ファルコン」の3代目。劇中車は、その中期型の2ドアハードトップモデル「XB GT」の1973(昭和48)年式をベースとしているといわれる。

 このレプリカ車には簡単には語れないストーリーがあり、詳しくはぜひこちらをこちらの記事をご覧いただきたい。

「マッハ・ファイブ(マッハ号)」(スピード・レーサー)

原作である、往年のタツノコアニメ版を忠実に立体化した造形が見事な「マッハ号(マッハ・ファイブ)」の展示用車両。東京オートサロン2008・オートバックスブースにて撮影。

 1960年代に放映された、カーレースが題材のタツノコアニメ「マッハGoGoGo」。米国でも「Speed Racer(スピード・レーサー)」のタイトルで放映されて人気を博し、2008年にはハリウッドで実写映画化。日本でも「スピード・レーサー」として、同年夏に公開された。

 原作アニメでは、主人公のレーサー三船剛の愛車として活躍した「マッハ号」。ステアリングに備えられた各種ボタンを押すとジャンプしたり、カッター(円形の電動のこぎり)が出てきたりする特殊機能を備えており、剛は激しく妨害してくるライバルたちに対し、ドライビングテクニックと、それらの機能を駆使して競った。

 実車劇場版では、エミール・ハーシュ演じる主人公スピード・レーサーの愛車として活躍。父親が開発した5番目のマッハシリーズのマシンということで、「マッハ・ファイブ」という名称となっている。機能は一部異なるが、各種ボタンを押すとジャンプするなど特殊機能が利用できるところは原作アニメと同じだ。

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中古市場で価格がうなぎ登りの1台

「藤原とうふ店号」(頭文字D・トヨタ「スプリンター トレノ」)

「頭文字D」アニメ新劇場版のオフィシャルカーとして認定された、1983(昭和58)年式のトヨタ「スプリンター トレノ」(オーナーは岡本律哉さん)。単に運転席側のドアに「藤原とうふ店(自家用)」とロゴを入れているだけのレプリカ車もあるが、この1台は車内の再現度なども徹底している。

 全48巻で累計発行部数が4800万部という記録を持つコミック「頭文字D」。主人公の少年・藤原拓海が超絶的なドライビングテクニックでもって、数々のライバルを公道で打ち負かしていく走り屋を題材にした内容だ。拓海の愛車として(当初は父親に借りていて、後に譲ってもらうことになる)活躍したのが「ハチロク」こと、トヨタ「スプリンター トレノ」AE86型である。

 キャストを一新して2014年に公開されたアニメ新劇場版において、オフィシャルカーとして監督からの公認を受けたのが、岡本律哉さんが手がけたレプリカ車。単にドアにロゴがあるレベルではなく、車内外においてありとあらゆる部分を徹底的なまでに原作通りに忠実に再現した1台だ。

 新劇場版オフィシャルカー「ハチロク」の詳細な記事はこちらから。同じAE86の型式を持つ「カローラ レビン」の記事はこちら

「ナイト2000」(ナイトライダー)

海外TVドラマ「ナイトライダー」の主役ともいえるドリームカー「ナイト2000」のレプリカ車。「お台場旧車天国2017」にて撮影。

 1980年代の海外TVドラマで、日本で最もヒットしたとされる「ナイトライダー」。国内の地上波でのレギュラー放送は1987(昭和62)年から始まった。デヴィッド・ハッセルホフが演じた主人公の私立探偵マイケル・ナイトの相棒で、AI「K.I.T.T.(キット)」を搭載したドリームマシンが「ナイト2000」だ。「ナイト2000」の最高速度は時速500kmで、劇中のマイケルの「キットォ! ターボだ!!」でお馴染みのかけ声と共にターボブーストを駆使すると、ジャンプすることができるというスーパーマシンである。

 「ナイト2000」のベース車両は、GMのミドルレンジのブランドであるポンティアックのポニーカー(日本のスペシャリティカーに相当する)である「ファイヤーバード・トランザム」。その3代目の1982(昭和57)年式だ。この年式が選ばれた理由は、劇中でのジャンプシーンの撮影などでクラッシュするであろうことが多いことを予想し(劇中ではマイケルが「おおっとぉっ!」と叫んだだけで無事着地するが)、入手しやすいよう販売台数の多かった年式が選ばれたとされている。

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刑事ドラマから覆面パトカーを3台2車種!

「覆面パトカー」(あぶない刑事)

TVドラマ「あぶない刑事」の劇場版第2作「またまたあぶない刑事」仕様の覆面パトカー。ベースは日産「レパード」の2代目。「お台場旧車天国2017」にて撮影。

 1986(昭和61)年から放映が始まった「あぶない刑事」シリーズは、舘ひろし演じる鷹山敏樹と、柴田恭兵演じる大下勇次というふたりの型破りな刑事とその同僚たちの活躍を描いた刑事ドラマ。従来の刑事ドラマにはなかったライトなテイストで人気を博し、ロングランシリーズとなった。

 「あぶない刑事」シリーズは日産の協力を得て制作されており、覆面パトカーなどが日産車だ。ここで紹介した2台は、1988(昭和63)年公開の劇場版第2作「またまたあぶない刑事」仕様の覆面パトカーで、ベース車両は「レパード」の2代目であるF31型の1988年式(共にグレードは「3.0アルティマ」)。

 決してスポーツカーベースのスーパーパトカーということはなく、リアルな覆面パトカーなので見た目のハデさはないが、劇中で活躍したのを覚えているファンも多いことだろう。

こちらも「レパード」F31型をベースにした、劇場版第2作「またまたあぶない刑事」仕様の覆面パトカー。色はゴールド。「お台場旧車天国2017」にて撮影。

「覆面パトカー」(西部警察)

「西部警察」の覆面パトカーのレプリカ車。ベースは、日産「グロリア 2.0 DX」1974年式。「西部警察」は後半に入ると、渡哲也演じる大門圭介団長の「スーパーZ」、そして大門軍団の部下たち用に「マシンRS」1~3号車が配備され、戦力が拡大するが、初期はこうした覆面パトカーに乗っていた。「お台場旧車天国2017」にて撮影。

 渡哲也扮する大門圭介団長を中心とする大門軍団が活躍するポリスアクションドラマ「西部警察」。パート1~3が、1979(昭和54)年から1984(昭和59)年まで放映された(21世紀に入ってからキャストが大幅に変わった「スペシャル」もある)。同ドラマは銃撃戦や格闘戦と並んでカーアクションに重きを置いており、日産の協力を得て、シリーズ通して4500台を超える車両が撮影で破壊されたことが伝えられている。

 大門軍団に「フェアレディZ S130型」ベースの「スーパーZ」や、「スカイライン ハードトップ 2000 ターボRS」ベースの「マシンRS」1~3号車が配備される前は、団員はみな覆面パトカーに乗っていた。もちろん日産のクルマが使われており、ここで紹介した「グロリア」ベースもそうした1台のレプリカ車だ。年式は1974年式ということで、「グロリア」の4代目となる。

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往年の特撮とコミックから!

「サイドマシン」(人造人間キカイダー)

キカイダーの愛車「サイドマシン」のレプリカ車。水中走行も可能、空気を引き裂いてマッハの速さで突っ走る! 「お台場旧車天国2017」にて撮影。

 原作は石ノ森章太郎、制作は東映という黄金コンビによって生み出され、1970年代特撮TVドラマの傑作のひとつとして数えられる「人造人間キカイダー」(1972~1973年)。

 ロボット工学の権威である光明寺博士によって生み出されたジローは、キカイダーに変身するアンドロイド(人型ロボット)だ。人の心に近い「良心回路」を持つが、それが不完全であるが故に苦悩しつつ、世界征服を企むドクター・ギル率いるダークと戦うという内容である。そんなキカイダーが愛車としているのが、車高が低くヒザを路面にこすりそうにしながら乗るニーラー・タイプのサイドカー付きバイク「サイドマシン」だ。

 劇中車のベース車両は、カワサキ「マッハIII500」をベースとしてバイクのサイドカーレース用に開発された「マッハIII500 GTスペシャルサイドカー」(それを黄色くペイントした)。今回撮影した「サイドマシン」のレプリカ車は、黒澤竜治氏が立ち上げた「サイドマシンプロジェクト」において、フルハンドメイドで製作されたレプリカ車。フルアルミボディ製だそうである。

「マットビハイクル(MAT-1)」(帰ってきたウルトラマン)

シリーズの前2作品、「ウルトラマン」に登場する科学特捜隊の専用車(特に車名はない)と、「ウルトラセブン」に登場するウルトラ警備隊の専用車「ポインター」は、どちらも輸入車をベース車としていた。「帰ってきたウルトラマン」で初めて、国産車がベース車両として選ばれた。それだけ、マツダ「コスモスポーツ」が先進的なデザインだったということだろう。MEGA WEBにて撮影。

 M78星雲・光の国からやって来た、宇宙の平和を守ることを使命とする巨大な宇宙人ウルトラマン。そのシリーズ3作目として1971(昭和46)年から1972(昭和47)年まで放映された「帰ってきたウルトラマン」において、人類が怪獣や宇宙人との防衛戦のために組織したのがMAT(Monster Attack Team)である。

 MATには、ウルトラマン・ジャック(新マン)に変身する主人公の郷秀樹(団次郎)らが所属しており、その専用車両として活躍したのが「マットビハイクル」だ。劇中での性能はあまり公表されていない。なお、ビークルではなくビハイクルなのは、英語のスペルのVehicleをスタッフが読み間違えたため、と伝えられている。

 「マットビハイクル」のベース車両はマツダ「コスモスポーツ」だ。「コスモスポーツ」といえば、マツダが世界で初めて量産化に成功した2ロータリーエンジン「10A」を搭載する、マツダ初の量産ロータリー車で、1967年に登場した。その後期モデルがベース車として使われている。

 コスモスポーツに関する記事はこちら。ロータリーに関するまとめ記事はこちら。連載「ぼくは、車と生きてきた」の「コスモスポーツ」の回はこちら

ロータス「ヨーロッパ SP(吹雪裕矢仕様)」(サーキットの狼)

元祖・走り屋コミック「サーキットの狼」の主人公・吹雪裕矢の愛車ロータス「ヨーロッパSP」を再現した1台。「サーキットの狼」の街道レーサー(当時の走り屋たちのこと)たちは誰も彼もがブルジョワだったようで(実際に主人公の最大のライバルは大手企業の社長の御曹司)、輸入車、それもスーパーカーの乗り手が多数出てきた。今考えると、ムチャクチャな設定のような気もするが、往年の少年ジャンプのマンガらしいといえ、当時の少年たちはその荒唐無稽ぶりに熱狂したのである。MEGA WEBにて撮影。

 1970年代、日本に巻き起こったスーパーカーブーム。その起爆剤となったのが、池沢早人師(当時:池沢さとし)が週刊少年ジャンプで連載したコミック「サーキットの狼」だったといわれている。街道レーサーの吹雪裕矢(ふぶき・ゆうや)が愛車のロータス「ヨーロッパ SP」でライバルたちとしのぎを削り、最終的にはプロとなってF1まで登り詰めるサクセスストーリーだった。

 吹雪裕矢はライバルとのバトルで勝利すると、撃墜マークとして、ボディに勝利を表す★を描いていくことにしており、撮影した「ヨーロッパ SP」もそうしたデザインを再現している。ちなみにこの時の展示パネルによれば、吹雪裕矢の「ヨーロッパ SP」は、性能的には特にチューンナップしていなかったらしい。最高出力は126ps/6500rpm、最大トルクは16.8kg-m/4500rpmとノーマルスペックだったようだ。

 ロータス「ヨーロッパ」の記事はこちら。連載「ぼくは、車と生きてきた」のロータス「ヨーロッパ」の回はこちら

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