東京~群馬を結ぶ約110kmのバイパス! 最後の未開通部「上尾道路」Ⅱ期が整備中。国道17号の渋滞緩和へ【いま気になる道路計画】
埼玉県のさいたま市から鴻巣市を結ぶ「上尾道路」の整備が進んでいる。国道17号のバイパスとして期待される同道路では現在、Ⅱ期区間で用地取得や工事が行われている。上尾道路Ⅱ期区間の計画内容や整備効果、工事の進捗を見ていこう。
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国道17号のバイパス「上尾道路(Ⅱ期)」が整備中!
上尾道路(Ⅱ期)平面図
上尾道路は、さいたま市西区宮前町の国道16号・国道17号「新大宮バイパス 宮前IC」から、鴻巣市箕田の国道17号「熊谷バイパス」までを結ぶ、延長20.1kmの国道17号のバイパス道路である。途中で首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の「桶川北本IC」と接続し、新たな南北軸を形成する。
事業区間はⅠ期とⅡ期に分かれる。Ⅰ期区間は、さいたま市西区宮前町から桶川市川田谷までの延長11.0kmで、一部に暫定2車線区間が残るものの、2016年4月までに全線が開通した。
Ⅱ期区間は、北本市石戸宿から鴻巣市箕田までの延長9.1km。中央部に4車線の本線を配置し、その両側に環境施設帯を設ける構造となる予定だ。環境施設帯には、植樹帯や副道、自転車歩行者道などが整備される。工事には着手しているが、現時点で開通済みの区間はない。
このほか国道17号では、東京都内から群馬県方面に向けて、新大宮バイパス、上尾道路、熊谷バイパス、深谷バイパス、上武道路などが整備されている。これらが連続することで、東京から群馬まで約110kmにわたるバイパスネットワークが形成される。上尾道路はその中で新大宮バイパスと熊谷バイパスをつなぐ役割を担う。
国道17号の渋滞緩和と圏央道へのアクセスが向上
上尾道路による物資輸送等の広域連携の向上
国道17号の現道は、JR高崎線と並行しながら、さいたま市、上尾市、桶川市、北本市、鴻巣市の市街地を通過する。沿線には交差点や沿道施設が多く、交通の集中による渋滞が課題となっている。上尾道路が整備されれば、現道を走る交通の一部が新たな道路へ転換し、国道17号現道の混雑緩和や交通事故の減少が期待される。
現在事業中の上尾道路(Ⅱ期)では、鴻巣市や熊谷市方面から「圏央道 桶川北本IC」へのアクセスが強化される。国道17号や熊谷バイパス、上尾道路、圏央道がつながることで、埼玉県央部から北部にかけての移動時間短縮や道路ネットワークの拡充が見込まれる。
2023年度に行われたⅡ期区間の個別評価では、走行時間短縮便益、走行経費減少便益、交通事故減少便益を合わせた総便益が約1057億円、建設費と維持管理費を合わせた総費用が約644億円と算定された。費用便益比は1.6で、費用を上回る便益が試算されている。
用地取得率は約28%。箕田地区で改良工事を実施中
上尾道路の整備の進捗
上尾道路(Ⅱ期)は、2015年度に用地買収へ着手し、2019年度から鴻巣市箕田地区で工事が始まった。2023年3月末時点の用地取得率は約28%で、2020年度の約9%から19ポイント上昇している。
鴻巣市箕田地区では、上尾道路の工事に伴う周辺道路の切り替えも進められている。2026年4月6日には、既存市道の通行止めに伴い、新設道路への通行切り替えが実施された。新設道路には歩道が設置されており、上尾道路本体の整備に先行して、周辺道路の付け替えが進んでいる。
また、国交省が2026年7月1日に公表した発注見通しには、Ⅱ期区間に関係する2件の改良工事が盛り込まれた。大間地区では地盤改良やプレキャストカルバートの設置、箕田地区では盛土、擁壁、路盤、舗装などを進める計画で、いずれも工期は約15か月とされている。ただし、発注見通しは公表時点の予定であり、工事内容や時期が変更される場合がある。
Ⅱ期区間全体の開通時期は公表されていないが、地元自治体は事業促進を求めている。埼玉県やさいたま市、沿線自治体の市長・議長などで構成する上尾道路建設促進期成同盟会は、2025年度も国土交通省や財務省、関東地方整備局などへ要望書を提出した。要望事項には、Ⅱ期区間9.1kmの早期供用に向けて用地買収と工事を速やかに進めることや、必要な道路整備予算を確保することが盛り込まれている。
このように、国道17号の混雑緩和や圏央道へのアクセス強化を担う重要な道路「上尾道路」の整備は、Ⅱ期区間で着実に進められている。今後、用地取得と工事がどこまで進み、いつ供用されるのか。その動向に引き続き注目していきたい。
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