石垣空港~市街地を最短直結!「石垣空港線」はどこまで進んだ? 日本最南端の県道バイパス、第2工区も延伸開通 【いま気になる道路計画】
沖縄県・石垣島では、石垣空港と中心市街地を最短ルートで結ぶ県道バイパス「石垣空港線」の整備が進められている。慢性的な渋滞の緩和や災害時の代替ルートとして期待されている。同路線の概要や整備効果、現在の進捗状況を見ていこう。
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日本最南端の市で「空港アクセス新ルート」が建設中
「石垣空港線」の概要
日本最南端の市である沖縄県石垣市を抱える石垣島は、人口が現在も増加を続け、5万人に迫る勢いだ。国内外から多くの観光客が訪れるリゾート地であるとともに、西表島や竹富島、与那国島など八重山諸島への玄関口にもなっている。
島の空の玄関口である石垣空港は東部に位置し、南部の中心市街地までは国道390号経由で約15km。一般路線バスでは約40分の道のりだ。
この区間では、日本最南端のマクドナルドやドン・キホーテが立地する真栄里・大浜地区を中心に、生活交通と観光交通が集中して渋滞が慢性化。国道390号は通行速度が低下し、定時性の確保が課題となっている。また、大雨時には冠水で通行不能となることがあるものの、代替ルートがなく、緊急輸送への影響も懸念されている。
こうした課題を解消するため、石垣空港と中心市街地を最短ルートで結ぶ県道バイパス「石垣空港線」の整備が進められている。空港アクセスの時間短縮に加え、災害時の輸送機能強化も期待される。
「石垣空港線」で空港まで16分の時間短縮
石垣空港と中心街を直結するバイパス事業「石垣空港線」
石垣空港線の計画延長は8.9km。空港ターミナルから南西へ延び、石垣市役所や八重山病院付近を経て、平得交差点で国道390号石垣バイパスに直結する計画だ。空港~大浜間は2車線、大浜~市街地間は将来的に4車線で整備される。
全線開通すれば、石垣空港から中心市街地までの所要時間は39分から23分へ約16分短縮される見込みだ。2022年の事業評価では費用便益比が3.3と算出されており、高い整備効果が期待されている。
また、石垣空港線は日本のバイパス道路としては石垣バイパスに次いで2番目に緯度が低く、県道バイパスとしては日本最南端となる。
事業化は2009年。石垣空港の島東部移転が事業化された4年後にスタートした。2026年で事業化から18年目、新石垣空港の開港から14年目を迎えている。
2024年に延伸開通。現在の状況は
工事が進む石垣空港線
石垣空港線の進捗状況を見ていこう。
2024年に第2工区が開通し、空港側から約3.5kmが完成した。これにより、白保地区の迂回区間をショートカットできるようになっている。
一方、市街地側では2018年に旧空港北側の約1.8kmが暫定開通した。石垣市役所の移転に合わせて先行整備された区間だ。
残る未開通区間は約3.6km。現地では川を渡る「高山橋」の橋脚が立ち並ぶなど工事は進んでいるものの、開通時期は依然として見通せていない。沖縄県は当初示していた「2027年度」「2020年代後半」といった目標から、「明確に示すことが難しい状況」と説明している。
最大の課題だった用地取得は、土地収用法の適用により2025年度までにほぼ完了した。しかし現在のネックとなっているのが、高山橋の橋桁工事だ。
事業は「沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)」を活用して進められているが、制度上の制約から橋全体を一括発注できず、補正予算が確保できても複数工事に分割せざるを得ないという。県も議会で「この橋梁が何年かかるかは現時点では申し上げられない」と答弁しており、完成時期は不透明なままだ。
一方で県は、国への予算確保に向けた働きかけを強化している。「沖縄振興予算増額確保に向けた取組」では、石垣空港線を予算減額の影響事例として取り上げ、事業継続の必要性を訴えている。2025年度には10年ぶりとなるハード交付金の増額が実現し、県全体のハード交付金予算として約380億円が計上された。
石垣空港線は、沖縄県の離島で進む唯一の大規模バイパス事業だ。開通までには橋梁の整備を着実に進めることと、そのための安定した予算確保が欠かせない。空港と市街地を結ぶ新ルートの全線開通がいつ実現するのか、引き続き注目される。
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