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公開日:2026.07.28

松本~新潟を最短直結!「松本糸魚川連絡道路」計画が進行中。大町・白馬の大渋滞を変える「信号ゼロ」バイパスも事業化へ【いま気になる道路計画】

2022年に事業化された「安曇野道路」のイメージ図

長野県松本市~新潟県糸魚川市を結ぶ「松本糸魚川連絡道路」の計画が進められている。長野県北西部の大町・白馬エリアの交通混雑や、日本海側へのアクセス向上を目的とする同道路の概要やメリット、現状の進捗を整理していこう。

2022年に事業化された「安曇野道路」のイメージ図

文=鳥羽しめじ

資料=国土交通省、長野県、新潟県

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「道路空白地帯」大町・白馬エリアにバイパス計画中

松本糸魚川連絡道路の概要

松本糸魚川連絡道路の概要

長野県の松本市から大町市、白馬村を経て新潟県糸魚川市へ至るルートは、観光や物流を支える重要な広域交通軸だ。

しかし、高速道路は松本市から長野市方面へ向かうため、大町・白馬方面へのアクセスは国道147号・148号が担っている。その機能強化を目的に計画されているのが、地域高規格道路「松本糸魚川連絡道路」である。

松本糸魚川連絡道路の整備効果

松本糸魚川連絡道路の整備効果

白馬エリアはスキーやトレッキングを中心に、古くから人気の観光地だ。近年はインバウンド需要の高まりを受け、年間の訪問者数は300万人に達しようとしている。

一方、松本方面からのアクセスは国道147号・148号が中心で、訪問者にとって移動時間の長さが課題となっている。ネット上でも「良いスキー場はたくさんあるけど、とにかく行きにくい」「東京からだと車で5時間弱かかる」といった声が見られる。

また、大町市は日本有数の観光周遊ルート「立山黒部アルペンルート」の東側玄関口であり、年間80万人を超える観光客が訪れる。2026年10月には新ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」が本格始動する予定で、さらなる観光需要の拡大も期待されている。

しかし、大町・白馬エリアは白馬~糸魚川間に長い県境山岳区間を抱えるため、観光ルートが行き止まりになりやすい。長野県側と北陸側を周遊するツアーを組みにくく、「長野は長野」「北陸は北陸」と分断される実情がある。

こうした課題の解決を担うのが、地域高規格道路「松本糸魚川連絡道路」だ。全線開通すれば、松本~糸魚川間は約40分短縮されると試算されており、北陸方面へのアクセス向上が期待される。さらに、救急医療や災害時の輸送機能の強化に加え、沿線が「IC15分圏内」となることで企業立地の促進も見込まれている。

まもなく事業化?大町市街のバイパス計画どうなる

松本糸魚川連絡道路の区間ごとの事業概要

松本糸魚川連絡道路の区間ごとの事業概要

さて、松本糸魚川連絡道路は机上の空論ではなく、すでに複数の区間で事業や計画が進んでいる。ここからは、松本側から順に各区間の現状を整理していこう。

●安曇野道路【事業中】
2022年に事業化された区間だ。長野道に「安曇野北IC(仮称)」を新設し、そこから分岐。犀川・高瀬川合流部付近で西岸へ渡り、「安曇橋」へ至る計画となっている。

一方、安曇橋から大町市街までは堤防道路が信号の少ないルートとして機能していることから、当面は現道を活用し、部分的な改良にとどめる方針だ。

●大町市街区間【事業化準備中】
2024年にルート帯が決定し、現在は事業化に向けた都市計画決定の手続きが進められている。

計画では、高瀬川東岸へ渡り、大町市役所付近を経由して「木崎湖」までほぼ最短ルートで北上する。市街地を信号なしで通過できる計画とし、国道147号交差点、市役所前、県道扇沢大町線(黒部ダム方面)、信濃木崎駅付近の4か所にICを設ける計画だ。

なかでも県道扇沢大町線とのICは、黒部ダム方面への玄関口として重要な拠点となる見込みだ。周辺では道の駅の整備構想もあり、大町市が進める立地適正化計画とも連携したまちづくりが期待されている。

●白馬村市街区間【未着手】
木崎湖・青木湖を過ぎると、白馬村内をバイパスで通過する構想となっている。村中心部は大型車の通行も多く、交通量は1日約9800台に上る。観光シーズンにはさらに約1.5倍まで増加し、慢性的な渋滞が発生している。

村はバイパス整備を強く求めているものの、県は「まず大町市街区間のルート選定を優先する」としており、白馬村区間はルート選定に着手していない。大町市街区間の見通しが立った後、本格的な検討が始まる見込みだ。

新潟県側では工事が進行中

松糸・今井道路の工事状況

松糸・今井道路の工事状況

●小谷村市街区間【未着手】
小谷村市街区間は、バイパス整備を含めた検討対象となっているが、現時点では具体的な動きはない。

一方、2025年11月には南小谷駅周辺を約2kmにわたってバイパスする「雨中・月岡バイパス」が開通し、糸魚川方面への所要時間短縮が図られた。

さらに北側では、中土・平倉・外沢トンネルや、塩坂・湯原・大所・山の坊トンネル、長大ロックシェッドなどが整備され、険しい地形を克服してきた。しかし、高規格道路ネットワークの整備が進めば、これらの区間も将来的には再編の対象となる可能性がある。

●平岩~小滝区間【検討中】
新潟県側では、「平岩~小滝」の整備方針を検討中だ。最初の約3kmは現道を活用し、その先の約6kmは長大トンネル案と、トンネル・橋梁を組み合わせた案の比較が進められている。

地元では長大トンネルを望む声もあるが、トンネル延長が5kmを超えると危険物積載車両の通行に制限が生じるため、ルート選定は慎重に進められている。

●松糸・今井道路【事業中】
2017年にルート帯が決定し、小滝から約4kmは現道を活用、その先の北陸道まで約7km(うち約5kmはバイパス)を整備する方針となった。バイパスは姫川西岸を通る計画だ。

2019年には「松糸・今井道路」として事業化され、2026年5月には車線切り替えが実施されるなど、工事は着実に進んでいる。


このように、松本糸魚川連絡道路では、長野道と接続する安曇野道路、大町市街区間、そして糸魚川側の「松糸・今井道路」を中心に事業が進んでいる。一方で、白馬村や小谷村など県境部では、今後のルート検討が大きな焦点となる。計画全体の実現に向け、今後の動向に注目したい。

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