福井~中津川を結ぶ! 岐阜の新東西軸「濃飛横断道」はどこまでできた?「堀越峠道路」は事業継続へ。リニア駅付近で高架工事中【いま気になる道路計画】
岐阜県の中央部を東西に結ぶ「濃飛横断自動車道」の整備が進められている。その一部を構成する国道256号「堀越峠道路」の事業方針が示された。同道の概要や整備効果、進捗状況を見ていこう。
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岐阜中央部の東西軸「濃飛横断自動車道」とは?
濃飛横断自動車道の全体図
「濃飛横断自動車道」は、岐阜県郡上市を起点に、下呂市などを経由して中津川市へ至る延長約80km、2車線で整備が計画されている地域高規格道路だ。山間部を通る既存道路の課題を補い、東西方向の交通ネットワークを強化することを目的に整備が進められている。
岐阜県の内陸部を東西に結び、東海北陸自動車道や中央自動車道といった広域道路ネットワークと接続する。さらに、中部縦貫自動車道などを介して、将来的には福井~中津川間を高速道路ネットワークで結ぶルートの形成が期待されている。
濃飛横断道は、全線を一度に整備するのではなく、段階的に進められているため、開通済み区間、事業中区間、調査中区間が混在する状況にある。
郡上市エリアでは、「堀越峠道路」延長約5.9kmと「和良工区」延長約4.0kmが事業中で、そのほかの区間は調査中となっている。下呂市エリアでは、「和良IC~下呂IC」の延長約8.1kmが開通済みで、それ以外は調査中だ。中津川市エリアでは、中央道との接続部から延長約5.0kmの「中津川工区」が事業中で、その他の区間は調査中である。
全体で見ると、計画延長約80kmのうち、開通済みは約8.1km、事業中は約14.9km、調査中は約57kmとなっており、現在も多くの区間で調査や計画の検討が進められている。
濃飛横断道の開通メリットは?
和良地区は、堀越峠の通行止めにより孤立するリスクがある
濃飛横断道の整備による最大の効果は、岐阜県内陸部の東西交通軸が強化される点にある。郡上市、下呂市、中津川市はいずれも観光や地域産業の拠点となっている一方、山間部を通る既存道路は悪天候や落石などによる交通規制が発生しやすく、安定した移動の確保が課題となっている。東海北陸道と中央道を結ぶことで、地域間の移動の信頼性向上や広域的な連携強化が期待されている。
また、観光面では郡上・下呂・中津川を結ぶ周遊ルートの強化も期待される。中津川市ではリニア中央新幹線岐阜県駅(仮称)の整備が進められており、県内観光の活性化への期待が高まっている。一方で、郡上市、下呂市、中津川市には多くの観光資源があるものの、それらを結ぶ道路ネットワークは十分とはいえない。リニア開業による効果を県内各地へ波及させるためにも、濃飛横断道による東西方向の交通ネットワーク強化が重要な役割を担うと考えられている。
続いて、区間ごとの整備効果を見ていこう。
郡上市エリアで整備が進む「堀越峠道路」では、交通の信頼性向上が大きなメリットとして挙げられる。現道の堀越峠が通行止めになった場合、郡上市東部の和良地区では約874世帯が孤立するリスクを抱えている。実際、2013年から2021年までの間には、年平均約8回の通行止めが発生しており、代替ルートの確保が課題となっている。濃飛横断道の整備により、交通の難所である堀越峠を回避する安定性の高い道路ネットワークの形成が期待されている。
一方、中津川市側で整備が進む「中津川工区」では、市街地交通の分散が期待される。現道の国道257号は中津川市街地を通過しており、中津川IC周辺などでは通勤時間帯を中心に慢性的な渋滞が発生している。濃飛横断道は市街地を迂回するルートで計画されているため、通過交通を市街地の外へ誘導するとともに、市街地へ流入する交通の分散による渋滞緩和効果も期待されている。
濃飛横断道の一部「堀越峠道路」は事業継続へ!
濃飛横断自動車道(中津川工区)の状況。
濃飛横断道の気になる進捗だが、現在は「和良IC~下呂IC」が開通済みとなっており、郡上市側の「和良工区」、中津川市側の「中津川工区」、そして「堀越峠道路」で事業が進められている。
直近の動きとして注目されるのが、「堀越峠道路」の再評価だ。2025年12月11日に開催された国土交通省中部地方整備局の事業評価監視委員会では、現道・堀越峠区間が抱える課題と堀越峠道路の整備状況について説明が行われた。
堀越峠道路は2023年度に事業化されたものの、2024年度末時点の用地取得率は0%、事業進捗率は約1%と大きな進展は見られない。現在は測量や地質調査が進められており、委員会でも事業継続の方針が示された。今後は早期の工事着手に向け、調査・設計が進められる予定だ。
なお、堀越峠道路の全体事業費は、前回評価時から58億円増額された448億円となった。物価上昇に伴う資機材価格や労務単価の上昇が、その主な要因とされている。
「和良工区」では、2025年1月に「道路計画案説明会」が開催され、道路計画案が公表された。ただし、本格的な工事着手については公表されておらず、現時点では道路計画・用地調査の段階となっている。
「中津川工区」では、リニア中央新幹線岐阜県駅(仮称)と交差する高架橋の橋梁工事や、「市道坂本58号線〜中央道」において用地取得が進められている。岐阜県の資料によると、リニア開業までの開通を目指すとされている。
なお、現時点ではこれら3工区の具体的な開通時期は公表されていない。
濃飛横断道は、岐阜県中央部の東西交通を支える重要な道路として期待されている。今後も各区間の整備状況や事業の進捗に注目していきたい。
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