日光~小山を直結! 約60kmの新バイパス「栃木西部都市連絡道路」が整備進行中。新工区も延伸開通、壮大な計画の現状は【いま気になる道路計画】
栃木県を南北に貫く、延長約60kmの一般広域道路「栃木西部都市連絡道路」の整備が順次進められている。日光市から栃木市を経て小山市までを結ぶ道路計画について、概要と整備状況を見ていこう。
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栃木県の南北を結ぶ「栃木西部都市連絡道路」
栃木西部都市連絡道路の概要
栃木県の交通の結節点となっているのが栃木市だ。人口は県内3位の約15万人。県内に広がる平野部において、日光方面や小山方面などを結ぶ交通の要衝となっている。
しかし、栃木エリアには南北方向の主軸となる幹線道路が乏しく、中長距離の移動でも市街地の道路をつなぎながら走行する必要がある。そのため中心市街地では慢性的な渋滞が発生しており、栃木駅前と市街地を結ぶ「蔵の街大通り」では、観光交通も重なって主要渋滞箇所である「大町」「万町交番前」「倭町」が3か所連続している。
こうした中心市街地への交通集中を緩和するため、郊外にバイパスとなる一般広域道路「栃木西部都市連絡道路」の整備が進められている。
2021年に一部開通した楡木バイパス
栃木西部都市連絡道路は、日光~鹿沼~栃木~小山を一本の幹線道路で結ぶことをコンセプトとした道路計画だ。この構想のもと、各地でバイパス整備事業が進められている。
栃木県を南北に貫く壮大なプロジェクトで、関連事業として最南端の野木エリアから古河方面へつながるバイパス計画も位置付けられている。
現時点では開通済み区間はまだ少なく、整備は現在進行形で進められている。
日光・鹿沼エリアで着々とバイパスが延伸中
2015年に全通した鹿沼南バイパス
全体像は非常に広範囲に及ぶため、ここからは工区ごとに整備状況を見ていこう。なお、●(黒丸)が本事業、○(白丸)が関連事業を示している。
●板橋バイパス【開通済み】延長約4.8km
2013年に暫定2車線で全線開通した区間。かつて日光から南下する国道121号は、「日光例幣使街道」に沿う狭隘な生活道路しかなく、沿道の伝統的な杉並木を保全するため、拡幅ではなく新たなバイパスが整備された。2011年に開通した「日光宇都宮道路 土沢IC」へのアクセス道路としても機能しており、将来の4車線化を見据えた幅員が確保されている。
●文挾(ふばさみ)バイパス【事業中】延長約7.4km
杉並木が続く区間を西側へ大きく迂回するバイパス事業だ。北側約3.5km区間は2018年に事業着手し、2024年12月時点の用地取得率は50%。現地では土工やボックスカルバートの設置などが進められている。南側区間についても、事業化に向けたルート検討が進んでいる。
●楡木(にれぎ)バイパス【一部開通済み】延長約4.6km
鹿沼市街地の南側を起点に、黒川東岸の非住宅地帯を直線的に結ぶバイパスだ。2021年には北側の第1期区間延長約2.3kmが先行開通し、同時開通した市道を介して県道鹿沼環状線(さつき大通り)に接続した。
続く第2期区間では、南側の延長約1.2kmを優先して整備が進められており、2025年3月時点の用地取得率は約9割。最大のポイントとなる東北自動車道との立体交差部は、現在設計段階にある。
●鹿沼南バイパス【開通済み】延長約4.9km
2015年に暫定2車線で全線開通した。思川を渡る南側工区は先行して整備が進められ、2000年に4車線で開通している。
●金井家中バイパス【開通済み】延長約4.7km
鹿沼南バイパスと同時期に整備された区間だ。2000年開設の「北関東自動車道 都賀IC」へのアクセス道路としての役割を担っており、4車線で整備済み。開通から四半世紀を迎えた、栃木西部都市連絡道路を構成する古参区間の一つとなっている。
栃木・小山エリアでも次々と事業が前進。次の動きは?
2019年に開通した合戦場工区
●合戦場工区・平柳工区・大宮町工区【開通済み】延長約5.8km
合戦場工区、平柳工区、大宮町工区は、それぞれ2019年、2016年、2025年に開通した。合戦場工区は4車線、平柳工区は暫定2車線で整備され、東武宇都宮線との踏切が立体交差化されたことで、ラッシュ時の激しい渋滞の緩和に貢献している。
開通間もない大宮町工区も暫定2車線で整備され、新栃木駅東側をバイパスする位置にある。延伸を続ける栃木西部都市連絡道路において、まさに現在の最前線と言えるだろう。
●今泉町工区【事業中】延長約3.7km
2022年に事業化された工区で、JR両毛線をまたいで県道栃木小山線の南側へ至る計画だ。現在は設計や用地取得が進められており、まず南側約1.2kmが先行整備される予定となっている。
○卒島工区【事業中】延長約3.5km
小山市内へ入り、南東方向へ進んで小山市街を目指す区間。2024年6月時点の用地取得率は99%に達しており、現時点では2026年度の開通予定となっている。舗装工事も進んでおり、開通に向けた準備が着実に進んでいる。
卒島工区の先では現道の4車線化が進められ、すでに小山駅手前まで整備が完了している。
●間中工区【開通済み】延長約1.7km
JR両毛線から約6km南に位置する区間で、「小山環状線」の一環として先行整備された。渋滞しやすい国道4号の代替ルートとして、国道50号と間々田方面を結んでいる。
●粟宮アンダー【事業中】延長約0.8km
国道4号を越えた先で、JR宇都宮線の下をアンダーパスでくぐる区間だ。現在は設計段階にあり、着工後はJRとの綿密な調整を行いながら工事が進められることになる。
●大谷バイパス【検討中】延長約3km
さらに東へ進み、国道4号古河小山バイパス(新4号)へ接続する栃木西部都市連絡道路の最後の工区だ。現時点では未事業化だが、栃木県は2023年に小山市と「道路網研究会」を設立し、連携して整備方針の検討を進めている。
このように、栃木西部都市連絡道路の整備プロジェクトは、県内各地で同時並行的に進められている。現時点で計画の空白区間は、「文挾~鹿沼環状線」の約6kmと、「今泉町~間中」の約6kmのみとなっている。
果たして、栃木県を南北に貫く幹線道路はいつ全線開通するのか。今後の事業の進展にも注目していきたい。
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