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道路・交通最終更新日:2024.03.08 公開日:2024.03.08

西武新宿線で19か所の踏切を撤去! 井荻駅-西武柳沢間の高架化でクルマもスイスイか?

東京都建設局は、西武新宿線 井荻駅から西武柳沢駅までの区間を連続立体交差化すると発表した。高架化して19か所の踏切を一挙に取り除く。渋滞の緩和でクルマもスイスイ、踏切事故の防止にも期待できそうだ。

文=宮本 菜々(KURU KURA編集部)

資料=東京都建設局

進んでるところも進んでないところも……連続立体交差事業

踏切では渋滞や事故が発生しやすい。(画像:(c) Paylessimages - stock.adobe.com)

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首都圏をはじめとした都市部の鉄道で推進されてきた「連続立体交差化事業」。路線を高架化・地下化して、地上の路線や踏切を取り払うことで、踏切部の渋滞や事故を解消するだけでなく、線路に分断された市街地を一体化することで地域の活性化にもつながるとされる。

連続立体交差事業のイメージ。(画像:国土交通省)

連続立体交差事業そのものは、昭和43年度に制度を創設しており、以来、全国で事業を実施し、およそ1700か所の踏切を撤去してきた。一方で、路線によってはまだ事業化に至っておらず、慢性的な渋滞や踏切事故が残っている沿線もある。

そして新たに、西武新宿線の連続立体交差の事業化が開始されると、東京都建設局が発表した。

西武新宿線の踏切だらけの区間を高架化でスイスイ

高架をスイスイと走る電車。京浜急行での例。(画像:(c) matsuba teruhiko - stock.adobe.com)

2024年3月6日、東京都建設局は、西武新宿線の連続立体交差事業に着手することを発表した。区間は井荻駅(杉並区上井草一丁目)~西武柳沢駅(西東京市東伏見一丁目)の延長約5.1kmの区間である。

この周辺を走ることの多いドライバーには朗報だろう。

西武新宿線。高架化する区間は電車で10分ほど。踏切が多い。(画像:西武鉄道の資料を元に作成)

井荻駅と西武柳沢駅の間には駅が4つある。踏切は19か所。特に、上石神井駅から東伏見駅までの区間に集中している。今回の事業では、井荻駅から西武柳沢駅までを高架化して、鉄道の路線と道路を完全に分離して踏切を一挙に取り払うことになる。

さらに側道を整備して、周辺の住環境を良好にし、利便性を高めるとしている。

事業期間は令和5年度~令和19年度、鉄道付属街路整備は令和21年度まで。完成まで20年を要する大事業だ。

西武新宿線の連続立体交差の事業化した区間。(画像:東京都建設局)

東京都建設局によると、西武新宿線 井荻駅~西武柳沢間の連続立体交差事業の費用負担は、行政側(自治体など)と西武鉄道側で、それぞれ定められた費用を負担するという。なお、連続立体交差事業では、費用負担の割合は地域ごとに定められている。行政側(東京都建設局は行政側に含まれる)と西武鉄道側は、大規模な連続立体交差事業の完成に向け、足並みを揃えて取り組んでいる。

事業化された区間の各駅も高架駅となる。(画像:東京都建設局)

ちなみに、過去には西武池袋線 練馬高野台駅-大泉学園駅間でも、連続立体交差事業を実施している。このときの事業では、約2.4kmの区間を高架化し、既存の9か所の踏切を一挙に撤去した。

西武池袋線の連続立体交差事業の整備効果。(画像:国土交通省)

踏切で渋滞していたクルマの流れも改善し、現在は快適な道路になっている。西武新宿線についても、年月は要するものの、大いに期待して完成を待ちたい。

【事業概要】

路線名:都市高速鉄道西武鉄道新宿線
施行箇所:杉並区上井草一丁目~西東京市東伏見一丁目
延長:5125m
事業期間:令和5年度~令和19年度(鉄道付属街路整備は令和21年度まで)

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