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公開日:2026.06.16

なぜトヨタはル・マンで勝てた? 小林可夢偉組の7号車が優勝! 平川亮組の8号車も3位獲得。喜びのコメントともに振り返る

第94回ル・マン24時間レース|94th 24 Hours of Le Mans

6月13〜14日にフランス・サルトサーキットを舞台に開催された2026年FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦となる第94回ル・マン24時間レースにおいて、トヨタレーシングの7号車が総合優勝を果たした。

第94回ル・マン24時間レース|94th 24 Hours of Le Mans

文=細田 靖

写真=トヨタ

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トヨタ、4年ぶり6度目のル・マン24時間制覇

35万105人の観衆が見守るなか、今年のル・マンは近年でも屈指の接戦、さらには先の読めない展開となり、ハイパーカークラスによる熱い戦いが繰り広げられた。その中でトヨタレーシングは伝統あるフランスでの一戦で通算6勝目を挙げた。

マイク・コンウェイ選手、小林可夢偉選手、ニック・デ・フリース選手がドライブする TR010 HYBRID 7号車は、24時間にわたる一瞬の気も抜けない戦いの末、381周を走りきり、2位に10.913秒差で勝利を手にした。コンウェイ選手と小林選手にとっては2021年以来2度目の優勝となり、デ・フリース選手にとっては初めての総合優勝となった。

一方、セバスチャン・ブエミ選手、ブレンドン・ハートレー選手、平川亮選手のドライブするTR010 HYBRID 8号車も健闘し、首位と20.417秒差の3位で表彰台を獲得。トヨタレーシングにとって記憶に残るレースを締め括った。

第94回ル・マン24時間レース|94th 24 Hours of Le Mans

第94回ル・マン24時間レース|94th 24 Hours of Le Mans

ハイパーポールで期待どおりの結果を得られず、後方グリッドからのスタートとなった両車だったが、レース開始直後から積極的な戦略を展開。トラフィックを避けるために早めのピットインを行い、クリアなコースを活かして順位を挽回していった。

レース序盤の戦いを経て、両車は早くもトップ6争いに加わる。卓越したペースを発揮してファステストラップを更新し合う一方で、いくつかのアクシデントがその快進撃を妨げた。

7号車は序盤にスローパンクチャー(徐々にタイヤの空気が抜ける不具合)に見舞われ、厳しい戦いを強いられた。しかし、特に朝方にかけての安定したハイペースな追い上げにより、残り6時間の時点で表彰台圏内へと浮上。

第94回ル・マン24時間レース|94th 24 Hours of Le Mans

第94回ル・マン24時間レース|94th 24 Hours of Le Mans

一方の8号車は、給油戦略の違いを活かしてレース序盤をリード。しかし9時間経過時のコースオフ、中盤でのドライブスルーペナルティ、その後のブレーキドラムの修復作業と不運が重なり、こちらも厳しい戦いを強いられた。

それでも、レース残り6時間を切ったタイミングでセーフティカー導入により、レースは仕切り直しに。この再スタート後、トップ争いは4台による接戦となり、両車はさらに力強さを発揮。残り3時間、ハートレー選手とデ・フリース選手の果敢なオーバーテイクにより、トヨタレーシングはワン・ツー体制を築いた。

レース終盤、7号車は首位でギャップを築いたものの、各チームの燃料およびタイヤ戦略の違いにより順位は変動。8号車は2位争いを粘り強く戦ったが、最終スティントでタイヤ交換を余儀なくされ3位へ。小林選手は午後の暑さのなかでも冷静な走りをキープし続け、7号車をチェッカーフラッグへと導き、その直後に8号車のブエミ選手が続いた。

ル・マンでの2台による表彰台獲得により、トヨタレーシングはマニュファクチャラーズランキングで36ポイントのリードへ拡大。また、7号車のドライバーはドライバーズランキングの首位に立った。今回表彰台に立ったトヨタレーシングのドライバー6名のコメントは下記のとおり。なお、次戦は4週間後、7月12日(日)にブラジル・インテルラゴスで開催されるサンパウロ6時間レースだ。

第94回ル・マン24時間レース|94th 24 Hours of Le Mans

第94回ル・マン24時間レース|94th 24 Hours of Le Mans

小林可夢偉選手チーム代表兼ドライバー/7号車)
「とても厳しいレースでしたが、最後まで決して諦めませんでした。7号車はこれまでル・マンで2位が続いていましたが、ようやく2度目の優勝を手にすることができました。この勝利を長く待ち続けてきただけに、本当に特別な気持ちです。レースウィーク全体を通して決して楽ではなく、決勝でも苦しい展開が続きました。序盤のスローパンクチャーもあり厳しい状況でしたが、マイク、ニック、そしてエンジニアやピットクルーが素晴らしい仕事をしてくれました。忘れられない一日になりましたし、この特別な舞台を支えてくださったすべてのファンの皆さんに感謝しています」

マイク・コンウェイ選手(ドライバー/7号車)
「非常に激しいレースでした。予選順位から巻き返せる手応えはありましたが、どこまで順位を上げられるか、そしてどれほど接戦になるかは予想できませんでした。順位が目まぐるしく入れ替わる展開で、勝機を感じられたのは終盤に入ってからでした。チーム全員が素晴らしい仕事を成し遂げてくれたと思います。可夢偉とニックは本当に速く、勝負どころでトップ争いに押し上げてくれましたし、ピットクルーもミスのない完璧な対応でした。ケルン、東富士、そしてトヨタ全体で支えてくれたすべての方々に感謝しています。この勝利は私にとって本当に特別なものです」

ニック・デ・フリース選手(ドライバー/7号車)
「ル・マン24時間レースで優勝できたことを、心からうれしく思っていますし、大きな安堵とともに感謝の気持ちでいっぱいです。ル・マンでの優勝は初めてなので、なおさら特別です。レースウィーク、そして決勝を通して長く厳しい戦いが続きました。さまざまな課題やトラブルがあり、正直なところ勝利争いから遠ざかったと感じる場面もありました。それでも最後まで諦めなかったことが結果につながりました。チームがこの大きな成果を成し遂げるために積み重ねてきた努力に、心から感謝しています」

セバスチャン・ブエミ選手(ドライバー/8号車)
「信じられないようなレースでしたし、チームのために本当にうれしく思います。昨年からTR010 HYBRIDを仕上げるために全員が懸命に取り組んできました。その中で7号車が優勝したことは、チーム全体にとって素晴らしい結果ですし、自分たちも表彰台に並べたことを誇りに思います。特別な瞬間である一方で、もう少し上を目指せたのではないかという悔しさもあります。それでも、このクルマで今季2勝目を挙げられたことはチームとして大きな成果です。厳しい戦いの中で勝ち切ることができたこの一日は、長く記憶に残ると思います」

ブレンドン・ハートレー選手(ドライバー/8号車)
「ル・マンらしい、浮き沈みの激しいレースでした。一時は大きなリードを築き、長い時間トップを走る場面もありましたが、セーフティカーなどの影響もあって流れが大きく変わりました。運もあれば不運もあり、最終的には自分たちの思い通りの結果とはなりませんでしたが、最後まで全力で戦い抜きました。チームメイトも素晴らしい走りを見せてくれましたし、チーム全体の勝利を心からうれしく思っています。7号車クルーとドライバーのみんなにおめでとうと言いたいです。感情が込み上げる瞬間でした」

平川亮選手(ドライバー/8号車)
「24時間を通して接戦が続いたレースでした。私たちはベストを尽くしましたし、戦略も良かったと思います。完璧なレースではありませんでしたが、それでも最後まで優勝争いを続けることができました。7号車が優勝したことは本当にうれしい一方で、自分たちは長い時間トップを走りながら勝ち切れなかった悔しさもあり、複雑な心境です。ただ、7号車は素晴らしいレースをしましたし、チーム全員がこの勝利のために努力を続けてきました。まずはこの勝利をしっかり受け止め、喜びたいと思います」

第94回ル・マン24時間レース結果(トップ10)
1位:トヨタ・レーシング(トヨタTR010ハイブリッド・7号車)/381 周
2位:BMW・M・チーム・WRT(BMW MハイブリッドV8・20号車)/+10.913
3位:トヨタ・レーシング(トヨタTR010ハイブリッド・8号車)/+20.417
4位:キャデラック・ハーツ・チーム JOTA(キャデラックVシリーズ.R・12号車)/+32.381
5位:フェラーリAFコルセ(フェラーリ499P・51号車)/+2:22.423
6位:アルピーヌ・エンデュランス・チーム(アルピーヌA424・35号車)/+2:30.205
7位:AFコルセ(フェラーリ499P・83号車)/+2:35.573
8位:アストンマーティンTHORチーム(アストンマーティン・ヴァルキリー・007号車)/2 Laps
9位:キャデラックWTR(キャデラックVシリーズ.R・101号車)/2Laps
10位:アルピーヌ・エンデュランス・チーム(アルピーヌA424・36号車)/2 Laps

ル・マン24時間レース公式サイト
https://www.24h-lemans.com/en

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