スマートって覚えてる? プレミアムBEVブランドに生まれ変わった最新作「#5」はミッドサイズSUV!【日本未発売のクルマたち#18】
日本ではほぼ見かけない(正規販売されていない)クルマを取り上げる連載企画「日本未発売のクルマたち」。今回はスマートのミッドサイズSUV「#5(ハッシュタグ5)」をご紹介。
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目次
スマート#5のボディサイズはレクサスRXやBMW X3に近い
smart(スマート)というドイツのブランドを覚えておられるだろうか。
1994年、スイスの時計ブランド「Swatch(スウォッチ)」とメルセデス・ベンツの共同出資により、MCC(マイクロ・カー・コーポレーション)が設立。1998年に発表された駆動方式RR(リヤエンジン・リヤドライブ)の2シーター「フォーツー・クーペ」を皮切りに、小型車の展開が始まった。
ブランド名はスウォッチの「S」、メルセデスの「M」に、芸術を意味する「art(アート)」を組み合わせ、英語のスマート(洗練された、賢い)に掛けたものだ。
日本にも「フォーツー・クーペ」のほか、オープンモデルの「フォーツー・カブリオ」や4ドア版の「フォーフォー」、2シーターオープンスポーツの「ロードスター」といったモデルが、現在のメルセデス・ベンツ日本によって正規輸入された。2001年にはフォーツー・クーペの全幅を少しスリム化することで、輸入外国メーカー車で初めて日本の軽自動車規格に適合させた「スマートK」も発売された。
フォーツーは3代目まで、フォーフォーはルノーと共同開発された2代目まで発売された後、日本では2021年頃に正規販売が終了。欧州では2024年にそれまでの体制での生産・販売に幕を下ろした。
存続が危ぶまれていた2022年、メルセデス・ベンツは、ボルボやロータスの親会社としても知られる中国の大手「吉利(ジーリー)ホールディンググループ」との新たな合弁会社「スマートオートモビル」の本格始動を発表。スマートは、内外装の質感を高め、先進技術を積極採用するプレミアムBEVブランドに生まれ変わり、再スタートを切った。現在は欧州や中国を中心に展開されている。
ここでご紹介する「#5」は新生スマートの最新作。2024年8月に世界初公開されたミッドサイズSUVだ。ちなみに新生スマートとしてはこのほかに、コンパクトクロスオーバーの「#1(全長4270×全幅1822×全高1636mm)」と、それより少し大きいクーペSUV「#3(全長4400×全幅1844×全高1556mm)」をラインナップしている。なお、車名の「#」は、InstagramやXといったSNSなどで単語の頭につけてタグ付けする際に用いるハッシュ記号だ。
#5のボディサイズは全長4695×全幅1920×全高1705mmで、ホイールベースは2900mm。このサイズはレクサスRX(全長4890×全幅1920×全高1695mm、ホイールベース2850mm)や、BMW X3(全長4755×全幅1920×全高1660mm、ホイールベース2865mm)に近い。
※各モデルの寸法はいずれもドイツ仕様
スマートのデザイン言語「愛、純粋、意外性」を体現し、現代的な美学を融合
スマート#5|smart #5
デザインは、スマートのデザイン言語「愛、純粋、意外性」を体現し、洗練された現代的な美学を融合。ショートオーバーハングやフレームレスドア、パノラミックルーフなど、スマートの特徴的な要素も採り入れられた。
前後のライトは長方形をキーとしたユニークなデザインで、Dピラーにはブランドロゴを配置。2トーンカラーのドアミラーや、ホイールが回転していても中央のエンブレムが常に正位置になるフローティングホイールキャップがプレミアム感を高めている。
インテリアでは、オークウッドのトリムやプレミアムレザーのシート、曲線的な長方形のデザイン要素などのプレミアム感を高めるディテールがキャラクターを強調し、上質な空間が演出された。
スマート#5|smart #5
5人乗りのキャビンは2900mmのホイールベースを生かして、後席足元スペースを含め、すべての乗員に十分なスペースが与えられた。電動サンシェードやLEDの読書灯、256色から選べるアンビエントライトなど、洗練されたムードを醸す。
収納・積載性も良好だ。キャビン内にはセンターコンソールを中心に収納スペースを豊富に設置。荷室は後席使用時の630Lから、後席シートバックを倒した最大時で1530Lに拡げられる。フロントフード下にはRWD車で72L、AWD車で47Lの照明付きトランクが備わる。
インパネは積極的なデジタル化を明確に示している。左右端のエアコンルーバーの間には、10.25インチのドライバーディスプレイと、助手席用を含む2つの13インチOLEDディスプレイを配置。ヘッドアップディスプレイは25.6インチのAR(拡張現実)タイプだ。インフォテイメントシステムには最新世代のOS「スマートOS 2.0」が用いられ、AI対応音声コントロールが可能だ。
オーディオシステムには、ドイツの有名ブランド「ゼンハイザー」による1190W・20スピーカーシステムを採用。ダッシュボードの昇降スピーカーとアンビエントライトの同期により、没入感のあるリスニング環境を創り出す。
100kWhバッテリーにより一充電航続距離は最大590km
スマート#5|smart #5
800Vシステムを用いたドライブトレインは、1モーターの後輪駆動(RWD)と、2モーターの四輪駆動(AWD)を設定。RWD用モーターは最高出力267kW(363ps)、最大トルク373Nm(38.0kgf-m)を発揮し、6.5秒の0-100km/h加速を実現。
AWD用は総合で最高出力432kW (587ps)、最大トルク643Nm(65.6kgf-m)を引き出し、0-100km/h加速を4.9秒でこなす。最高速度はRWD車もAWD車も200km/hだ。
リチウムイオンバッテリーはニッケル、コバルト、マンガンを組み合わせたNCMバッテリーで、容量は100kWh。WLTPモードによる一充電航続距離はRWD車で590km、AWD車で540kmと発表されている。
AWD車には、5つのオフロード走行モード(アダプティブ/サンド/スノー/マッド/ロック)が備わっており、あらゆる路面で高い走破性を発揮する。
ドイツの名門チューナー「ブラバス」仕様もラインナップ
スマート#5ブラバス|smart #5 Brabus
2025年4月には「BRABUS(ブラバス)」仕様が発表。ブラバス仕様はすでに「#1」や「#3」にも設定されているが、この#5にも最上級グレードとして追加されたのである。
ブラバスは1977年に設立されたドイツの名門チューニングメーカーで、ベルセデス・ベンツ車のカスタマイズプログラムで有名。パフォーマンスから内外装まで専用に仕立てられるのが特徴で、旧スマート時代のモデルにも設定された経緯がある。ブラバスとの蜜月な関係は新生スマートでも続いているのだ。
#5ブラバスは2モーターAWD車をベースに、モーターの最高出力を475kW(646ps)に、最大トルクを710Nm(72.4kgf-m)にアップ。これにより0-100km/h加速は3.8秒に短縮。最高速は210km/hをマークする。バッテリー容量は他グレードと同じ100kWhで、一充電航続距離も他のAWD車と同じ540km(WLTPモード)だ。
エクステリアは専用デザインの21インチホイールやレッドブレーキキャリパーをはじめ、随所にあしらわれたレッドアクセントやBRABUSバッジにより、ひと目で特別なモデルであること主張。
インテリアではBRABUSのロゴが発光するアルカンターラ巻きステアリングホイールやスポーツペダル、高品質マイクロファイバー採用したルーフやシートによって、スポーティな雰囲気を高めている。
スマート「#5」ドイツ仕様モデルラインナップ
・プロ(RWD):4万5900ユーロ(約846万円)
・プロ+(RWD):5万900ユーロ(約938万円)
・プレミアム(RWD):5万5400ユーロ(約1021万円)
・パルス(AWD):5万5400ユーロ(約1021万円)
・サミットエディション(AWD):5万6900ユーロ(約1049万円)
・ブラバス(AWD):6万900ユーロ(約1123万円)
※エントリーグレードの「プロ」はモーターの最高出力が250kW(340ps)抑えられているため、0-100km/h加速タイムは6.9秒に。さらに76kWhバッテリーの搭載で、一充電航続距離は465km(WLTCモード)となる。
SPECIFICATIONS
スマート#5パルス|smart #5 Pulse
ボディサイズ:全長4695×全幅1920×全高1705mm
ホイールベース:2900mm
最低地上高:197mm
乗車定員:5人
荷室容量:前47L/後630〜1530L
車両重量:2345kg
モーター最高出力(2基総合):432kW(587ps)
モーター最大トルク(2基総合):643Nm(65.6kgf-m)
トランスミッション:1速
駆動方式:AWD
バッテリー容量:100kWh
0-100km/h加速:4.9秒
最高速度:200km/h
WLTPモード一充電航続距離:540km
※諸元はドイツ仕様




