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公開日:2026.06.03

トヨタ究極のGRカローラ「GRMNカローラ」世界初公開! ニュル仕込みの2シーターが台数限定で2027年発売へ【新車ニュース】

GRMNカローラ(プロトタイプ)|GRMN Corolla (prototype)

GAZOO Racing(以下、GR)は6月2日、「GRMNカローラ」を世界初公開した。GRMNカローラは、日本、北米、豪州を中心に台数限定で販売され、2027年内に発売される予定だ。

GRMNカローラ(プロトタイプ)|GRMN Corolla (prototype)

文=細田 靖

写真=トヨタ

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ニュルを全開で攻められる特別なカローラ

GRMNカローラは、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を掲げるGRが、モリゾウことマスタードライバーの豊田章男会長の「GRMNを名乗るならニュル(ドイツ・ニュルブルクリンクサーキット)をしっかり走れるクルマに」という言葉を受け、ニュルで鍛え上げた究極のGRカローラ。

モリゾウの「お客様を虜にするカローラを取り戻したい」という強い思いから生まれたGRカローラを、徹底的に磨き上げた意欲作だ。

世界一過酷なコースとも言われるニュルは、通常のテストコースでは現れない入力や路面変化があり、走り込めばクルマの弱みを浮き彫りにする。GRMNカローラは、低速域からレーシングスピードに至るまで、荒れた路面であってもクルマを意のままに操れる一台に仕立てられた。

ニュルでの走行テストのみならず、日本のスーパー耐久シリーズ(以下S耐)への参戦、さらに最新のドライビングシミュレーターを活用して様々な検証を行って開発。それでも実際にニュルを走り込むと想定外の課題に直面した。浮かび上がった課題をひとつずつ解決し、限界走行域に至ってもクルマとドライバーがしっかり対話し続けられる、クルマとの一体感の高さが追求された。

開発で得られた知見は、ベースとなるGRカローラの進化にも活かされている。2025年9月に発表され、11月に発売されたGRカローラ(25式後期)において、ボディの構造用接着剤の塗布長を13.9m延長し、32.7mとしてたことでボディ骨格を強化したことや、クールエアダクトを装備して高負荷走行時の吸入空気温度の上昇を低減したのは、ニュルでの学びを生かした結果だ。

S耐のようなレース、そしてニュルでは、クルマは高速かつ高Gで走行を続ける。こうした状況で車両のパフォーマンスを最大限に発揮させるには、4輪をしっかり接地させることが重要だ。GRMNカローラでは専用のエアロパーツを開発し、接地性を高めた。

GRMNカローラ(プロトタイプ)|GRMN Corolla (prototype)

GRMNカローラ(プロトタイプ)|GRMN Corolla (prototype)

フードダクトやフェンダーダクト、フロントサイドスポイラー、リヤウイングは、S耐に参戦している水素エンジン搭載のGRカローラに投入し、レースで培ったノウハウをもとに開発された専用パーツ。

S耐で試行錯誤を重ねたうえで、ニュルでファインチューニングされた。たとえば5段階の調整機構を設定したリヤウイングの角度は、プロドライバーとの走行テストにおいて1度ずつ変更しながら効果を検証し、最適な仕様が導き出されている。

フロントがストラット式、リヤがダブルウイッシュボーン式のサスペンションには、ショックアブソーバーをGRカローラRZのツインチューブではなく、専用のモノチューブを前後に採用。コーナリング時の内輪の接地性を高め、高速旋回性能を引き上げるべく、ショックアブソーバーにリバウンドスプリングを追加している。

ニュルの路面は一般的なサーキットとは異なり、サスペンションが上下に大きくストロークする環境も存在している。そうした環境においても安心して走り込めるスタビリティの高さを求め、ニュルでの走行テストを重ね、バウンドストッパー特性の最適化を実施。前後それぞれストローク量をミリ単位で調整しながらベストバランスを見出した専用パーツだ。

GRMNカローラ(プロトタイプ)|GRMN Corolla (prototype)

GRMNカローラ(プロトタイプ)|GRMN Corolla (prototype)

さらに、コーナリング時の安定性とブレーキ性能を高めるため、タイヤもベース車と比べて幅を10mm拡げた245/40ZR18サイズのハイグリップタイヤ「ミシュラン・パイロットスポーツ カップ2」を装着した。

EPS(電動パワーステアリング)については、高いGを受ける旋回時においても適切なアシストトルクを発生できるように制御プログラムを変更。また、4WDの制御もGRMNカローラ専用にチューニングされた。

直進時のリヤ側トルク配分を最適化し、超高速域におけるステアリングの切り始めの安定性を増すよう設定されている。

最大トルクを400Nmから415Nmにアップ

GRMNカローラ(プロトタイプ)|GRMN Corolla (prototype)

GRMNカローラ(プロトタイプ)|GRMN Corolla (prototype)

水素エンジンを搭載したGRカローラのS耐参戦は、内燃機関の進化にも多くの学びをもたらしている。耐久レースにおける長時間、高負荷下の走行は水素技術のみならず、内燃機関の基本コンポーネントのポテンシャル向上に活きる。

GRMNカローラに積む1.6リッター直列3気筒ターボエンジンの最大トルクをベース車比+15Nmとなる415Nm(42.3kgf-m)にできたのは、S耐参戦による知見を投入した結果だ。なお、最高出力はGRカローラと同じ224kW(304ps)。

エンジンの特性は、サーキット走行でのエンジン使用領域を分析し、コーナーでの立ち上がり加速に重要な3600~4800rpmの中速域でのトルク向上が図られた。連続した全開走行でも安定したエンジン高出力を維持するため、GRカローラ25式後期で新たに装着したクールエアダクトに加え、GRMNカローラにはインタークーラースプレーも装備された。

また、GRMNカローラはより高いパフォーマンス、そして「お客様を魅了する野性味」を追求するため、徹底的な軽量化を目的にリヤシートを撤去。ベース車比で約30kgの軽量化によりパワーウェイトレシオを低減し、突き抜けた走りを提供する。

走りの真価を引き出す専用コックピット

GRMNカローラ(プロトタイプ)|GRMN Corolla (prototype)

GRMNカローラ(プロトタイプ)|GRMN Corolla (prototype)

走行性能だけでなく、コックピットもGRMNカローラ専用に造り込まれた。

走りの真価をドライバーが引き出せるように、シートやインストルメントパネルを変更。シートはより高い横Gに対応できるホールド性を求め、S耐参戦車のドライビングポジションを指標にした専用設計のフルバケットシートだ。

クラッチ操作をしやすくするため、シート長も細かく調整。ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)を採用することで、軽量化も果たしている。安全性を担保することはもちろん、日常使いにおける乗降性にも配慮しつつ、クルマとの一体感を高められるシートを目指し開発された。

開発中にはこのシートをS耐参戦車両に搭載し、ヘルメットを装着した状態での評価を含めて、様々なプロドライバーのフィードバックを反映している。

コックピットは、より運転に集中できる空間を追求して配色にもこだわり、専用の植毛加工を施したインストルメントパネルおよびフロントピラートリムを採用。

また、トヨタ自動車・元町工場のカーボン課で開発、製造するカーボン製オーナメントを、助手席側のインストルメントパネルに装着している。モリゾウのサイン入りパッドも施された。ドアトリムやシフトノブにはアルマイトレッドの差し色が入り、GRMN専用シリアルナンバープレートが装着されている。

GRカローラMORIZO RRを開発中!

GRカローラ・モリゾウRR(コンセプト)|GR Corolla MORIZO RR (concept)

GRカローラ・モリゾウRR(コンセプト)|GR Corolla MORIZO RR (concept)

GRでは、GR-DATを搭載した究極のGRカローラ・5シーターモデルとして「GRカローラMORIZO RR」の開発も進めている。発売は未定。GRカローラMORIZO RRはコンセプトモデルとして、このたび発表されたGRMNカローラと同じく、6月28日まで富士モータースポーツフォレスト ウェルカムセンターで展示中だ。

GRMNカローラは、2026年秋頃からスマートフォン向けアプリ「GR app」を通して商談に関する申し込み受け付けを開始し、2027年内に発売される予定だ。

2025年11月発売のGRカローラ(6速MT)の税込車両価格は568万円で、先日発表された100台限定のGRヤリス MORIZO RR(8速AT)は税込900万円となっている。果たしてGRMNカローラの価格や販売台数はどうなるのか、今後の続報に期待したい。

GRMNカローラ 特別装備の主な内容(日本仕様)
【メカニズム】
・エンジントルクアップ
・クロスミッション
・サブラジエーター
・インタークーラースプレー
・GRMNカローラ専用ショックアブソーバー(フロント倒立/リヤ正立)※リバウンドスプリング内蔵
・ハイグリップタイヤ(ミシュラン・パイロットスポーツ カップ2/245/40ZR18)
・GRMNカローラ専用パワーステアリング・チューニング
・GRMNカローラ専用4WD制御チューニング
【エクステリア】
・カーボン製エンジンフード
・カーボン製フロントフェンダー
・カーボン製フロントサイドスポイラー
・カーボン製リヤウイング(角度調整機構付き)
・ホイール(マットブロンズ・GRロゴ入り)
・ダーク色トヨタエンブレム(フロント・リヤ)
・GRMN専用GRエンブレム(フロント・リヤ)
・ボディカラー「グラビティブラック」(特別設定色)
【インテリア】
・GRMN専用フルバケットシート
・GRMN専用シリアルナンバー入りプレート
・MORIZOサイン入りインストルメントパネル(カーボンオーナメント付)
・植毛インストルメントパネル・フロントピラートリム
・2シーター専用剛性ブレース
・鋳物ブラック塗装

SPECIFICATIONS
GRMNカローラ(プロトタイプ)|GRMN Corolla (prototype)
ボディサイズ:全長4410×全幅1850×全高1475mm
ホイールベース:2640mm
乗車定員:2人
車両重量:1450kg
総排気量:1618cc
エンジン:直列3気筒ターボ
最高出力:224kW(304ps)
最大トルク:415Nm(42.3kgf-m)
トランスミッション:6速MT
駆動方式:4WD

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