東京23区に南北一直線! 品川~板橋を結ぶ「環6.5」こと「補助第26号線」はどこまでできた? 未開通区間の現状【いま気になる道路計画】
東京23区を南北に貫く都市計画道路「補助第26号線」の整備が、全線開通に向けて進められている。品川区から板橋区までを結ぶ延長約22kmの計画について、ルートや整備効果、現在の進捗状況を見ていこう。
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品川区から板橋区へ「一本でつなぐ」都市計画道路
都道420号(鮫洲大山線)の三宿交差点付近。
東京23区を南北に貫く都市計画道路「補助第26号線」の整備が進められている。現在は未開通区間が残るものの、各工区で事業が進展しており、全線開通に向けた整備が着実に進行中だ。
補助第26号線は、都道420号「鮫洲大山線」を都市計画道路として拡幅・整備するプロジェクト。品川区から板橋区までを結ぶ路線で、環六通りと環七通りのほぼ中間を南北に通ることから、「環6.5」と呼ばれることもある。
補助第26号線の位置図。
品川シーサイド駅前の八潮橋を起点に、時計回りで大井町、武蔵小山、三軒茶屋、笹塚、中野、新井薬師前、東長崎、千川、大山などの駅周辺を経由し、最終的には板橋区役所前の仲宿交差点で国道17号(中山道)に接続する。計画延長は22.4kmに及ぶ。
環八通りのように長距離交通を担う幹線道路というよりは、沿線各エリアと周辺の幹線道路を結ぶ「ラストワンマイル」や、隣接するエリア間の移動を支える生活道路としての役割が期待されている。
目黒区と世田谷区の未開通部の現状は
補助第26号線の整備状況
現在の整備状況を見ると、路線は4か所で未開通となっている。ここからは、開通済み区間を含め、工区ごとの進捗を見ていこう。
●八潮橋~大井町~武蔵小山~目黒本町【開通済み】
現在では第一京浜・中原街道・目黒通りを結ぶ貴重な南北軸となっているが、戸越公園周辺では長らくJR線・東海道新幹線・東急線をまたぐ区間が未開通となっていた。これを解消したのが、2021年に開通した「ふたばトンネル」と「豊トンネル」だ。これにより、大井町駅から目黒区方面までが一本で結ばれ、東急バスも大井町~武蔵小山間の新系統を運行開始した。
さらに、2026年度に始まった「第五次事業化計画」では、中原街道から武蔵小山駅付近までが新たに優先整備路線に指定された。現在は中央分離帯がなく、歩道も狭い暫定的な道路だが、今後は都市計画幅への拡幅が進められ、本来の姿へと生まれ変わる予定だ。
●目黒本町~学芸大学【事業中】
目黒通り~駒沢通りを結ぶ延長約760mの「目黒中央町」工区。2007年の事業化以降、整備が進められ、2024年度には用地取得が完了。現在は本格的な道路整備工事が進行している。
現地では目黒郵便局前で路盤工事が行われているほか、北側では路床工事も進み、一部は完成済みで開通に向けた最終段階に入っている。現在はバリケードで車道が閉鎖され、歩行者と自転車のみが通行できる状態となっている。
●学芸大学~三宿~淡島通り【開通済み】
駒沢通りから国道246号を経て北側で途切れていた区間が、2022年に淡島通りまで延伸開通した。これにより、南北方向の道路が少なかった三宿エリアを貫く新たなルートが誕生し、都内各方面へのアクセス性が向上した。
起伏の大きい地形を縦断するのも特徴で、淡島通り手前では崖上へ駆け上がるような急勾配が続く。
●淡島通り~東北沢駅手前【事業中】
淡島通り~東北沢駅手前を結ぶ延長約980mの区間。標高の高い代沢地区を堀割構造で通過し、京王井の頭線をくぐって東京大学駒場キャンパス西側を北上、東北沢駅南側へ至る計画となっている。
住宅密集地や崖地、大学敷地、鉄道によって南北交通が分断されているエリアを貫く重要区間である。完成すれば目黒区と中野区方面を一本で結ぶ新たな幹線道路となる。
用地取得率は2025年3月時点で26%。現地では更地が目立つようになり、事業の進展を実感できる状況となっている。
●東北沢工区【拡幅事業中】
小田急線東北沢駅周辺の既存道路を都市計画幅まで拡幅する区間。駅南側はほぼ完成しており、北側では車線を切り回しながら東側歩道の整備を実施中。駅周辺のボトルネック解消に向け、段階的な整備が進んでいる。
中野区と板橋区でも事業進行中
大山駅周辺の未開通区間。
●井の頭通り~笹塚~中野~哲学堂公園【開通済み】
井の頭通りから哲学堂公園までの延長約6.5km。開通済みで「中野通り」の名称で親しまれている。
特に中野駅以北は4車線で整備されており、外側車線が駐車スペースとして利用される場面も見られるものの、比較的ゆとりのある道路空間となっている。
一方、青梅街道と交差する「杉山公園交差点」、大久保通りと交差する「中野五差路交差点」の2か所では、交差点改良事業が進行中だ。用地取得率は杉山公園交差点が23%、中野五差路交差点が99%となっている。
●江古田工区・江原町工区・南長崎工区・千早工区【事業中】
哲学堂公園から北へ延びる「江古田工区」では、現道へ接続する新設道路の整備が進められている。さらに、その先の要町通りまでの「江原町工区」「南長崎工区」「千早工区」では、現道の拡幅事業が進行中だ。
2025年3月時点の用地取得率は、江古田工区56%、江原町工区22%、南長崎工区81%、千早工区95%となっており、工区ごとに進捗状況は異なる。
●要町通り~川越街道【開通済み】
要町通りから川越街道までの区間。
●大山駅周辺【事業中】
大山駅前を通る区間。この一帯は、東武東上線が約2kmにわたって地上を走ることで南北交通が分断されており、環七通りまたは山手通りまで迂回しなければならない「道路空白地帯」となっている。その中央部を貫く補助第26号線は、地域の新たな南北軸として期待されている。
現在は東武東上線の連続立体交差事業(高架化)と並行して整備が進められており、道路整備に先立って線路の高架化が必要となる。用地取得率は58%で、交差部ではアーケード商店街の一部がすでに撤去され、商店街が2つに分かれた状態となっている。
●大山駅~国道17号【開通済み】
大山駅北側から仲宿交差点で国道17号(中山道)に至る区間。
このように、補助第26号線では、新規開通と既存道路の都市計画幅への拡幅が各地で並行して進められている。現在も4か所の未開通区間が残るものの、各工区では着実に事業が前進している。
なかでも、目黒区・世田谷区・中野区・板橋区に残る未開通区間の整備は今後の大きな注目点だ。特に用地取得を終え、本格的な工事が進む目黒中央町工区は、開通が近づいている区間として期待が高まる。補助第26号線の全線開通に向けた動きに、引き続き注目していきたい。
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